長唄三味線の師匠が徳島行くので付いていった

 土日で徳島行ってきました。メンバーは長唄三味線のお師匠さんと、弟子有志5名。師匠は徳島県文化振興財団主催の「徳島邦楽ルネッサンス」に出演のため、弟子達はほとんど観光のためです(笑)。

 まずは飛行機で徳島入り。

徳島空港
徳島空港

 師匠はお迎えの車でリハのためあわぎんホールへ。弟子達はレンタカーを借り観光です。なんてお気楽な弟子達&それをお許しくださる寛大なお師匠さまです。まずはお腹がすいたので昼ご飯。今回、名ガイドしてくれたのは弟子Uさん。美味しい魚食べましょう、ということでおすすめのお店へ。
びんび家
びんび家
 この店はUさんの連、彼は高円寺の有名連で三味線弾いてます、がよく行くところだそうです。生け簀に魚がたくさん泳いでます。ハマチ定食1000円がもっともコスパが良いですよ、とのことで、これを3つとせっかくだから他も食べたいという声もあり刺身定食2つ。他に単品いくつか頼んで昼食。美味しかった~。

 さて、初めて徳島来た人もいるので、鳴門の渦潮を見に行こうということになり、一路鳴門へ。大きな渦は見られませんでしたが、小さな渦は次から次へ現れては消え、たくさん見ることができました。外国の方も多く来ていて、床がガラスになっているところなんかで「ワオ!」なんて声上げていました(笑)。

 夕方、空港へ戻り、遅れて到着される三味線の方をピックアップし徳島市内へ。三味線の方をリハ中のあわぎんホールで降ろして、我々もホテルへチェックイン。師匠はリハ後は主催者からご接待を受けるということになっていたので、夜も弟子のみで行動。徳島初めての人もいるしここまで来て阿波おどりを見ない手はないので、夜は阿波おどり会館へ。出演は蜂須賀連さんでした。

 ここから少しまじめレポモードです。蜂須賀さんここ何年かで随分変わりました。女法被が定着して人数も多い。最初出てきたときあれ娯茶平さんの法被かなと錯覚してしまうくらいでした。衣装の感じが似てるせいかな。男踊りベテラン連中4名ほど踊っていて、衣装も色がちがっているのと、この人達はそれぞれ踊りの個性が際立っていて、見ていて楽しかった。何ともいえな味わいがあるんですよね。オーラが凄い。飽きずに見てられます。

 女踊りも15年くらい前は、足を蹴り上げるなんてことはしてなかったのが、いわゆる今風の女踊りになってます。それにしても若くて美人度が高い。男踊りは衣装が浴衣になって、提灯も振る場面はあったのですが、それほど提灯を前面に出す構成ではなくなった感じです。

 鳴り物は、ん~、ここもいろんなの入れ込みすぎ、自分的には。そんなに長い構成じゃないのにいろいろ入れるから、ぞめきは半分もなかったですね。県協会さんはチャレンジャーの連が多くて、かなり責めてくるので聞く方も大変です(汗)。マジレポモード終了。

表彰式
表彰式
 なんと、同行の姉弟子さんがレイを!!

 トリが食べたいという姉弟子さんのリクエストがあり、「とりぼん」さんへ。ここ安くて美味しかったです。

 翌日は演奏までフリーというここになっていましたが、姉弟子さんにつきあって、眉山ロープウェイ、昼食はラーメン食べたいということで、オーソドックスに「いのたに」へ。開演まで時間が少しあったので阿波おどり会館へ戻りお土産見て、奧の滝の焼き餅でお茶。

 今回のメインイベントです。長唄・端唄・義太夫・津軽の三味線弾きが集まっておのおの三味線の魅力を伝えるという演奏会。師匠は一人勧進帳のさわりと二挺一枚で秋の色種を演奏されました。秋の色種に虫の合方という超かっこいい合方があるんですが、佐門では四世佐吉がこの合方に長い入れ事をしていて、激ムズらしいんですが、今回現家元七世佐吉のご子息浅吉さんが立、わたしの師匠が上調子で、この入れ事あり虫の合方をやりました。今自分が色種稽古していているんですが、まあその演奏の凄いこと。感動でした。

 他の端唄・義太夫・津軽のみなさんもいい演奏されていて、唯一残念なのが客の入りが良くなかったこと。これ本当にいい演奏会でした。

 最後に徳島佐苗会・青の会と出演者全員でぞめきのコラボやったんですが、これも凄く面白かった。ぞめきの中に、それぞれが手を入れていくんですが、他ジャンルからの入ってくる音は発想が新鮮でそうくるか~、みたいなのがたくさん。うちの師匠はタマ入れてました。これはある意味徳島でも定番ですが、一流の長唄三味線が入れるのはレベルが違います。唄の方は越後獅子の浜唄を入れてました。師匠の発案らしいです(^o^)。

徳島の友人と
徳島の友人と
 終演後、楽屋口にて、徳島の長唄三味線、ぞめき三味線のお友達と再会

 終演後師匠は電車で博多へ移動。少し時間があったので、駅ビル5Fの中華料理屋へ。初めて師匠と合流(汗)。師匠と弟子連中でご飯食べ、師匠を駅でお見送りして,弟子一同は空港、そして東京へ。

 今度はみんなと夏行ってみたいな~。姉弟子さんからは徳島詳しい人がいて凄く楽しかったと言っていただきました。ひとえにUさんのおかげ。わたしもちょいお手伝いできたかな。凄く楽しい旅でした(^o^)。

阿波おどり、うちの連は研譜です

 久しぶりの阿波おどりネタです。1月東京ドームで恒例のふるさと祭りがあって高円寺合同連250名の演舞がありました。はい、今年も動画です。なかなか行けないんです。法事もあったりして時間が取れませんでした。なんか年始めに見る阿呆も集まるみたいな雰囲気もあるのかな。けっこう回りでは行った人多いようです。

 感想はというと、少ない合同練習日程のなかでよくやってるなあ、というのと。あの会場はやりにくいだろうなあと。広すぎくらい広いし、地面も赤、バックの壁も赤っぽい色、見てて疲れます。

 音はちょっと方向性変じゃね、って思います。新しい音を入れ込んで作るのが恒例になっているようですが、その音がなんかちょっと違う。吉野川って笛のメロディー、寺内タケシさんが作ったんですが、これは凄く良くできていて、知らない人が聞けば昔からある音と教えられても何の疑問も持たないくらい、昔からある騒き囃子にマッチしてます。これは別格としてもやるならそこレベルのものじゃないと。正直今回は「阿波おどりじゃないもの」を見て聞いているように思いました。

 日本に各地にあるお囃子、たくさんありますが、どれも聞くとなんか懐かしい感じを受けませんか?それってやっぱり日本人のDNAに刻み込まれたソウルミュージックなんだと思います。阿波おどりもその中の一つで、音を聞いたときにそういった心に響いてくるものがないとダメなんです。うちのかみさんなんか、これ中国の音?なんて言ってました(汗)。踊りも同じです。熱狂と情と色気を感じなければ阿波ダンスで阿波おどりじゃなくなっちゃいます。自分的には。

 辛口になっちゃいましたが、東の雄である高円寺であるが故の辛口コメントですのでご容赦ください。あの会場に負けない動員力・まとまりはさすがです。もっともっといいの見たいんですよね。

 ん?書いているうちに題名と関係ない内容に(笑)。そうそうそれで、連の練習が始まって、三味線の新しい替え手を勉強してます。お手本、この場合は徳島で演奏しているものなんですが、皆で弾けるようにするには、譜面起こすのがいいかなあ、なんて思ったわけです。弾く人によって微妙に違う、なんてことになると尺も変わったりして、踊りからも聞いても不便だろうし。

 で、題名の通り、うちの三味線って基本研譜なんです。これたぶん少数派じゃないかな。研譜なのは三味線の指導者が研譜だから、です。当たり前か(笑)。で、自分も研譜読めないといけないので少しずつ勉強してます。ちなみに普段は佐門譜です。文化譜も読めるので、三味線譜に関してはトリリンガル!!

 で、実際の作業は佐門譜→文化譜→研譜と脳内で変換して書いてます。脳内というのは正確じゃないですね。変換表みたいなのを使ってます。それにしても研譜はまだ全然ピンと来ないです。慣れなんでしょうけどね。

ぞめきの三味線は難しいのだ

 阿波おどりのお囃子のことを「ぞめき」と言います。漢字を当たると「騒き」となり、「浮かれ騒ぐこと。にぎわい。さわぎ」という意味合いです。はい、ここをお読みの方は関東の三味線弾きの方も多いんですが、こちらには三味線で「さわぎ(騒ぎ)」というのがあります。イメージ的には芸者さんがお座敷で、お客に「姉さん。ひとつ賑やかなやつを頼むよ」と言われたときに弾く曲です(笑)。

 偶然かどうか、同じ三下がりで使っている音も同じです。いろんな替え手があるのも同じ。一番の違いはリズムで「ぞめき」の方は、浮いたリズム、はずむっていう方がこっちでは多いかな。

 で、このリズムがけっこう難しい。連の練習で、久しぶりに連長の厳しいダメ出しをもらいました。指摘されたことは何となくわかるんですが、じゃあどうしたらいいのか?家に帰ってから、いくつか手本になりそうな音源聞いて、自分の描いていたイメージとのズレを探す作業。感覚的に修正できない、理屈で理解するタイプなんです。

 たぶん、正解(に近いもの)がわかった(と思う)。鉦のリズムと、自分のイメージしていた三味線のリズムにズレがありました。但し、正解がわかったからってすぐにできる訳じゃあないんです。癖になっているものを修正しなきゃいけないので。

 でも、これ実は割と最初の方に言われていたことで、鉦と三味線って同じように打っているんです。鉦の練習をみんなするといいよ、みたいなことも。そういえば、鉦を見ながら聞きながら弾くと弾きやすいってのは感じていたんですが、ふと、鉦がいなくなるとすっかり忘れちゃっている自分でした。

 お稽古とか練習って、言われたこと、注意していたことが、いつの間にか忘れちゃっていることが往々にしてあります。そういうのをチェックしてくれる人がいるのは本当にありがたいです。師匠とか先生と言われる人は、同じことを何千回というんでしょうね。自分も阿波おどりに限らず、各先生方に何回も同じこと言わせちゃっていますね、間違いなく。反省。

 

見る阿呆の総括~阿波おどりはどこへ向かうのか~

 私は根っからの鳴り物奏者です。が、見るのも大好きです。阿波おどりはもう22年くらいやってますが、私以上の経歴の持ち主はこの世界ゴロゴロいるので、まあペーペークラスに毛が生えたくらいです。そんな自分ですが、何となく思っていることを過去何回かまとめているので、今年また書いてみます。

 その前に阿波おどりに関しての論文を見つけたのでリンクを貼っておきます。

観光資源としての阿波踊りの成立過程とその要因

 10年ほど前の論文ですが、ざっくり今の阿波おどりの状況を捉えているなと思います。では実際踊りや鳴り物はどうなってきているのか?自分なりに少し整理してみました。

 ご存じない方もいるかもしれませんが、阿波おどりはもともと行進型の踊りです。単純な振りにシンプルなお囃子です。もともと自分が楽しむための踊りですから、難しい振りも難しい音も必要なかった訳です。忘我の境地、いわゆるトランス状態になるには、単純な振り、単調な音が向いていたからというのもあると思います。

 そんな阿波おどりがホールで演舞されるようになってきました。舞台で見せる阿波おどりの登場です。ここで昔の舞台がどうだったのか?私以上に詳しい人に語って欲しいところですが、私はかなり昔の高円寺のセシオンで行われた踊りのビデオを見たことがありますが、それはもうシンプルで、ただ女踊りが踊って、男踊りが踊って、鳴り物はひたすらぞめき囃子を鳴らす、みたいな内容でした。

 それがここ20年くらいで劇的に変化してきました。踊りは構成と呼ばれる複雑なフォーメーションをやったり、演舞にストーリー性を持たせるようになったり、歌舞伎の六方を取り入れたり、傘のような小道具を使ったりと、他の芸能を貪欲に取り入れるようになってきました。

 そうなってくると鳴り物の方も変化してきます。単純に踊らせるためだけのものから、聞かせる、あるいはその場面に合わせた効果音であったり、BGM的な役割を担うようになってきています。使われる楽器も、竹が入ったり、鈴が入ったり、拍子木が入ったり。徳島民謡に長唄、端唄、現代和太鼓の要素を取り入れたりもしています。

 今年、徳島と高円寺の舞台を見て、その連の目指す方向性が大きく分けると、シンプルな構成で踊りそのものを見せる、そして踊りのための鳴り物を志向する連と、総合芸術としての舞踊劇のような面を強く打ち出している連の、二つに分けられるかな、と感じました。舞台をご覧になった方はたぶんわかると思います。

 以前はそんなに凝った構成でなくても、上手い踊りと鳴り物を聞かせてくれれば私自身も満足していましたが、ここ最近は少し物足りなさを感じるようになってきています。やはり、いろいろ凝った構成を目にする機会が増えてきて、目や耳が贅沢になってきたからだと思います。そしてこういった傾向は見る阿呆全体に広がっていくと思います。だって、初めて見たときから舞台踊りがあった、という世代が増えていく訳ですから。

 ただ、逆にそういった舞台偏重な流れに背を向けて、あくまでメインを流しと輪踊りにして、祭的な雰囲気を重要視することを選択する連も出てきているのかなと思います。もともとお祭りなわけで、そこに小難しい芸能的なものを持ち込むことを良しとしない考えです。また、小難しいことは抜きにした、はっちゃけってる連もあります。

 こうして、普段何気なく見ている阿波おどりも、実はその連が志向しているものは全く違うんですね。その違いがあるからまた面白いのかもしれません。ただ、忘れてはいけないことは、阿波おどりは観客と一体型の踊りであること。踊る阿呆と見る阿呆の垣根がくずれる瞬間があって、皆が踊る阿呆、あるいは手拍子で囃す阿呆になることが阿波おどりの醍醐味であると思います。

 最後にこれからの阿波おどりについて。阿波おどりって今まさに進化・変化している芸能(芸能という呼び方に異論がある方もいるかもしれませんが)です。そこで、変わることを恐れてはいけないと思います。固まるにはまだ早すぎます。衣装一つとっても、以前は使えなかった色とか素材とかが使えるようになってきた今、また、動画全盛の今、ビデオ映えする衣装というのも大事な要素だと思います。昼間明るい時間にやることも以前より多くなってきているので、日中でも色映えすることも大事です。

 今年、男踊りで拳を突き上げる踊りを、徳島の選抜でも高円寺のセシオンでも見ました。この拳を突き上げるっていうの10年くらい前にくすのき連さんのHPで徳島でやっていたという記事を読んだことがありましたが、私個人的には初めて見ました。感想は使い処によっては、いいんじゃないのと。こういった新しい動きも、これから色んな使い方を試され洗練されて、阿波おどりの日常の動きになるかもしれません。

 鳴り物も、竹とてんてんはある程度一般的になってきてます。舞台では拍子木もけっこう使われてきています。以前のように笛・三味線・大太鼓・締太鼓・鉦、だけでは表現力不足になってきています。

 わたしもこの先身体の動くうちは、この阿波おどりに関わっていくでしょうから、今後も阿波おどりの行き先を見続けていきたいと思います。

高円寺阿波おどりでした 出演編

今年2年ぶりに高円寺阿波おどりに戻ってきました。当日は午前中のセシオンを見て、ご飯食べて控え室の杉八小学校の体育館へ。冷房無しはきつい(笑)。女踊りは特に大変だったと思います。

 控え室では初心者二人の三味線の糸をギリギリしごいてました。ホントは自分でやって欲しいところなんですが、たぶんその必要性自体もまだわからないと思うので、煩いじじぃの出番でウンチクをタレながら糸をしごいていました(笑)。こういったのを見て、自分でやってくれるようになるといいんですが…。

 どうせ外では音なんか聞こえないでしょ、と言われるかもしれません。実際言われたことあって涙を流して抗議したことがあります。確かに高円寺なんかでは特に騒々しいので、聞こえないと思いますが、それでも流しで通り過ぎたときの横で見ていた方達にはきちんとした音を聞かせたい、と思っています。流しのゴール近くでは、前の連の音もなくなり、太鼓が音を落としたときは少しですけど三味線の音が聞こえているかなと。それも5挺の三味線がいるからで、2挺くらいでは厳しいかな。ですから、調弦をおろそかにはできないないのです。

 南演舞場の中間からスタート。ルック、中央、東、純情を演舞してパルに入って終了。最後進まなくなったので、鳴り物が割れて後ろの飛鳥さんを通して終了。飛鳥さん最後踊って終われて良かった。ナイスな判断>連長・あらぴー。

 今回意識したのは笑顔でやること。小金井で弾いている自分の写真を見て、ぶすっとした顔が良くないな~と思ったので(笑)。ケーブルテレビに映っていたらしいんですが、楽しそうでしたよ、と言われたのでまあ良かったかなと。でも、丸い顔がますます丸く映っているようです(笑)。

 高円寺が終わると夏が終わりだなあ、と感じます。

高円寺阿波おどりでした 見る阿呆編

 見る阿呆としては、土日のセシオンで15連の演舞を見てきました。昨年の出演連から、舞蝶さん、花菱さんが抜けて、写楽さんが新しく出演。合計では1連減。私の記憶では写楽さん、前にいつ出たのかわからないくらい久しぶりだと思います。舞蝶さん、花菱さん、それぞれ高円寺らしさが濃い連だったので、好き嫌いは別にしてちょっと残念な感じです。持ち時間は去年より2分くらい増えた感じで、去年見足りなさを感じたんですが、今年は時間的にはちょうど良かった感じです。

 客の入りは7割くらいかな、関係者率も高いので、もっと色んなお客さんに見てもらえるようにする工夫が必要かな。

 個人的には江戸っ子さんの演舞が一番良かったかなあ。ひょっとこさん、朱雀さん、東京新のんき、天翔さん、なんかが好印象でした。今勢いを感じるのは、東京新のんきさんとか、朱雀さんかな。

 舞台に関して言うと、踊りと鳴り物両方が良くないと良い舞台になりません。鳴り物の中では特に笛と三味線の技量がより求められるようになってきています。それプラス、その連の音の中にしっかり三味線を取り入れている連と、取りあえず三味線入れて構成で使いました、だけの連がありました。あと、今まで取り上げたことなかったんですが、実は鉦の技量にけっこう差があったのを今回書いておきます。舞台での鉦の神髄は、いかに他の鳴り物の邪魔をせず、鳴り物全体をコントロールするか、だと思っています。っていうか三味線弾きとして、そういう鉦であって欲しいと思っています。ちなみに今の連の鉦は上手いですよ(笑)。

 あと、今年印象的だったのは静かなエンディング。その時は踊りも1~2人くらいです。普通だと全員出てきて、鳴り物もガーッとくる終わり方がほとんどの中、その静かな終わり方は余韻を引くような終わり方で、あ~、これもありだなあ、と思いました。

 衣装も大事ですね。忍さんのゴレンジャー、すいません、茶化していってるのではなく私の中ではそういう呼称なのでご容赦を、衣装変わりました。黒をベースに赤だったり、黄色、がラインで入っていました。ひと言で言うと渋い感じ。でも、私的には好印象でした。踊っている方々もベテランになってきていてそれに合っているかな、と。忍さんの演舞で全員が出てきたときって、色とりどりのビー玉が光っているようで、それだけでキレイなんですよね。

 ちょっと某連さんの法被の着付けで気になったことが…。サラシがへそ上くらいまでしか巻いてない方がいて、上半身裸に法被着ているみたいで、私的にはNG。お前の裸は見たくないと(笑)。

 あと、何だろうな~。こう舞台の空間を上手く使って見せている連とそうでない連が…。そうでない連はとにかく踊りを見て~ってことなんでしょうが、その空間の使い方だとよくわからない、ってことが間々あるように感じました。

 とまあ、偉そうに書きましたが、たくさん勉強になったし刺激をいただきました。最初に書いた原稿は過激すぎてボツにしました(笑)。

徳島阿波おどり行ってきました

 六年ぶりの徳島でした。今回は見る阿呆のみで、前夜祭、選抜阿波おどりで25連、夜の桟敷、他で見てきました。ちょっと昨年今年の選抜出演連を比較してみました。

県協会
選抜2回出演連
 悠久、殿様、娯茶平、蜂須賀、まんじ、達粋、藝茶楽、阿波扇
*この8連は昨年と同じですので、県協会の神エイトと呼びます(笑)。

選抜1回出演連
 うきよ、独楽、菊水、奴、やっこ、新のんき、ほんま、金長
*昨年から見ると、葵と八千代が抜けて、ほんまが入ってきています。

振興協会協会
選抜2回出演連
 阿呆、無双、天水、水玉、新ばし、ささ、葉月、うずき、ゑびす
*昨年は上記連に加えて扇と天保が2回出演組でした。

選抜1回出演連
 天保、扇、のんき、若獅子、阿波、阿波鳴
*昨年出場せず今年登場は、若獅子、阿波、阿波鳴さん

 達粋さんが2回出演というのがちょっと意外でした。あの、草鞋のじぃちゃんは好きですよ(笑)。そしたら龍虎連のおじいちゃんも見たいし。そして、葵さんが出ていないというのがけっこうショックでした。葵さんの踊り鳴り物を継承している連て関東にけっこうあるし、ある意味時代を代表する踊り鳴り物だったんだけどなあ。

 私が今回舞台で見た連です。これだけ多いともうどれがどうだったか覚えてません(笑)。

●県協会
悠久、殿様、娯茶平、藝茶楽、奴、まんじ
蜂須賀、金長、達粋、★悠久、やっこ、うきよ
★達粋、新のんき、阿波扇

●振興協会
阿呆、水玉、天水、うずき、無双、ゑびす
葉月、天保、ささ、新ばし、阿波鳴、★天水
★葉月、のんき、★阿呆

★は2回見た連

 延30連、正味25連です。我ながらよく見たなあ。見終わって感じたことは、常にブラッシュアップしていないと陳腐化する。ということでしょうか。一つの例として、新ばしさんの女の竹おどりという、ひじょうにハイテンポな踊りがあります。私は2003年に初めて徳島行って、この踊りを見たとき、凄い衝撃を受けましたが、正直今年見たとしてもそんなに受けないだろうなあ、と思っていました。しかしながら、実際今年見てやはりいいなあと思いました。見せ方を年々工夫しているからだと思います。一方で、某連のある踊りは、なんだかなあ、と感じました。その連の看板出し物だったはずですが、精度は悪くなっているし、見せ方の工夫もここ何年もない、という踊りでした。

 今回、舞台見て一番衝撃的だったのは娯茶平さん。え~、あれだけ積み上がってきたものを全く無しにして、新しくチャレンジするって凄すぎです。娯茶平さんに限らず県協会の連の方はチャレンジ精神旺盛といった気風があるようです。特に鳴り物がそういう印象です。正直言うとベースのぞめきの音が未だ未だなのに、と思った時期もありましたが、県協会さんの鳴り物と女踊りのレベルアップはすさまじいものがあります。

8516583_2097006096_72large

8516583_2097411863_196large

 やっている側でもある一人として強く感じたのは、その連の特徴とか強みを作っていかないといけない、ということ。これを解決するための有効方法の一つとして、徳島の有名連と姉妹なり友好になることがありますが、そういう方向性を取らない場合、自分たちで作り上げていかないといけません。真似から入っていって、そこから何かが産まれてくるには相当な時間がかかるのと、うっかりすると変な方向に走ってしまう。自分としては三味線なり、笛なり、そういった面でも助けになれるようにならないとダメですね。

8516583_2096928839_245large
8516583_2096855489_187large
 徳島在中は、三味線流し見たり、一丁まわり見たり、思いもかけない人と出会ったりと楽しかったなあ。身体は正直しんどかったけど、やっぱり行って良かった。

8516583_2096855483_137large

8516583_2096748585_170large

中目黒で阿波おどり&披露宴で阿波おどり

 お盆前最後の出演が中目黒でした。見る阿呆してたところに出るのってなんか変な感じ。むかしここで、あわともさんと飲みに行ったっけ。

 電車で現地に向かうと山手線内回りが止まっているとの案内。はて、どうしようかと考えたが、新宿三丁目から副都心線で行くのが良いだろうとなり、西武新宿駅までいって、副都心線に乗って無事現着。

 この日は通称GT前で組踊りがまず最初にあるので、いつにも増して念入りに糸しごきました。おかげで一発目ですがかなりのクオリティで最後までいけました。課題はいろいろとありますが、着実に進歩しいると思います。

 流し踊りは5本だったかな。一本凄く長いところがあったりして、終わったときは左手も右手も感覚が変になってました。少し長めの流しをここでやれて良かった。この感覚忘れてました。

 で、流しが終わると、三味線チームはタクシーを拾って次の現場へ。披露宴での余興です。まあ、お酒の入っているお客様のノリの良いこと良いこと。こういうときってどこに陣取るかが難しいです。ある程度の位置は事前に指示があるんですが、踊り子の出入りの位置とか、大太鼓まで含めた鳴り物が全員納まるのか、臨機応変さが求められます。この辺は場数が必要ですね。

 新婦さんが大の阿波おどり好きだそうで、とっても喜んでいたので、やってるこちらも楽しかった。

 これにて阿波おどりの前半戦終了。来週は徳島行ってきます。

都立家政で見る阿呆

 何故か雨にたたられることの多い「かせい阿波おどり」。第35回だそうで、古さでいったら都内でもけっこう古くからある阿波おどりです。35回のうち10回くらい出たことあります(汗)。

 もともと事務所が流し踊りの通りに面しいるので、個人的にいつもビール片手に見る阿呆してました。あることがきっかけでお好きな方が集まるようになってきました。ちょっとだけ三味線なんか弾いたりして、その場にいる皆さんに踊っていただくみたいな趣向もあります。こんな楽しみ方もあっていいんじゃないでしょうか。

 さて、今年の最大の敵はお天気でした。どこの天気予報見ても夕方から雷雨…。2時半頃来ました。雷が鳴ってザーザー降りです。でも30分くらいで止んだかな。続いて4時頃来ました。でもこれも30分くらいで止んで、少し青空に。天はかせいを見捨てませんでした。この後は瞬間パラッときたのが1回あっただけで無事阿波おどり開催されました。

8516583_2093184195_25large[1]

8516583_2093184324_52large[1]

 うちの前で、新のんきさんが組踊りをスタートです。最近伸び盛りの連という印象を受けます。2~3人ずつ真ん中に出てきてひと踊り、こういった輪踊り風の演出好きです。一人一人じっくり見られるし、踊る方もどれだけ魅せられるか、集団演舞じゃない個人の見せ所です。

 今年は、出演のない連の方が何人も顔だしてくれました。そしてこの場所をきっかけにまた人の輪がつながっていく。なんかいいですね。阿波踊りの好きな人、地元の人、三味線関係のひと、いろんな方が楽しい空間を共有していました。阿波おどりの作り出す、一種の不思議なパワーを感じました。

 また、来年「ふくふく亭」でお待ちしています。

 今回の後悔。あの卵焼きの写メを撮っていなかったこと。美味しかった!!

小金井阿波おどりでした

 大きな通りの流し、ロータリーをぐるっと回る流し、駅前での組踊り、商店街での組踊り、4ヶ所の演舞場がある阿波おどり大会。なんとな~くですが、広さ的な規模に比べるとお客様が少なかったような…。老舗の阿波おどり大会が閉鎖に追い込まれる、みたいな話もチラホラ聞く昨今、余計な心配をしてしまいます。お祭り的な何かが足らないのかな。

 土曜日は雨の心配なしの猛暑日。始まる前から暑さで夏バテ気味です。これはいかんと思い、控え室近くのすき家のうな丼のポスターに惹かれ入店。美味かった~。
8516583_2092610218_175small[1]

 控え室入って三味線としては、まず三味線を組み立てたい。組み立てたら早く着替えて、三味線のチェックに入りたい、というのが本音です。今回は前のこともあったので、自分以外の三味線も糸をしごいたり、巻き直したりしました。

 それでも1回目の流しは途中から音が駄々下がりです。二の糸がけっこう下がるんですよね。当たり前でジャンジャン弾いてますから。三の糸は下がっても勘所でけっこう調整できますが、二の糸は開放弦で弾いてますから調整できません。1回目の流しの時は途中であまりに気持ち悪いので二の糸直しました。本当は1回目であろうとなかろうとそれをしないで済むようにしたいんですが…。

 ラス前の流しは三味線の音が揃っていて、あ~、いいよね~、と思いながら弾いていました。音が揃うと共鳴して増幅してすごくいいんです。このクオリティを1本目の流しからできるようにしないと。

 組踊りは全体的に見るとプチトラブルはありましたが、大過なく演舞することができました。

 控え室でプチ打ち上げ。私は土曜日のみなので、二次会に迷いなく参加。高いタクシー代でしたが、楽しく演奏できたので満足・満足。連長始め連員のみな様に感謝。また見に来ていただいた方々ありがとうございました。