フラットな日々

 先日、長唄三味線のお浚い会が終わりました。今は風のない凪のような状態、気持ちもフラットな感じです。阿波おどりで野外出演が今週末馬込であるので、そっちの方を練習しとかないといけないなあくらいです。

 あれだけ弾いていた「秋の色種」もお浚い会が終わった後は嘘のように弾いてません(汗)。次何をやりたいか考えたり、候補曲を聴いたりもしているんですが、こう何かビーンと来る曲がまだ見つかっていません。強いていえば曲じゃないけど、以前団体で出たときの「まつり」という組曲に入っていた椀久の玉を一回やっておきたい。二年前の時はひたすら地を弾いていたところです。

 長唄笛の方は娘道成寺を秋に吹くのですが、笛的にすごくやっかいとかいうことはないので、焦らずやっていこうかな、と。強いていえば鞨鼓の能管が難しいかな。

 今、ちょろちょろやっているのは、江戸囃子。三社祭なんですが、あと一ヶ月半なんです!笛は持久力も必要になってくるので、今からひとっ囃子吹いたり、鎌倉を長く吹いたりして鍛えています。師匠の音を徹底的に真似ようというのが最近の練習のテーマです。

 今だから言えるんですが、附け通りに吹いてもそれだけだと更なる上達はないんです。師匠のような笛を吹くには、色んな工夫が必要なんです。師匠はヒントくれます。くれる方だと思います。後は、自分でそれを消化して自分なりの工夫に結びつけないといけません。

 ここからがほんとの修行かもしれません。それができる基礎がようやくできた気がします。笛に関しては長唄の笛も同じよう立ち位置だと思います。これからが本格的鍛錬。一方三味線線は、まだまだ小学生なんだろうと思います。これから何年かして、そういうことが見える、感じることができればなあ、と。

 阿波おどりのぞめき三味線もまだまだ子供。いつも自分だけで目一杯になってしまう。もっと三味線というものを自在に操れるようになりたい。長唄三味線もそうですが、もう経験値が少ないことが一番弱点かなと。自信を持って弾けるようになりたいです。

「秋の色種」を弾いてきました

先日、わたしの長唄三味線のお浚い会があり「秋の色種」を弾いてきました。師匠、唄の先生、弟子仲間、ご来場いただいたみな様、ありがとうございました。何とか無事?終えることができました。

ひきだるまの会 2015
ひきだるまの会 2015

昨年のお浚い会が終わった後に、やりたい曲がある人は言ってください、と師匠がおっしゃったので、わたしは「梅の栄」「新曲浦島」「秋の色種」をあげ、師匠がじゃあ色種やりましょう、となりました。色種といえば、「虫の合方」「琴の合方」が有名な曲です。上調子が入ることが多く、これがまたキレイなんです。

ほぼ1年かけて稽古してきましたが、師匠が上調子を入れて稽古するようになってからは苦闘の連続でした。つられちゃうんですよね、上調子に。自分的には上調子が入ってきてからは、別な曲になった感じでした。

お浚い会は、二挺一枚。そうです。タテわたし、上調子師匠、お唄の先生です。これが意味するところは、自分が相当しっかり弾かないと曲にならない、ってことです。特に合方はほとんど掛け合いになるので、そこで自分がこけたら終わりです。今までの曲は基本師匠がユニゾンで弾いてくれ(ところどころ替え手)、自分がこけてもほとんど影響ないんですが、今度は違うわけです。このプレッシャーはだんだん効いてきました。

さて、当日の演奏がどうだったか?みなさんも気になるところだと思いますが、その前に当日朝のプチ失敗がひとつ。爪短くし過ぎました。爪に溝ができると削ったりしていたんですが、本番朝なのでいつにも増してヤスリかけたら短くなり、人差し指でハジクのがやりにくくなっちゃいました。今度から気をつけます(汗)。

「秋の色種」弾いてます
「秋の色種」弾いてます

舞台に上がり、幕が開きます。師匠の声でチンチンテンといくところ、トンチンテンと…。いやあ、まさか三の糸弾き損なって二の糸弾いちゃうとは。この瞬間自分は相当緊張しているのを自覚しました。もう、特に右手が硬い。あと、胴の位置を少し直したいんだけど、それができない。胴の位置なんか弾く前に念入りに確認するんですが、袴はいてるとズレやすいんですよね。それでも致命的に位置にズレることはなかったは良かったです。

本調子のところはまずまず。さあ、虫の合方です。ここでもミス。お唄が終わりきっていないのに、チンと入っちゃいました。もう、唄を聞く余裕なんてなかったってことです。途中、スカバチしたり、ハジキが甘かったりと、ありましたががまあまあの出来だったと思います。

調子変え、調子変えの決まり文句が少し乱れましたが、調子自体はまずまず上手く変えられました。そうそう、この日は早めに糸を張って十分に伸ばしていたので、変に音が下がることは無かったです。事前の糸のしごきは大事ですね。

さて琴の合方。ここでこの日最大のピンチが来ようとは…。前半の方で、棹の下の方を弾く部分で、手が止まりました。いつもはほとんどオートマチックに動くところなんですが、次どこに動かすか白くなっちゃいました。ただ、かろうじて頭の中でメロディは流れていたので、戻れるところを必死に探します。師匠も異変を感じ少しテンポを緩めてくださり、区切りになるところで軽くかけ声を入れてくださりました。そのおかげもあり、無事元に戻れましたが、あやうく演奏事故になるところでした。

秋の色種弾いてます
秋の色種弾いてます

失敗した瞬間は、緊張よりも動揺しました。スカバチとか勘所のズレとかのレベルではなかったので。もう必死に落ち着け落ち着けを自分に言い聞かせていました。これでボロボロになったらいかん。今までの練習を無駄にしちゃいけない。そんな風に考えていたように思います。

そんなんで琴の合方が終わり三下がりです。動揺もあって手に少し汗をかいていて少し滑りましたが、うまく変えられました。この辺り、当日糸をしごいた後シミレーションしていました。巻が変なところでガッシリはまると動かせないので。

三下がりの部分は自分的にもけっこう上手く弾けたかな。竿下の方の難しいところもばっちり勘所押さえられました。

始まればあっと言う間です。18分弱の曲ですがあっと言う間です。幕が閉まった後は、やっちまった感いっぱいでした。二挺のプレッシャーとはこういうことだったんですね。

こう書くと、よっぽど下手くそな演奏だったんだろうな、と思われますが、実は演奏自体はまずまず良かったんですよ。終わった後、みどケロさんや、お弟子さん方にも良かったですよ、と言われていたんですが、その時は失敗のことで頭がいっぱいで素直にそう聞くことができなかったんですね。

お浚い会が終わった後打ち上げがあり、お唄の先生にお礼と失敗してしまいましたとお話ししたら、「確かに上手くいかなかったところもあったかもしれけど、全体的に見ると下浚いのときより音とか凄く良かったですよ」と。……。その時はまだその意味が良くわからなかったんですが、後になって下浚いの音を聞き直してみて、わかりました。

音、音程、勘所、調子変えとかが本番ではけっこう上手くできていたんですね。だから聞いていても割と気持ちいい。あくまで対自分比ですから、念のため。下浚いは特に二上がり以降ひどくて三下がりになるとさらにひどい音でした。調子変えがうまくできていなかったんですね。手的にはあまり大きなミスが無かったのですが、本来はこういった音自体出来の悪さを自覚しないといけなかったですね。

自分は間違ったところに囚われすぎていて、良かったところをたくさん見逃していたようです。もともと難しい曲ですから、今の自分で完璧に弾くなんてことは無理なわけで、そう考えれば、まずまず弾けたと思えるようになりました。

練習で苦労した、虫の合方で棹の下の方から上っていくところの勘所、・ドンドンドンドンドンドン・トテテレテレテレテントンもまあまあできたし、琴の合方後半の凄く細かい手の部分で粒が立てられなかったところも本番が一番上手くできていたし、三下がりのメツメツメサケサラーなんかも本番が一番上手くできたし、調子変えも上手くできた。なんだいっぱいいいところあったじゃん。

お時間のある方は聞いてみてください。

長唄「秋の色種」 2015-03-21 神保町区民館 三味線で参加 *観客席から録音したものです

いろいろあったり、いろいろ考えたりしましたが、「秋の色種」とってもとっても楽しい曲でした。上調子が入ってから、難しくなりましたけど更に楽しくなりました。弾いていてこんな楽しいの初めてかもです。

あと思ったのは、三味線を弾く左手は大事な音のベース部分を担っていて、右手はテクニカル的なことを担っているのかな~、なんて感じました。左手は勘所、調子変えのときに重要な役割を果たしていて、右手はいろいろな奏法で華を添えるみたいな。

右手っていえば、下浚いである姉弟子さんに右手の感じが師匠に似てる、と言われました。みどケロさんにも言われました。これ実は目指しているところです。もちろん音は遠く及ばないなんですが、ちょっとうれしい。

そういえば笛では師匠の師匠に感じが似てるなんてのも最近言われました。これも嬉しい。

さあ、今度の曲何にしようかな。

長唄 能管・篠笛お稽古 「娘道成寺」1

 予定では「常磐の庭」の予定だったんですが、秋に「娘道成寺」の笛を吹くことが昨日くらいに決まったのでそのことをお話ししたら、じゃあ道成寺やりましょう、ということになりました。

 前の師匠に教わってはいるんですが、きちんと今の師匠の稽古を受けてから舞台に出したいと思っていたので、わたしの方からもお願いするつもりでした。

 まず、踊りと素の演奏とではだいぶ違うので気をつけること。今日は急の舞と楽と梅さんさんとをお稽古しました。急の舞もいくつかパターンがあるので、そこはお囃子さんによく確認しておくこと。

 秋の本番、抜き差しがどうなるかわからないけど、急の舞なんかはカットされそうな予感(汗)。でもここできちんんと浚っておかないと。

長唄三味線 「秋の色種」下浚いでした

 秋から続いた長唄関係の三味線・笛の出演も週末のお浚い会で終了です。今年の秋の曲も決まったりしているので年がら年中という気もしますが…。

 で、下浚いがありました。笛の本番翌日というタイトなスケジュール。本番の会場でお唄の先生に唄っていただきます。

 何ヶ所か間違えましたが、まずまずのでき。反省・修正点は,二上がりから一の糸を上げきれなかったこと。これは前日糸を全部張り替えたんですが、一のネジはちょっと癖があって押し込みすぎると固くなりすぎて回しにくくなるんですが、そうなっていました。本番当日は事前に調子替えのシミュレーションします。

 二上がりになって「らんじゃたい~」の後を抜いて琴の合方に入るんですが、練習では2拍おいて入っていたんですが、お唄さんが最後伸ばすので声が残っているうちに入ってしまった。師匠にそこどうするか明日稽古があるので要確認。

 テンポはけっこうゆっくり目です。直近の練習より少し遅いです。もう少しテンポアップしたい感じなおで、これも師匠に要確認。

 下浚いの後に練習があるというのは嬉しいです。

 他のお弟子さんの演奏も聞きましたが、皆さんなかなかの仕上がり具合です。わたしも最後のあがきで練習頑張らないと。

勝三郎連獅子@美紀会で笛吹いてきました

まずはこのような機会をくださったRさま、会主の勝み紀先生、助演していただいた先生方、共演していただいたFさま、練習につきあってくださったみな様、聞きに来ていただいたみな様に感謝申し上げます。

ふくふく笛を吹く
ふくふく笛を吹く

編成は三挺三枚、囃子五名です。演奏はフルバージョン。そう抜き差しなしなんです。こんな機会二度と無いかもしれません。勝連は去年11月にも吹いていますが、笛的には楽とか乱序がありませんでした。

今回個人的には、上手く吹くことができなかった、という思いが強いです。演奏全体的には素晴らしかったので、足を引っ張っちゃったという申し訳ない気持ちも。そんなこと思うこと自体ごう慢かもしれません。共演のみな様には笛良かったといってもらい感謝です。ありがたく思いながら、今後の自分の進歩のためにちょっと愚痴モードで反省をば書きます。

今回の反省点メインディッシュは日吉です。前回の勝連のとき「スヒィー」にならない、最後を「ーィ」とするということをテーマにして8割くらい達成できていたんですが、今回満足いく日吉は、突っかけのところと段切れくらいでそれいがいはダメでした。_| ̄|○

自分なりに分析、まあ言い訳ですね、つらつら書いてみます。原因は緊張と慢心かな。今回演奏に際し、いつにも増して緊張していました。初めての場所、助演の先生方、等。場慣れしてきたと思っていた自分でしたがやはりチキンでした。緊張するとダメですね。笛はもろに出ます。

慢心なんですが、実は日吉に関しては自信を持ち始めていました。それに連れて、こう自分なりの日吉を鳴らす形というのが崩れてきていたようです。そんなに形にこだわらなくても、鳴らせるじゃん、といったうぬぼれです。しかし緊張した状況で吹く場合、確固とした形こそ最後の頼るところなんですね。師匠から口回りをもっとリラックスしなさい、という直近のアドバイスもあり、迷いが出てしましました。

弱いです。未熟です。音源を載せてますので日吉の音を聞き比べればよくわかると思います。

長唄「勝三郎 連獅子」 2015-03-15 深川江戸資料館ホール 能管・篠笛で参加 *観客席から録音したものです

とまあ、ぐだぐだと書いて自己嫌悪なんですが、それでもみな様に大迷惑を欠けること無くいちおうは吹けてはいたので、その点は進歩している、と自分を褒めておきます。

竹笛はまだ3メが甘いなあ。音程はまあまあ。少しは曲になってきてるかなあ。

アマは出来不出来の差が大きい、というのがよくわかりました。65点。

でもなんかやる気が出たぞ~!

長唄 能管・篠笛お稽古 「勝三郎 連獅子」 ダメ出してんこ盛り

 今度の日曜日、美紀会という杵屋勝み紀先生のお浚い会でお囃子の番組で笛を吹きます。立鼓・締太鼓・笛が素人さんで、回りはプロの先生方に助演いただきます。なかなかこういうのも珍しいです。だってお三味線の師匠のお浚い会ですからねえ。立鼓のかたが先生と懇意だそうで今回実現したそうです。

 2週前くらいに下浚いがあったので、その録音を聞いていただきいろいろダメ出しをいただいてきました。そんなダメ出しの中で、一番グサリと来たのが竹笛の部分。

 ふくふくさん、よく吹けてるんだけど音が幼稚なんですよね。ん!このセリフ、全く同じことを江戸囃子の師匠にも数年前に言われと全く同じ。譜面をただ棒吹きしてるだけ、もう少し自分でしゃれる工夫をしないとダメですよ、と。

 ここが邦楽お得意の「自分で工夫」です(汗)。江戸囃子の方は少しできつつあるんですが、長唄の竹笛はほとんどノープラン。この辺りは長唄笛の方が難しいです。なぜなら江戸囃子は笛が唯一のメロディ楽器ですが、長唄は三味線と唄があるから。この違いは凄く大きい。

 なかなか自分でしゃれるのできないんですと、答えると、優しい師匠はお手本を吹いてくださります。まずはこれを徹底的に真似るしかありません。今までもそうしてきたつもりなんですが、自分の中では自分はまだしゃれて吹くのは早いと思っていたんです。今回師匠の口からそういうお言葉も出たので、より一層取り組んでいかないといけません。

 こう書くと師匠はどんな笛を吹いたのか気になるんですが、実はそれほど三味線からは離れてません。まあ演奏会とかだったらまた違うんでしょうが、でもそれでもほんと自分が吹くのとは全然違うんですよね。

 笛での表現力が師匠と自分とでは大きな隔たりがあるんです。ただ吹くだけではダメ。自分で工夫しなさい。厳しいけれども、昨日より今日。今日より明日がよりよい笛でありたい。

三味線いろいろ

 先日、師匠の浜松稽古場のお浚い会を聞きに行って、打ち上げで何人かの方とお話しして面白いなあ、と感じたことがあったので書いておきます。なお、わたし自身未熟ですので勘違いや、間違った解釈をしている部分も多いと思いますので念のため。

 浜松のお弟子さん達は、他の楽器主に西洋音楽であるピアノやヴァイオリンやギター、合唱、等の経験者が多かったです。つまり五線譜が読める方が多い。それと音感がドレミ(CDE)に対応していて、三味線を弾いていてドレミを感じるという方もいらっしゃいました。

 この感覚は自分には無いです。非常にいい加減な相対音感はあると思うんですが、三味線や笛を吹いていてドレミを感じることは無いです。五線譜で弾いたり、吹いたりするとそういう感覚になるのかな。自分は「いろは譜」を暗譜して、メロディを耳で覚えて、両方で弾いている感じです。

 「いろは譜」の利点の一つとして、譜を歌を歌うように覚えられることがあると思います。「メツメツメサケサラ~」三下がりなんかで出てくる勘所なんですが、一種の唱歌のようにメロディに乗せて覚えられます。

 ちょっと脱線しました。もう一つ話が出てきて、三味線の上達に関しての話です。上達の度合いを山に例えて天辺を10合目とすると、三味線の場合比較的早い時期に5~6合目くらいまで行けるのに対し、ピアノ・ヴァイオリンはまだ3~4合目にしか行けない、そうなのです。最終的に10合目まで行くのは、三味線もピアノ・ヴァイオリンも同じくらい大変だし時間がかかる、とも。

 この話なんとなく納得できる気がしました。自分はピアノは子供の時分に2年くらいしかやってないので、うまく説明できないんですが、そういう感じがします。誰か上手く説明できる方、あるいはそうじゃないよ、という反論があるかたは是非コメントください。

 最後に一つ。これ書くと端唄の方に怒られそうなんですが、端唄をやっている方がいらして、なんで長唄三味線始められたんですか?と聞いたら、端唄の三味線は技巧的には難しい部分が少ないそうなんです。その方は純粋に三味線を上手くなりたいと思われて習っているそうです。

 かみさんが民謡三味線やっていたからわかるんですが、民謡はあくまで唄が主役です。あっ、今の津軽三味線は除きます。端唄も多分そうなんだろうと思います。一方長唄は劇場が舞台で演奏時間も長いから、唄だけはなく、三味線の聞かせどころもないとお客様が満足しない、という状況で進歩発展してきたから、合方に代表される三味線の聞かせどころ、技巧的に聞かせるところが発展してきたのだと思います。

 このことに関して横道にそれますが、もし三味線をやりたいと思っている方で、でもどのジャンルをやりたいのかよくわからない、という方は長唄三味線をやるのが一番良いと思います。後で違うジャンルに行っても困らないです。津軽は除きます。津軽はまたちょっと特殊ですね。だから魅力があるともいえます。

 長々と失礼いたしました。意見・反論大歓迎です。

浜松ひきだるまに行ってきました

東京のひきだるま先駆けて、京阪、浜松でひきだるまがありました。そのうち浜松のひきだるまに日帰りで行ってきました。ひきだるまってわたしの長唄三味線師匠のお浚い会の名称です。念のため。

なかなかハプニングの多い旅でした(^_^;)。まずは品川駅の新幹線改札口前のカフェでコーヒーの飲もうと席に着こうとしたら、テーブルの下になにやら落とし物。なんとぶ厚いお財布!カフェの方に話して、JRの窓口のところに届けてもらいました。

すると5分もせずに、20代の背広を着た男性が走ってきます。わたしのテーブルではなく空いているテーブル下を覗きながら「サイフ…。サイフ」と言ってます。駅に届けてありますよと話しかけ、無事手許に戻ったようです。帰り際、お礼を言われましたが、それだけでした(笑)。

このカフェで横のテーブルに一人の女性が座られたのですが、この方女流の長唄笛の方でした。お顔と笛の入るバッグをお持ちだったので間違いありません。さすがに声をかける勇気はありませんでした。確かこの方浜松にもお稽古場をお持ちですから同じ新幹線だったかもしれません。

何か朝から良いことしたし、良いことあったので気分は上々です。お昼過ぎに浜松到着しました。駅でお昼ご飯を調達。浜松といったらやっぱりウナギ。

自笑亭「うなぎ弁当(赤ワイン仕込)」
自笑亭「うなぎ弁当(赤ワイン仕込)」

会場は浜松福祉交流センター。開演10分前くらいに到着。幕開きの「ねずみぐるま」から最後の「紀州道成寺」、師匠のおまけ演奏までたっぷり楽しみました。自分が以前お浚い会にかけた「五條橋」「松の翁」なんかはやっぱり気になります。両曲とも見事に演奏されていました。

このお弟子さん達、基本月一のお稽古でここまで仕上げてくるんですから凄いです。打ち上げでお弟子さんに言われたんですが、東京はたくさんお稽古日があってうらやましい、と。確かに逆の立場だったらそう思うでしょうね。それだけ浜松のお弟子さん達はお稽古熱心なんだと感じました。

それから何人かにブログを拝読しています、と言われました。なんかみょうな感じです。お一人いるのは知っていて、今回浜松来たのもその方にお目にかかりたかった、のが理由の一つだったんですが、他にも3~4人くらい言われびっくりしました。たぶん、師匠の情報とかも知りたい、というのがあるんだと思います。

プラス、観客の中に笛の知り合いもいらしていて、思いがけず再会です。私の笛の師匠の師匠のお弟子さんです。

今回の助演の唄の師匠は、杵屋五功次先生でした。わたしの色種も先生が唄ってくださいます。なのでご挨拶。先日の美紀会の下浚いで奥様の鳳聲千晴先生にご挨拶したことを奥様から聞いていたらしく、お笛と三味線で大変ですね、とにっこり。優しい先生です。この日は10番お一人で唄ってくださいました。東京でもよろしくお願いいたします。

で打ち上げです。美味しいコース料理いただき、浜松のみなさまと楽しく交流。帰りは最終の新幹線です。当然のごとく新幹線の中でも宴会(笑)。

そしてこの日最大のハプニング。なんと新幹線のチケットを紛失(涙)。検札は済ませたので、そのとき切符をしまい損ねて、宴会でいろいろものを広げていたところに置いて、落っこちて、どこかいっっちゃたのかなあ。師匠とか回りの方が一生懸命掛け合ってくれたのですが、もう一回払いました(涙)。あとみな様にお時間取らせて申し訳なかった。

ちょっと高い交通費になりましたが、それ以上の価値のある楽しい旅でした。

さあ、ひきだるままで2週間切りました!

「若獅子会」江戸囃子も阿波おどりもあったよ

 長唄の笛の師匠が出演されていて、今年が9回目になるそうです。実は今の師匠に習う前にこの演奏会でどんな笛を吹かれるか聞きに行ったのがもう5年前のこと。師匠もあの頃は更に若かった(笑)。

 今回の若獅子会は自分的には凄く面白かった。シシ16というお囃子だけの曲があったんですが、これが江戸囃子の寿獅子・祭囃子と長唄の獅子のコラボ。寿獅子の屋台は別名で「狂い」ともいうそうです。これって獅子の囃子の狂いからきてるのかな。ともかく同時に演奏したり、別々に演奏したり、寿獅子の鳴り物で能管の狂い吹いたり、その逆をやったりと、すごくハイレベルで楽しかったです。鳳聲晴久さんは若山社中の方でもありますから、祭囃子も本職です。

 それから、アンコールで四国でやってきた出し物のさわりをやったんですが、この中に阿波おどりのお囃子も入ってました。いわゆる本物の阿波おどりのお囃子と比べるとリズムの面で少し違うんですが、曲として一流の邦楽演奏家がリミックスした、上質な阿波おどりのお囃子になっていたと思います。

 そうなんです。長唄に江戸囃子に阿波おどりって、まさに自分がやってることが今回の若獅子会だったんです!

 他にもジャズっぽい後のりの曲をやったり、お囃子の可能性を感じさせる内容でした。

 今年は秋に国立で10回の記念会をやるそうですよ。こうご期待です!

長唄三味線のお稽古 「秋の色種」22

 本調子、二上がりと順調に来ていたんですが、三下がりで一と糸巻きをクッと上げて、ドン、ドン~、ドン、ドン~、なかなか良い感じ。で、いざ弾こうと思ったら頭真っ白に(汗)。ドツトンドンが頭の中から瞬間消えてました。たまにあるんですよね、いままで引っかかったことがないところでの頭真っ白が。

 ただ、三下がりのところが一番練習量が少ないのも事実です。どうしても最初から弾いて練習することが多いので。今度三下がりから練習してみよう。

 課題の二上がりのところ、・ドンドンドンドンドンドン・トテテレテレテレテントン、師匠からも間が詰まらなくなってきたと…(^_^)v。

 後は、全般的には勘所の甘さ、調子変えした後の調子の加減、が今後の課題です。二上がりにした後、曲がゆっくりの間にできるだけ二の糸を安定させたい。琴の合方に入ったら自分の腕だとほとんどもう調子を合わせる機会はないんです。唯一一ヶ所あるんだけど、そこは保険的な位置づけです。

 あと二回練習して下浚い、最後に一回練習して本番です。