江戸囃子 篠笛・太鼓のお稽古

 2回休んだので6月以来のお稽古です。笛は秘曲の「鞨鼓」。秘曲の中でもこの「鞨鼓」は細かい指使いが多く難しい曲です。「夏祭り」から続ける場合は、2回目のホゥーは短く。そして締太鼓と同時に、トーヒャーと入る。この入り口が締太鼓も笛も一番気を使わないといけません。

 余計な音が入ったり、入るべき音が抜けていたり、ダメ出したくさんいただきました。附けには書いていないことをたくさん教えていただいています。それになかなか応えられないのが辛いところです。でも、最後に「けっこうよく勉強してきているね」と言われたのはプチ嬉しかった。師匠はお見通しですね。

 壁を飛び越えようといろいろとやっていて、もう少しで越えられそうな感じはあるんだけど…。芸事ってこういうのが一生続くんでしょうね。

 締太鼓は秘曲シリーズ。すいません。まだ暗譜できてない。附けを見ながらようやく付いていく。この辺腰を据えて覚えよう。

 

長唄三味線のお稽古 「鶴亀」1

 稽古が押していて、前の方が稽古中に私の次の方がいらしてました。まずは、懸案だった「鶴亀」出演の件をご報告して、「鶴亀」の稽古をお願いいたしました。師匠はあっさりと「いいよ」と。師匠ならば大丈夫とは思っていましたが、もし、「ふくふくさんにはまだ早いよ」なんて言われた日には、いったん引き受けたのをキャンセルしなきゃいけなくなりますから、ホッとしました。

 これは反省なのですが、鶴亀の話があった時点ですぐに師匠に聞くべきでした。自分も少し迷っていたのもあって後手を踏んでしまったのは大失敗でした。

 時間が限られているので、抜くところははしょって、あと独り弾きのところはざーっと、という感じで教えていただきました。一応家で、赤譜とCDで自主練習していたので割とスムースに進み最後まで行きました。やっぱり師匠の歌を聴きながらのお稽古はわかりやすいし楽しいです。

 家に帰って録音を聞き、佐門譜と赤譜の違いをチェックしました。ほとんど同じ感じ。伊十郎のCDの手はけっこう違うなあと感じたのは替え手が入っているせい?最後の段切れなんかはどこの流派も同じかと思ったら違ってました。

 最近いつも稽古帰りに行くお蕎麦屋さん、もうすぐ閉店の張り紙があってプチショック!昨日はみどケロさんが相撲観戦だったので、お土産いっぱい持って帰るだろうから、それをあてにビールでも飲もうかなと思ったのでまっすぐ帰宅。そしたら、お土産はほとんど母親にあげたのこと…。大ショック!!!

長唄 能管・篠笛お稽古 「浦島」2

 この曲の肝は、竹笛のところだと思う。師匠から、「だいたい、そんな感じなんですが、もうひと息ですね」と。それは自分もわかっていて、今さらながら竹笛の難しさを感じています。能管の最後のところの三段目だけど、浦島なりの三段目を意識してください、と。と言われてもノー感な私です。

 吹き終わって、正直にノー感でしたと言うと、いろいろと教えていただきました。歌詞だったり、踊りだったらそのシーンをイメージするとか、ただ笛で音を出しているだけではダメですよとのこと。

 今の笛の師匠は、よく教えてくださるタイプの師匠だと思います。教わる人によっても違うんでしょうが、私に対しては、素人だけど一生懸命やってくるんで、ちょっと濃いめに、というのが指導方針?のように感じます。よく言われるのは、楽しくやりましょう、楽しんでください。ある意味、プロ志望の方には絶対言わない言葉でしょうが、この言葉は素人だけど一生懸命上達を目指す自分には、忘れてはいけない言葉だと、ありがたく受け止めています。まずは続けること、続けるには楽しくないとね。

 というわけで、もう少し浦島です。頑張らないと。

長唄三味線のお稽古 「秋の色種」12 といろいろ思ったこと

 ちょっととりとめなのない内容+ネガティブな内容も少々。まあ、いつでも前向きな訳じゃないし。この時はこう思ったんだよな、という記録的な意味でも記しておきます。一部ネタバレ的な部分もあります。同門の方で日記を読んでいる方もいるかもしれませんが、その辺はスルーなりしていただけると助かります。

 色種は上がりました。と、思う。というのは、来年の「ひきだるま」おさらい会の曲を決めないといけない時期です。今回のお稽古で、通しで弾いたあと、師匠が「では、抜き差しを決めましょうか」と。はい、私の曲は「秋の色種」に決定しました。おさらい会がなければ、次の曲にいけたかな、ということで上がり。これからはおさらい会に向けての煮詰めていく稽古になります。

 とても難しいです色種。2年前の熊本八千代座でのおさらい会で、浜松の男性がとても上手に弾いていたのを思い出しましたが、とてもあのレベルにいけるか自信がありません。二上がりの最後にテンポが速くなるところ、左手ばかりに気にしていたら、右手の撥を一つ一つきちんを弾くようダメ出ししただきました。それと、本手を弾くんですが、かけ声を、ふくふくさん言ってね、と。これは初めてのことなのでちょい嬉しいです。タテ三味線ですからね(笑)。

 これから、ネガティブモードの話です。2010年6月からお稽古に通い始めて5年目になります。人それぞれのパターンというのがあると思うのですが、どうやら自分の場合、1年に1曲、その曲をおさらい会にかける、というのがパターンのようです。ということは、70才まで元気で弾いていたとして、あと18曲しかさらえないのか~、なんてふと考えてしまいます。もうちょっとやりたいよなあ、とかも。若い頃から稽古していれば、1年に何曲も稽古するだろうし、その積み重ねで50曲くらいは弾いたことある、なんて経験を積み重ねられるっていいよなあ~、とか。

 祭囃子の笛で、神楽囃子にいくかどうか迷っているが、今の祭囃子の方をじっくり熟成させたいみたいなことを言っていたことがあります。こちらの方は曲数よりじっくりやりたいっていう意識になっているんですが、長唄三味線の方はまだそこまでは思えない感じです。
江戸囃子(篠笛・太鼓)のお稽古でした

 ないものねだりなのはわかってはいます。現実的に1年かけて、下手なりにようやくおさらい会にかけられるわけですからね。なんだろう考え方を変えるっていうか、ゆっくり一つの曲との出会いを楽しむ味わうべきなんでしょうね。

 とまあ、ちょっと変なこと考えちゃったりしたわけです。

 またまた、話変わって、実は色種が上がったら、いったん「鶴亀」をお願いするつもりでした。話の流れで、その件は話そびれたんですが、これはやはり1回ご報告かねてお話ししないといけません。あ~、こんな自分が鶴亀の三味線で出ていいのだろうか?ここでもネガティブ思考が…。

 まあ、こんな気分もたまにはある。

赤坂氷川祭で祭囃子

 去年は台風接近で大雨の中でやった氷川祭。

https://twonine29.sakura.ne.jp/myblog/20130915-261.html

 本来なら今年は陰のはずなんですが、今年もお声がかかりました。なんでも、赤坂氷川神社には古い山車が完全な形ではないものの多数残っていて、数年前から少しずつ修復作業をしているそうです。その辺のことは神社のサイトに載っていました。今年は山車三台と神輿1基が巡航するとのことで特別だったようです。

赤坂氷川神社

特定非営利活動法人 赤坂氷川山車保存会

 私の所属している会はもともと赤坂見附のお店の方のつてでその町会で囃子をやらしてもらっていたのですが、今回山車の「恵比寿」がその町会のもの?とのことで、町会の推薦もあったのでしょう、神社からお声がかかったようでした。

 今年のお祭りは、町会神輿は出ていなくて、神社の山車と宮神輿の巡航のみのようでした。関係者の方が、来年は神輿の祭になりますから、とおっしゃっていました。ということは、山車が出るのは偶数年になるのかな。すいません、この辺は未確認情報です。

 今回NPO法人が山車の引き手を募集していた関係もあり、ちょっといつもの祭の雰囲気ともちょっと違う感じがしました。そのNPO法人の半纏がローマ字で名前が入っていたりとか、NPO法人の半纏の方がたくさんいるって不思議な感じです。都心の町会は高齢化の問題もあるし、このNPO法人を活用した、引き手とか担ぎ手の募集とかは、これからの祭のあり方の1つの形かもしれないですね。

 んで、実際の演奏ですが、今回、反省と失敗がてんこ盛り。2011年のとき移動式の屋台に乗ったんですが、その時は座れたという記憶があり、今回も座れるかなと思い、合曳を持って行かなかったのが大失敗。「恵比寿」山車の座れる広さは畳1畳弱くらい。しかも板張り。太鼓は座って鉦と笛は後ろで立って演奏です。私がワキ太鼓で座ると後ろの笛の人はきつきつだし、私自身も顎の前30cmに太鼓がある感じで打ちにくい。何より薄い座布団を敷いただけでは私の足は持ちません。

 休憩を挟んで4回乗るんですが、2回目と4回目はパスさせていただきました。4回目の時は歩きながら控えの笛で投げ合いを吹いていました。

 特に大太鼓と笛はダメだったなあ。大太鼓はドドストストスト ドンドン ドドドンというのが苦手。本番中には直せなかったが、帰りの地下鉄の中で何となく原因がわかった。だいたい速くなっちゃうんですが、ドドストストストの後のドンに入るのが間が詰まって速くなっている感じです。

 あと、ドンドン ドドドン ドドドン ドドドン という手があるんですが、これも速くなりがち、唱歌的には、ドンドン ドドド・ ドドド・ドドド・ と切ったようにした方が走らない感じです。

 笛は、持久力がなくなっていました。特にチヒーーーと伸ばすときのヒーーーがだんだん出なくなる、これも出すコツとかがあるんですが、吹いていないと忘れています。本番中に思い出せず。コツとしては、チヒーーーのチは少し抑え目にしてヒは少し強めに吹く。でもヒの音が一本調子ななく出せるのが理想。本番中はチで力を使いすぎでした。なかなか難しいです。

 と、反省モードでいたら、会主のT師匠から、「ふくふくさん、笛の音前と変わったね」と言われました。バタバタしていたので話がそこで切れちゃったので、良くなったのか下手になったのかわからないのですが(汗)、ニュアンス的には下手になったという訳ではなさそうでした。たぶん、少し色んな試行錯誤しているのを、感じ取っていただけたのかもしれません。

 終わってから身体が少しほてっていた感じで、あれ、また体調崩したかな?と思いましたが、どうやら天気が良くて日に焼けたせいだったようでひと安心。咳も笛を吹いている間は出なかったので良かったです。

 やっぱり祭囃子もいいなあ!

長唄三味線のお稽古 「秋の色種」11 と今後の予定

 1ヶ月半ぶりのお稽古でした。前回の日記で8月にしっかり稽古して、次は上がれるよう頑張ろう、と書いたのですが…。結果から言うと未だ上がれませんでした。虫の合方で勘違いして弾いていたところ、琴の合方、二上がり最後の速いところ、三下がりの棹の下の方を使うところ、つっかえて止まってしまいました。

 言い訳をすると(汗)、8月は徳島行ったり阿波おどり出演したり、体調崩したりでほとんど練習していませんでした。9月に入ってから練習再開ではそりゃあだめですよね。今月は後2回お稽古あるので何とかしたいです。

 ほんで、11月に川崎の方の邦楽祭と千代田区の邦楽祭にそれぞれ出ます。川崎は長唄「鶴亀」の三味線、勝三郎「連獅子」の笛、千代田区は替衣(チンチリレン他)の三味線です。覚えものが3つも!勝連と替衣はまあ過去やったこともあるので、まあ、何とかなりそうなんですが、問題は「鶴亀」。一人都合で出られなくなり急遽出ることになったんですが、果たして3ヶ月で覚えられるか不安です。

 そういえば替衣の最初に「越後獅子」のサラシの合方も入れるとかで、師匠にお手本弾いていただきました。これも覚えないと…。

 今月は週末に女子東音会の演奏会と赤坂氷川神社の祭礼、その次の週が初台の阿波おどり、月末に小金井神社での阿波おどりがあったりします。

 ん~、大丈夫か自分(笑)

笛の浴衣会に行ってきました

 場所が神楽坂なので、行く前にランチでもと思いふらっと何気なく見つけた蕎麦屋に入りました。お二人さまですね、どうぞこちらへ、と案内される。ここまでは普通ですが、次に、こんにちは、お久しぶりです、と…。と、お顔をよく見れば、元東京えびす連のWさんでした。以前、かせい阿波おどりで、うちの事務所で一緒に飲んだ方でした。恐るべし、阿波おどりのメッカ、神楽坂。今月いっぱい店にいるそうですよ。

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 で、おさらい会です。会場は神楽坂のうなぎ屋「志満金」さんの大広間。福原清彦師のお弟子さん方の浴衣会です。私の知り合いが出るので応援です。

 番組は、笛のおさらい会らしく、例えば「安宅の松」は、冒頭に勧進帳の「名乗り」と「次第」を入れて、最後に同じく勧進帳の「舞三段目」を入れたり、長唄「神田祭」は冒頭に江戸囃子の「鎌倉」、最後に「投げ合い」を入れたりして、笛の場面を増やしたりする工夫が随所に見られました。普段なかなかない、お琴との合奏を聞いたり、黒髪を吹かれた女性の落ち着いた演奏に感心したり、楽しい浴衣会でした。最後に「白波五人男」をお弟子さん方が演じるという余興まで楽しませていただきました。

 ちょっと補足すると、笛の場面がメインになるので、お三味線とかを聞きたいという方は笛のおさらい会はけっこう辛いかもです(笑)。「秋の色種」だと、虫の合方、琴の合方が、ばっさり抜かれていました。基本三味線の合方はないです。ちょっとは聞きたいなあと思うんですけど、あくまで笛のおさらい会ですから。

 知人は「操三番叟」を吹いていましたが、とても上手でした。あの能管と竹笛の持ち替えはお見事のひと言。聞くところによると、下浚いは日吉が鳴らず苦労したそうですが、本番は日吉も良く鳴っていました。そうそう、今回知人の能管の構え方が、師匠の清彦師の能管を拝見してそっくりなことを発見しました。やはり弟子は師匠に似るのですね。

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長唄 能管・篠笛お稽古 「浦島」1

 ちょっと日記間が抜けました。とはいってもバタバタしていてそれほどお稽古いけていません。実は勝三郎「連獅子」は上がりました。えっ、2回で終わりですか?とびっくり。正治郎「連獅子」のときに個別の手はけっこうやっていたのと、まあ、やることがわかっていてある程度できていたので、「あとはよく練習しといてください」みたいな感じです。で、次何やりましょうかということで「浦島」になりました。

中ノ舞
 オヒャーオヒヤリ ヒウイヤラリ
 中・呂・中・干・中
 オヒャーオヒヤリ
 ヒィー

竹笛(三下がり)
竹笛(二上がり)
 龍神の手を打っているそうです

三段目
 オヒャーオヒヤリ ヒウイヤラリ
 ヤーリーヤーリー ヒウイヤラリ
 中・呂・中
 モリ込み 段切

 呂・中・干だけど、何か使われる曲や手によって微妙に変わる。序の舞のときとか、三段目のときとか。いつか系統立てて覚えたいんだけどなあ…。

 三下がりの笛で、チヒーイを吹くが別に太鼓がその系統ってことではなく、場面的に遠くで祭をやっているという解釈があるかららしい。

 まあ、この三下がりと二上がりの笛は、素人の私が吹くと何か曲にならない。師匠はまず譜面の手を深く考えずにキッチリ吹くといいですよと。確かに、曲にならないって言う前にキチンと吹けてない自分です。音程、拍、間をきっちり吹くのって難しいって今さらながら痛感しています。こういうところにまだまだ上達の余地があるのかな、とも。

 笛的には短いので、一応最後までいったが竹笛の内容がひどいのでもう1回やることにしました。

見る阿呆の総括~阿波おどりはどこへ向かうのか~

 私は根っからの鳴り物奏者です。が、見るのも大好きです。阿波おどりはもう22年くらいやってますが、私以上の経歴の持ち主はこの世界ゴロゴロいるので、まあペーペークラスに毛が生えたくらいです。そんな自分ですが、何となく思っていることを過去何回かまとめているので、今年また書いてみます。

 その前に阿波おどりに関しての論文を見つけたのでリンクを貼っておきます。

観光資源としての阿波踊りの成立過程とその要因

 10年ほど前の論文ですが、ざっくり今の阿波おどりの状況を捉えているなと思います。では実際踊りや鳴り物はどうなってきているのか?自分なりに少し整理してみました。

 ご存じない方もいるかもしれませんが、阿波おどりはもともと行進型の踊りです。単純な振りにシンプルなお囃子です。もともと自分が楽しむための踊りですから、難しい振りも難しい音も必要なかった訳です。忘我の境地、いわゆるトランス状態になるには、単純な振り、単調な音が向いていたからというのもあると思います。

 そんな阿波おどりがホールで演舞されるようになってきました。舞台で見せる阿波おどりの登場です。ここで昔の舞台がどうだったのか?私以上に詳しい人に語って欲しいところですが、私はかなり昔の高円寺のセシオンで行われた踊りのビデオを見たことがありますが、それはもうシンプルで、ただ女踊りが踊って、男踊りが踊って、鳴り物はひたすらぞめき囃子を鳴らす、みたいな内容でした。

 それがここ20年くらいで劇的に変化してきました。踊りは構成と呼ばれる複雑なフォーメーションをやったり、演舞にストーリー性を持たせるようになったり、歌舞伎の六方を取り入れたり、傘のような小道具を使ったりと、他の芸能を貪欲に取り入れるようになってきました。

 そうなってくると鳴り物の方も変化してきます。単純に踊らせるためだけのものから、聞かせる、あるいはその場面に合わせた効果音であったり、BGM的な役割を担うようになってきています。使われる楽器も、竹が入ったり、鈴が入ったり、拍子木が入ったり。徳島民謡に長唄、端唄、現代和太鼓の要素を取り入れたりもしています。

 今年、徳島と高円寺の舞台を見て、その連の目指す方向性が大きく分けると、シンプルな構成で踊りそのものを見せる、そして踊りのための鳴り物を志向する連と、総合芸術としての舞踊劇のような面を強く打ち出している連の、二つに分けられるかな、と感じました。舞台をご覧になった方はたぶんわかると思います。

 以前はそんなに凝った構成でなくても、上手い踊りと鳴り物を聞かせてくれれば私自身も満足していましたが、ここ最近は少し物足りなさを感じるようになってきています。やはり、いろいろ凝った構成を目にする機会が増えてきて、目や耳が贅沢になってきたからだと思います。そしてこういった傾向は見る阿呆全体に広がっていくと思います。だって、初めて見たときから舞台踊りがあった、という世代が増えていく訳ですから。

 ただ、逆にそういった舞台偏重な流れに背を向けて、あくまでメインを流しと輪踊りにして、祭的な雰囲気を重要視することを選択する連も出てきているのかなと思います。もともとお祭りなわけで、そこに小難しい芸能的なものを持ち込むことを良しとしない考えです。また、小難しいことは抜きにした、はっちゃけってる連もあります。

 こうして、普段何気なく見ている阿波おどりも、実はその連が志向しているものは全く違うんですね。その違いがあるからまた面白いのかもしれません。ただ、忘れてはいけないことは、阿波おどりは観客と一体型の踊りであること。踊る阿呆と見る阿呆の垣根がくずれる瞬間があって、皆が踊る阿呆、あるいは手拍子で囃す阿呆になることが阿波おどりの醍醐味であると思います。

 最後にこれからの阿波おどりについて。阿波おどりって今まさに進化・変化している芸能(芸能という呼び方に異論がある方もいるかもしれませんが)です。そこで、変わることを恐れてはいけないと思います。固まるにはまだ早すぎます。衣装一つとっても、以前は使えなかった色とか素材とかが使えるようになってきた今、また、動画全盛の今、ビデオ映えする衣装というのも大事な要素だと思います。昼間明るい時間にやることも以前より多くなってきているので、日中でも色映えすることも大事です。

 今年、男踊りで拳を突き上げる踊りを、徳島の選抜でも高円寺のセシオンでも見ました。この拳を突き上げるっていうの10年くらい前にくすのき連さんのHPで徳島でやっていたという記事を読んだことがありましたが、私個人的には初めて見ました。感想は使い処によっては、いいんじゃないのと。こういった新しい動きも、これから色んな使い方を試され洗練されて、阿波おどりの日常の動きになるかもしれません。

 鳴り物も、竹とてんてんはある程度一般的になってきてます。舞台では拍子木もけっこう使われてきています。以前のように笛・三味線・大太鼓・締太鼓・鉦、だけでは表現力不足になってきています。

 わたしもこの先身体の動くうちは、この阿波おどりに関わっていくでしょうから、今後も阿波おどりの行き先を見続けていきたいと思います。

高円寺阿波おどりでした 出演編

今年2年ぶりに高円寺阿波おどりに戻ってきました。当日は午前中のセシオンを見て、ご飯食べて控え室の杉八小学校の体育館へ。冷房無しはきつい(笑)。女踊りは特に大変だったと思います。

 控え室では初心者二人の三味線の糸をギリギリしごいてました。ホントは自分でやって欲しいところなんですが、たぶんその必要性自体もまだわからないと思うので、煩いじじぃの出番でウンチクをタレながら糸をしごいていました(笑)。こういったのを見て、自分でやってくれるようになるといいんですが…。

 どうせ外では音なんか聞こえないでしょ、と言われるかもしれません。実際言われたことあって涙を流して抗議したことがあります。確かに高円寺なんかでは特に騒々しいので、聞こえないと思いますが、それでも流しで通り過ぎたときの横で見ていた方達にはきちんとした音を聞かせたい、と思っています。流しのゴール近くでは、前の連の音もなくなり、太鼓が音を落としたときは少しですけど三味線の音が聞こえているかなと。それも5挺の三味線がいるからで、2挺くらいでは厳しいかな。ですから、調弦をおろそかにはできないないのです。

 南演舞場の中間からスタート。ルック、中央、東、純情を演舞してパルに入って終了。最後進まなくなったので、鳴り物が割れて後ろの飛鳥さんを通して終了。飛鳥さん最後踊って終われて良かった。ナイスな判断>連長・あらぴー。

 今回意識したのは笑顔でやること。小金井で弾いている自分の写真を見て、ぶすっとした顔が良くないな~と思ったので(笑)。ケーブルテレビに映っていたらしいんですが、楽しそうでしたよ、と言われたのでまあ良かったかなと。でも、丸い顔がますます丸く映っているようです(笑)。

 高円寺が終わると夏が終わりだなあ、と感じます。