下浚いが終わりました

 下浚いは凄く大事です。本番で助演していただく先生方と本番さながらに吹く大事なものです。ノリとかテンポとか、普段練習している音源と違ったりもします。先生方はたぶん、このとき始めて抜き差しを聞いて、唄・三味線・囃子で合わせるんですから凄いものです。

 今回吹く曲は「常磐の庭」です。けっこうな大曲で一部抜きますが演奏時間は約20分間あり、笛の出番も多い曲です。この下浚い、私の一つ大事な目的があります。それはこの下浚いで良い練習音源を録りたいのです。そうすればその音源をベースに本番に近い環境で練習できます。

 去年は下浚いで失敗して、音源を切り貼りしてその後の練習音源にした苦い記憶が…。今年はまあ、まずまずの音源が取れました。全体的にノリがいいので、置いて行かれそうになりました(^0^;)。

 賛助(敬称略)
唄:東音 安岡麻里子
三味線:東音 西野朋子、東音 齋藤久美子
囃子:福原貴三郎、望月佐太寿郎、千代園剛

集-笛お浚い会-福原百貴
日時:6月23日(木)13時開演~15時終了
会場:お江戸日本橋亭

お時間ありましたら。

山王祭(赤坂)でした

 6月10日(金)~12日(日)、祭囃子で参加してきました。

image

 金曜日は神幸祭で、まさるさまの山車に乗って、坂下門から神社まで約5時間囃しました。師匠が鎌倉を吹くのを聞けて幸せ。なかなかこういう機会はないのです。

 京壱の方々や地元の小学生達が山車に乗り、私たちはそれをサポートする形です。特に子ども達が山車を曳いたりもするので怪我のない気をつけないといけません。

 私は体力のなさを痛感しました。途中足が釣って危うく離脱しそうになりました。足袋に雪駄で長時間歩くのはけっこう足に負担がかかります。それと歩きながら笛を吹くのは大変でした。阿波おどりで笛吹いていたんですが、神幸祭の進む速さは阿波おどりよりかなり速いです。息と足が保ちません。ちょっと体力つけないとダメですね。でも鉦を打ったりして勉強になりました。

image

image

 土曜日は町会の神酒所の掛け屋台で町会の方々がお囃子するのをサポート。

image

 日曜日は下町連合渡御で京橋から日本橋まで中央通りを通行止めにして山車や神輿が渡御します。今回、干支の山車に乗って子ども達を笛でサポートするという大役を拝命いたしました。一応ヘルプの笛が一人ついてくれましたが、その方は子供たちのサポートという大事なお役目があり、「ふくふくさん、なるべく笛一人で頑張ってね。水飲むときは交代するから」と(笑)。

 これは自分を試す良い機会と思い、気持ちは最後まで一人で吹ききろうと。で、結果はいかに?なんとか、最後までノンストップ休憩無しで吹けました!時間を見たら、役50分間投げ合いを吹いていました。これは自分的にはちょっと嬉しい出来事でした。子供たちのサポートなのでゆっくりめの投げ合いだったのも良かったのかもしれません。何しろ50分吹き続ける。この大変さは篠笛をなさっている方には理解していただけるのではないでしょうか。


長唄三味線のお浚い会をちょっと振り返る

 姉弟子さんがお浚い会の様子を撮影して、YouTubeに限定公開しています。先日その動画を見ました。実は自分の演奏を見たり聞いたりするのが好きです。ナルシーかもしれません(笑)。

 演奏の結果としては音だけあれば良いのですが、このお浚い会の動画はひじょうに勉強になります。なぜなら師匠と並んで座って演奏してい姿が見られるんですよ!普段のお稽古で師匠の演奏を見るのですらなかなかできません。暗譜してお稽古に臨むのが理想とはわかっていても、なかなか暗譜まで行きません。

 しかも、例え暗譜して師匠の手を見ながら演奏できたとしても、自分の客観的な動きは見られません。自分が感じている動きと客観的な動きは、まあほぼ違います。鏡とか師匠に指摘されて、客観的な動きと自分の感覚を合わせていくことがお稽古の目的の一つだと思います。

 で、その動画を見て感じたことが二つほどあります。

・バチの動き
・勘所を移動するタイミング

 バチについては以前にやはり自分の動画を見て、動きが小せえ~、と思い師匠のように大きく動かすように意識したことがあります。今回、やはり師匠と比べると動きがまだまだ小さいことがわかりました。

 それと左手の動きですが、特に速い動きのときに師匠より早く次の勘所へ動くことが多いのが目立ちました。早く動くって事は、その押さえていた音が早く無くなるってことで、これは演奏に多大な影響を与えているはずです。はずですと書いたのは、そこの音の違いがまだ感じ取れないからです。まあ、早く動くのは焦っているというメンタル面から来ているのだと思います。ぎりぎりまで押さえて、サッと次の勘所へ動かすことができていないという、技術的なものもあるでしょう。

 この2点を意識してこれからのお稽古に活かしていきます。

三社祭でした

image

直前に軽いぎっくり腰になり、体調面で危ぶまれた三社祭でした(^0^;) でも何とか宵宮から最終日までの三日間を江戸囃子を楽しんできました。体力的に年々ハードに感じるのは年のせいかな。

今年は社中のメンバーの数人がそれぞれの事情で参加できなかったりしたので、ちょっと寂しかったです。特に笛と大太鼓打てる人が少なかったのでやりくりが大変でした。

今年の大きな出来事と言えば、三社祭で鉦デビューでした。実際のお祭りで打つと、練習ではわかなかったこと、感じられなかったことがたくさんあって勉強になりました。それと、上の話にも関わりがありますが、自分が鉦を打てるようになったことで、メンバーのやりくりの際に少しは助けになったようでよかったです。

本番でわかる自分の課題点、今年は…。
・上げのピィッというのが不発が多かった。
・屋台吹き出しのチィーヒーイのヒーの音が弱い
・キの不発も多かった
・スタミナが少し落ちたかな

笛に関しては上記の通りなんですが、この一年ひとっ囃子をあまり練習していなかったのが影響しているのかな。個々の曲は練習していたんですが、通しで吹いて最後の方にピィッと吹くのはちょっと難しいんです。去年はそういうことあまり感じなかったので上手く出来ていたんだと思う。何気ないコツがあるんですがそれを無くしちゃったようです。

音を出すときに、吹く息のイメージがあると失敗しなくなります。ちょっと出しにくい音なんかのときに、息をこういう感じで吹く鳴る、みたいな感じのもの。これが今回上げと、吹き出しのときに無くなってたみたいです。これを書く前に、ちょっといくつか試行錯誤して、ああ、こういう感じ吹けば良かったんだというものが見つかりました。前もこうしていったんイメージをつかんだのに、いつの間にかイメージしなくてもできるようなったのに、ふとしことでフォームが変わったりして鳴らなくなる、イメージも思い出せない。今回はこういうことが自分に身の起きた感じでした。こういうことは本番を経験してわかるということも多いので良い経験にしたいです。

笛以外では
・大太鼓、テンポが超速くなるとドドストストストが追いつかない。これは要練習
・速さはそのときのメンバーで変わるんですが、大太鼓をその速さに合わせるのに少し時間がかかる。最初からビシッと合わせないと。
・上手い人の鉦は音楽になっている。これは凄いです。ホント。

とまあ、いろいろ課題点はありましたが、皆さんと楽しく出来てのが一番です。

↓土曜日、ひとっ囃子を笛で演奏しているのを知人に撮っていただきました。出だしの打ち込みと吹き出しの一部抜けてますが、こうしてひとっ囃子本番を撮ってもらったことがなかったので凄く嬉しいです。
注)動画では無く静止画です

江戸囃子の神様 極限だからこそ見えてくるもの

若山流の江戸囃子を勉強する自分にとって、若山胤雄師は神様です。その神様の特別講義があり、神様の前で演奏させていただきました。

この講義、自分が受けるのはもう6回目になるんですが、毎回すごく緊張します。いいかげん慣れても良さそうなものなのにね。

緊張下で笛を吹くと、いやあ鳴りません。今年は神様の前で、普段と同じように吹くことをテーマにしていたんですがまだダメでした。それでも毎年少しずつ良くはなっているのが救いです。

こういう極限の緊張下でもちゃんとできるようにならないとダメなわけで、笛なんかも鳴らなくなりそうなときに、それでも鳴る場所をさがして吹く力をつけないといけません。

そういう意味でも良い鍛錬の機会でもあります。今回も神様の前でからこそ見えたものがありました。

image

講義終了後、みなでお蕎麦屋さんへ。

【長唄三味線】風流船揃、まずは最後まで

 4回目のお稽古で取りあえず最後まで行きました。

 どんな唄かというと、色々な船で賑わう隅田川の景色を唄っています。調子は本調子→二上がり→三下がり。来年のお浚い会の曲になります。先日のお稽古で師匠からそういう話があったので間違いないです。1年かけてやるのはちょっと長いんですが(^0^;)、自分の実力的にはそれでも足らないのが本当のところですね~。この1年かけて次の曲をやるというのがここ数年の自分のお稽古ペースになってます。以前はちょっともの足らない気持ちがあったんですが、今は出会う曲を大事に仕上げていこうと思っています。それと、たぶんお囃子が入るんですが、賑やかになるんでそれは凄く楽しみです。

 なるべく早めに仕上げて、合間に別なものもさらいたいなあ、という気持ちもあります。師匠にいただくだけでなく、自分で課題を見つけて練習しないといけないんですよね。今のところ漠然とですが、チンチリレン関係と、椀久の玉をやっていこうかなと。

 

能管の調整

image

これ、何だと思います?

能管の唄口に詰められている蜜蝋を調整するためのコテです。木片に頭を直角に曲げた釘を打ち付けたものでお手製です。江戸囃子のお師匠さんにこういうもので調整するんだよと見せてもらったことがあり、自分でも作ってみました。

以前は電気ゴテ使ってたんですが、こっちのほうが細かい作業に向いています。

なんでこんなものがいるかというと、蜜蝋は吹いているうちに管の内壁との間に隙間ができたり、蜜蝋が痩せてきたような感じになります。

そんなとき、このコテのさきを火であぶって熱くして、蝋を溶かして再度硬化させ修復します。場合によっては蝋を足したり引いたりします。

この調整で音は結構変わります。やる場合は気をつけないといけません。

【江戸囃子】もうすぐ三社祭です

 前回、鉦で屋台、昇殿、鎌倉をやりました。今回、ひとっ囃子を合奏練習するときに鉦を打たせていただきました。

 ここまで来るのは大きな目標でした。笛、締太鼓、大太鼓、鉦、全ての楽器でひとっ囃子を演奏するということが自分にとっての大きな目標だったのです。笛を習い始めてから、10年。ようやくここまで来ることができました。

 若山先生の本の中で、囃子は10年やってようやく他人様に聞かせられるようになる、とあります。自分は10年やってますが、まだまだ全然足りません。後10年やったらなんとか形になるかな。

 もうすぐ三社祭です。今年は大きな節目の三社祭になりそうです(^^)

【長唄 能管・篠笛】常磐の庭と浴衣をあつらえる

 神楽と神舞を続けて吹きますが、素の演奏としてこれだけ長く能管吹く曲は他に無いような気がします。気がするというのは、私全部の曲を知らないので(^0^;)。素の演奏と書いたのは、踊りの伴奏で吹くときは、例えば獅子が髪を振っている間は延々と吹いたりとかもあるからです。

 序の舞もあるし、竹笛も細撥からしっとりまであって、笛の出番てんこ盛りの曲です。現在、暗譜度合いは能管は90%くらい、竹笛70%くらいかな。今月中に暗譜100%にして、残りの1月半は仕上げに集中したい。

 で、師匠の笛のお浚い会としては初の浴衣で演奏となるので、この機会に浴衣をあつらえてみた。新宿にある呉服屋さんを思い切って尋ねてみました。ここにくるまで、デパートで買おうかなと思ったのですが、どうもデパートは敷居が高い。実際ぶらっと見に行ったりもしたのですがやはりなんとなく敷居が高い。

 ネットでなんか店がないかなと調べて、サイトの雰囲気が良い感じがした店と他にもう1店店の雰囲気を見て、入りやすそうな店にしました。

 まずは反物を選びますが、これが難しい。反物から仕上がったときのイメージがわかない…。なんとなく最初に作るのは白っぽいものを考えていたのでその旨告げて、いくつか反物を出してもらい、その中から選びました。たまたま気に入ったのがお値段低めのものだったので、仕立代入れて約3万円程でした。4~5万円くらいは覚悟していたので良かったです。

 私が体がでかいので、既製のだとなかなか合うのがないのです。今から出来上がりが楽しみです。

馬込の阿波おどりを終えて思ったこと

 久しぶりに阿波日記でも。

 個人的には、今年の構成は嫌だなあ(笑)、いや、嫌ではないんだけど自分には荷が重い、正確に言うと今年だけじゃなく毎年そんな感じです(笑)。

 今年は特に手を速く回さないといけないんで、これは50代半ばの初老の男には辛い~。正直に言うとこの速さで音の粒を立てて弾くのはプロでないと無理なんではと思ったりもします。ある程度速さを抑えれば、ありがたいんですが、それだとこの構成自体が死んじゃうんでそうもいかないし。まあ、頑張るだけ頑張りましょうと。

 本番で都合4回弾いたかな。自分的にはどれもまともに最後まで弾けたのはありませんでした。うひゃー、これ動画とか撮られていたら嫌だなあ、と。どなたかが撮った動画を拝見して、自分が思っていたよりはひどくなかったんで少しホッとしてます。たぶん、練習を積めばもっと良くなる感触を得ることはできました。直前に長唄三味線のお浚い会もあったので練習不足はあったと思います。

 本番って気が乗ってテンポが速くなるってのは良くあるんですが、公園でやったときはすげー速くなって、もう手がばらけるかと思いました。この構成危険すぎ(笑)。それから公園の時ちょっと、あるパートがミスって、そのカバーリングもベストな方法じゃなかったんだけど、こればっかりは経験がものを言いますね。

 後で、本人と雑談したんですが、本人はミスったことに気がついていなかった。僕はそれを聞いて大笑いしたんですが、これは本人はもうすでに厳重な注意を受けていて少し落ち込んでいたんで笑って少しでも明るくしたかったから。

 ミスは無いにこしたことはないけど、大事なのはカバーしてあげること。見殺しは一番いけません。そしてこういうトラブルは後で笑い話にしてあげましょう。

 今回最後に合同で流し踊りがあって、全8連で流しました。三味線は6挺でした。やっぱり少ないよね。笛は結構いました。14人くらいいたんじゃないかな。三味線がいた連が三連。東京で高円寺以外だとまだまだ少ないです。

 高円寺協会、漏れ聞くところによると三味線に力を入れているようです。今まで三味線がいなかった連にもいるようになったりしてます。むろん一拍子系は除くです。一拍子系でも個人的には弾いている方はいらっしゃいますが(笑)。

 こういう面で協会主導というのは効果が大きいのかな。自分が協会の連にいたときにはそこまでなかったです。また、南越みたいに徳島振興協会の指導を受けているところも三味線多いですね。

 こうして連の中で三味線弾く人が増えていくと、いわゆる自給自足ができて、連の中で三味線を育てることが普通になってきます。ちょっと前の笛がそうだったと思います。後数年で高円寺はそうなっていくだろうと想像もしています。

 それ以外の地域連では個人ベースになっちゃってます。個人ベースで広げようとする活動もいくつか知っていますが、なんらかのもっと広がる動きがないと厳しいですね。

 あわともがもしかしたらその辺のベースになっていたので終わってしまったのはちょっと残念です。自分的にあわともあまり協力できなかったのは、申し訳ない気持ちもあったんですよね。

 とまあ、こんなことを感じた春阿波でした。

組踊り