下浚いが終わりました

 下浚いは凄く大事です。本番で助演していただく先生方と本番さながらに吹く大事なものです。ノリとかテンポとか、普段練習している音源と違ったりもします。先生方はたぶん、このとき始めて抜き差しを聞いて、唄・三味線・囃子で合わせるんですから凄いものです。

 今回吹く曲は「常磐の庭」です。けっこうな大曲で一部抜きますが演奏時間は約20分間あり、笛の出番も多い曲です。この下浚い、私の一つ大事な目的があります。それはこの下浚いで良い練習音源を録りたいのです。そうすればその音源をベースに本番に近い環境で練習できます。

 去年は下浚いで失敗して、音源を切り貼りしてその後の練習音源にした苦い記憶が…。今年はまあ、まずまずの音源が取れました。全体的にノリがいいので、置いて行かれそうになりました(^0^;)。

 賛助(敬称略)
唄:東音 安岡麻里子
三味線:東音 西野朋子、東音 齋藤久美子
囃子:福原貴三郎、望月佐太寿郎、千代園剛

集-笛お浚い会-福原百貴
日時:6月23日(木)13時開演~15時終了
会場:お江戸日本橋亭

お時間ありましたら。

【長唄 能管・篠笛】常磐の庭と浴衣をあつらえる

 神楽と神舞を続けて吹きますが、素の演奏としてこれだけ長く能管吹く曲は他に無いような気がします。気がするというのは、私全部の曲を知らないので(^0^;)。素の演奏と書いたのは、踊りの伴奏で吹くときは、例えば獅子が髪を振っている間は延々と吹いたりとかもあるからです。

 序の舞もあるし、竹笛も細撥からしっとりまであって、笛の出番てんこ盛りの曲です。現在、暗譜度合いは能管は90%くらい、竹笛70%くらいかな。今月中に暗譜100%にして、残りの1月半は仕上げに集中したい。

 で、師匠の笛のお浚い会としては初の浴衣で演奏となるので、この機会に浴衣をあつらえてみた。新宿にある呉服屋さんを思い切って尋ねてみました。ここにくるまで、デパートで買おうかなと思ったのですが、どうもデパートは敷居が高い。実際ぶらっと見に行ったりもしたのですがやはりなんとなく敷居が高い。

 ネットでなんか店がないかなと調べて、サイトの雰囲気が良い感じがした店と他にもう1店店の雰囲気を見て、入りやすそうな店にしました。

 まずは反物を選びますが、これが難しい。反物から仕上がったときのイメージがわかない…。なんとなく最初に作るのは白っぽいものを考えていたのでその旨告げて、いくつか反物を出してもらい、その中から選びました。たまたま気に入ったのがお値段低めのものだったので、仕立代入れて約3万円程でした。4~5万円くらいは覚悟していたので良かったです。

 私が体がでかいので、既製のだとなかなか合うのがないのです。今から出来上がりが楽しみです。

猿舞の笛は課題てんこ盛りでした

ん~、出だしのヒーヤーヒーの出来がひどかった。びゃうびゅうしてる感じ、天を切り裂く感じでは全然無かった。あと段切れで指を間違えるという失態でした。

思い当たる原因としては、迷いがあったこと。調子の良いときは、何を考えなくても自然に構えて吹けるのに、この日なんか構えが決まらない、笛を口に当てる位置が決まらない。こういうときえてして失敗するんだよな、というネガティブな考えも頭によぎって、まさにその通りになってしまいました。

調子の良いとき悪いときはあるんですが、この差を無くして平均レベルをグッと上げることを目標にしていた自分としてはガックリ落ち込みました。あと、竹笛の音程が今ひとつ。すぐビシッと三味線に合わせられていない。後半はまだしも出だしが特にひどい。

ただ、そのほかの狂言羯鼓、岩戸は気持ちよく吹けました。早渡りはちょっともたったかな。段切れ失敗したのは悪かったところを気にして精神的に引っ張ってしまったからだ思います。こういう精神的な波もなくしていかないと。最後のヒィーは唄が凄く引っ張ったので息切れ。その前に「ーィ」と終わるべきでした。

課題が沢山でましたが、これが上達の肥やしになると思っています。本番はやっぱり一番勉強になります。

長唄「猿舞」 2016-03-10 都内ホール 能管・篠笛で参加 *観客席から録音したものです

【能管・篠笛】猿舞の練習録音を聞いていただく

 それなりに自分ではよく吹けたかなとは思っていたんですが、師匠に聞いていただくとダメ出しのてんこ盛りでした(^0^;)。

 ダメ出しをいただくと凹みますが、師匠について稽古しているありがたみを感じます。やはりそこまでこだわるか!みたいなこと、自分だけでは絶対気がつかないことを指導していただけます。

 細かいダメ出しをいただきましたが、本番では何より楽しむようアドバイスいただきました。その言葉を胸にあと下浚いと本番を残すのみです。

 能管の音の更なるレベルアップが欲しいな~、とも言われました。壁を越えるとまた壁が。これが永遠に続くなんてステキじゃないですか(^^)

 笛の楽器としての特性も考えるようにと。それはタイムラグ。息を吹いて鳴る楽器なので、一瞬にしてもタイムラグがあることを理解していないといけない。そうですよね~。納得です。

【篠笛】どうしたらもっと上手くなるのか?

 ここ数年で、江戸囃子の笛と長唄の能管はけっこう進歩が見られたように思います。それぞれの師匠からもそのようなことを言われるようになりました。あくまでレベルはまだまだ低いですよ。ただ、長~い停滞期を脱出して次の段階に行けたと思います。

 やっぱり師匠みたいな音を出したい、そのためにはどう吹いたらいいのか、自分で試行錯誤したからだと思います。

 で、前から感じていたのが長唄で吹く篠笛の下手さです。なんか垢抜けない。ただ譜面通りに吹いているだけで、曲になってない。ある意味、笛の中で一番練習してなかった部分なんで当たり前のことなんですが。

 先日、長唄師匠の笛お稽古で長唄から離れて笛の曲のお稽古をお願いしました。そこで三本調子の笛を吹きながら、自分はもっと篠笛の練習をしないといけないなあ、と改めて思いました。

 今更なんですが、笛を習い始めた頃の練習曲や童謡を練習し始めました。始めてみると、やはり下手でした。曲になってない。やっぱり音程が甘いのが一番かな。篠笛って吹き方ですぐピッチがかわる楽器なので、そこをもっともっとシビアに吹く意識を持たないといけないと感じてます。

 久しぶりにチューナーも時折活用しながら、きれいな曲になるよう意識して。

 頑張ろう、自分。

【長唄・笛】「樹々の密」は上がり、そして「土蜘・切禿」

 何となく「樹々の蜜」ってイメージがあります。蜜じゃなくて密。樹木が空も見えないくらい鬱蒼としている感じ。そこに鳥や虫の声が聞こえる。陽光は遮られている。そんな感じかなと思いながら吹いています。

 鳴りづらい筒音も2回目は何とか鳴りました。ただ、師匠的には音が出るとか、指を間違えるとか、それは練習で直ってくること。それよりも曲のイメージをしっかり持って吹かないとダメですよ、ということを強調しておられました。ん~、何となくだけどわかる気がします。

 この曲演奏会でたま~に出ることがあって、かみさんなんかも聞いて事があるんですが、家で練習していて、ふくふくさん、上手くなったね、と言われました。へぇ~、なんで?と聞き返すと、こういう曲は絶対に吹けないと思っていたそうです。この曲、イメージを表現する曲というか、能管と篠笛による表現なんです。だから凄く難しい。メロディがかっちり決まっているわけじゃない。吹く人の感性が出る曲です。

 実はこの曲は自分にとってもひとつのチャレンジでした。以前は、かみさんと同じく自分には絶対吹けない曲と思っていたからです。今ならもしかしたらなんとかかんとかできるじゃないかと。実際、大変でしたが、ある意味今の自分なりの樹々の密は吹けたような気がします。師匠から福原っぽい感じが少し出ていたとも。

 という訳でもないんですが、上がりになったので次何にしますか?となったんですが、「猿舞」もあるし、「常磐の庭」もあるし、これらの練習に当てたいと思っていたんですが、レパートリー増やしましょうということで、「土蜘・切禿」になりました。珍しく?師匠がこれやりましょうと来ました。

 お能から来た曲です。難しい手はないような感じです。竹笛の宮神楽は採譜しないと。

【能管・篠笛】半歩前進で良いのだ

 二とか一の音は少し安定感が出てきたかなあ。三本で吹いてますが、これくらいの笛になると、笛が長くなって指穴を押さえるのがけっこう難しくなります。一とか0とかが特に。最初のお稽古の時は指穴か、息の当て方のせいで一とか0が不発が多かったに比べるとそこは進歩したかな。

 最難関の筒音は今回も失敗。曲の中でこれを吹くのは難しいです。これだけを吹けと言われれば吹けますが、音程も気にしながら出すのがホントに難しい。これは今後の課題ですね。

 メロディのやりとりをスムースに。篠笛はもっと歌うこと。

能管が新しい持ち主の元へ、そして…

 10年以上吹いていた能管が新しい持ち主の元へ嫁いでいきました。私はプラ管ではなくいきなり本管を吹いたので、この能管が私にとっての初めての能管でした。手元に来たときはいいのか悪いのかさっぱりわかりませんでした。そのときの師匠はいい能管ですよ、とおっしゃっていましたが、何しろヒシギ(日吉)は出せないし、ちんぷんかんぷんの自分には判断できない代物でした。

 その後少しずつ吹けるようになり、能管らしさもちらほら出てくるようになって、この能管がいい能管であることがわかるようになりました。その後中古やいろんな能管を見て、良し悪しがわかるようになってきたので、けっこう粗悪な能管も多いこともわかってきました。いいか悪いかをどこで判断するかというと、いくつかの手を吹いて、違和感なく聞こえるかどうか?ここを一番重視しています。その次にヒシギかな。この能管は音律がしっかりして、ヒシギも割と出やすい笛だったのです。

 新しい持ち主さんの元でまた活躍してくれるといいなあ。

 そんなことがあって10日ばかりして、ふと今の能管を購入した楽器店を覘きに行ったら、今の能管と同じ銘の能管が出ていたので、試奏させていただきました。今の管より少し太めで、呂が少し低めで、より吹き手のパワーがいりそうですが、吹きづらいということはない。はい、いい能管です。正直言うと、今の能管より、さらに好みです。ここ数年探していて出会わなかったのに半年あまりの間に2本、しかも同じ銘で出会うとは。はい。お買い上げしてしまいました。ちょっとボーナスも入ったのでいいでしょう。

 でもこれで打ち止めにしないと(^0^;)

川崎の邦楽祭に参加してきました

4年前から参加させていただいている、プロ・アマ混成長唄ユニットで長唄「京鹿子娘道成寺」の能管・篠笛を勉強させていただきました。

さて、4年前から上達しているのか?多少していると思うんですが、ここでちょっと検証してみます。次の音源は a.3年前の川崎での演奏、b.今回の本番演奏、c.師匠のある演奏会、それぞれで狂言羯鼓を吹いている部分だけをピックアップしたものです。

何となくですが、師匠の音に近づいている感じがしてると思いませんか。まだ師匠の音には程遠いですが…。

ただ、反省点はたくさんあって、急ノ舞の出だしのオヒャーは幼稚な音出しちゃいました。ここ出だしなんでもっと重い感じで吹かないといけないんですが、軽いオヒャーになっちゃってます。楽も雅さがゼロです。梅さんの竹笛は特に3の音がメってて、華やいだ感じが出てない。

と反省点はあったものの、練習から下浚い本番と楽しく勉強させていただきました。今回の娘道成寺は、素で演奏する場合いろんなパターンがあり、譜面だけではわからない部分がたくさんありました。急ノ舞一つにしても、三味線のお浚い会なんかでは入ることないし、毬唄のタテ三味線の入れ事なんかもいろんな手付けがあってそれによって寸法も大きく変わったりします。限られた演奏時間の中、唄・三味線・囃子でどこをどう入れるか?カットするか?で悶悶としたりして、そういうことも勉強になりました。

お浚い会とはまた違い、それぞれが自分の責任を果たさないといけないので、より緊張感を持って演奏に臨む、そのことが自分にはすごくいい経験になっています。今回助演いただいた、プロの先生にも、演奏する場合には、何があっても対応できるよう準備しておくことが大切と教わりました。私たち素人にはなかなか難しい部分ですが、そういうことも少し意識できればいいな、と今後の大きな課題もいただきました。

最後に今回の演奏です。

11月は長唄強化月間!?

 長唄三味線の弟子有志9名で、千代田区の「芸能のつどい」に参加してきました。演目はチンチリレンとかまつりとかの三味線のみの曲です。去年の曲から一部を入れ替えただけなので暗譜も比較的楽でした。

 去年に比べると今年のほうが出来が良かったんじゃないかな。同じ曲が多かったので習熟度が高かったのと、前日に合同練習をして、曲の速さなんかを気をつけることを注意できたのが大きかったと思います。なんといっても走りすぎる傾向がある曲なので。

 師匠クラスなら、いくら速くても音の粒が立って、一音一音きっちり聞こえますが、わたしなんかだと、音が雑になってしまいます。それより多少テンポを落としても、一音一音きっちり弾く方が合奏全体としてはきれいに聞こえます。

 と、まずは長唄三味線の出し物がおわりましたが、月末には能管・篠笛で長唄「京鹿子娘道場」の出演があります。こちらは今年で5回目になる、プロ・アマ混成のメンバーによる出演です。笛の出番は少なめですが、急ノ舞を吹ける貴重な機会なので、楽しみです。

 笛の稽古は「樹木の密」という寳先生作曲の能管・篠笛四重奏曲の稽古が始まりました。ちょっと長唄の曲は止めて、笛の曲を吹きたいなあというのと、能管の音色を良くしたいなあ、という私のリクエストがあって、この曲になりました。

 イメージはうっそうとした森の中、屋久島の原生林とかのイメージ。薄暗い中に鳥の鳴き声が時折聞こえる。そんなイメージの曲です。

 能管の譜面ありますが、ただこの通りに吹いてもダメ。最初吹いたら、ふくふくさんのは明るい草原ですね。もっと暗い森の音にしてください。はい。これは師匠とかCDの音を良く聞いて真似るしかないです。

 でも、この曲面白い。好きです。能管の勉強になる!