能管で「序ノ舞」竹笛は「神田丸」
この序ノ舞ってやつが好きです。能管で好きな手を上げろと言われたら、トップ3に入ってます。ゆっくりなだけに字配りがしゃれているところもあるし、呂音をお尻に入れてしゃれていたりもします。なので慣れないと間が狂いやすい。お稽古のときも間が狂ってしまい、師匠が拍子をいつもの二倍取りながら唱歌を歌ってくださった。自分だけで吹いていると気持ちよさを優先しちゃうので気をつけないと。
神田丸は、当初間が取れなかったんですが、太鼓の音をガイドにするようにしてようやく吹けるように。ちなみに神田丸って江戸囃子の曲の一つですが、長唄のなかに取り入れられて、もとの曲とは違ってきています。自分は江戸囃子で神田丸もお稽古しましたが、もう全然違います。笛的にはそれらしく吹く、ということで正解は一つではありません。師匠にお手本2つ吹いていただきました。
さて、実は中古の能管をゲットしました。天野玄竹さん作の7~80年前の能管です。ここ4~5年ずーっとなんかいいのがないかなあと探していて、新管・中古、試し吹きしてましたが、なかなかこれはと思うものがありません。理想としては太めのパワーがある能管。当然吹くのにもパワーが必要でしょうが、今持っているのとは違うタイプ。
先日、ある楽器店で中古がでているのを知って見に行きました。二管あったんですが、一つは日吉が出やすいというふれこみで、確かに出やすいが呂がとても鳴らしにくい。もう一つがビンゴでした。音色がとても好みでした。呂・甲ともなんとも言えないいい音色。日吉が若干出にくいが、これは慣れもあるし吹き込んでいけば解決できそう。今まで習ってきた手をいくつか吹いて、音程で違和感がないことも確認。管としては今持っているのと同じで少し細身で太いパワフルな笛ではなかったことがちょっと気になりました。
同じ細身系のを買うのはどうなのかなあ、という思い。でも、この機会を逃せばこの音色の笛にはもう二度と出会えないかもしれない。このとき背中を押したのは私の年齢です。今元気で吹けるうちに、この笛を吹きたいという気持ちが勝ちました。
今回のお稽古、この能管で吹いたんですが。稽古終了後少し時間が余ったので、能管のことをお話ししました。相談せずに勝ってしまったことのお詫びも含めて。師匠はそんなことは気にしないで良い。ただ、能管の出所は大丈夫ですか?と。なんでも能管は前の持ち主の念みたいのを込められているので、祟りみたいのも実際あるんですよと。この点は私は全然気にしなかったけど、そう言われると聞いておけば良かったなあと。でも例え過去に何があろうと私の念で清めます。
師匠が、能管の音が少し変わったな(良くなったという意味で)と思っていたそうです。前の能管より良いんじゃないかなと。お世辞もあるでしょうが、そう言われると嬉しいです。師匠がヒィーヤーヒィーを吹いてみてというので、吹きました。まだ慣れていないのできちんと鳴らせないのですが、聞いていた師匠が少し古管の感じがあるかなと。そうなんか前のとちょっと音が違うんです。
この能管に負けないよう頑張らないと!