長唄「花見踊」の笛を吹いてきました

タテ鼓、太鼓、笛(自分)が素人さん、大皮と上段の二挺二枚がプロの方の混成チーム(ワキ三味線の方が新しい方に替わりました)で千代田区の会に今年も参加してきました。

長唄って指揮者がいない訳ですが、じゃあどこで呼吸を合わせるかというと、タテ唄、タテ三味線、タテ鼓(や太鼓・大皮)のみな様がかけ声なり、あうんの呼吸で合わせていきます。素人にとっては圧倒的に経験値の少ない領域ですので、何回か集まって合わせていきます。その中で笛はきっかけを取るところはないので気楽です。すいません、気楽で>共演のみな様。ここで更にカミングアウトすると、正直、三味線のおさらい会が終わるまであまり練習に身が入りませんでした。合わせ練習に参加しながら、ひどい笛だなあ~、と。反省しています、はいm(_ _)m。

で、花見踊ですが、2年ちょっと前にもある会で吹いたことがありました。↓その時の日記です。

http://awafue.blog56.fc2.com/blog-entry-718.html

今回の花見踊、以前の反省点を踏まえ、いくつかテーマを持って臨みました。

・能管、狂言鞨鼓を拍子感を薄くするように吹く。言い換えると子供の狂言鞨鼓から大人の狂言鞨鼓へ。片シャギリのヒャイトの音をヒャイトと聞こえるように吹く。ここ苦手なんです。
・竹笛(篠笛)、大きく華やかに、音色を響かせる。厚みのある音色にしたい。

ここで実は少し進歩したなあと思う点があります。それは日吉(ヒシギ)がテーマに入っていない!もちろん大事なポイントなんですが、以前はもう日吉が鳴る鳴らないだけが凄く気になっていました。極論すると、他の音はへなちょこでも日吉だけピーっと鳴ってくれ、と思っていました。日吉はポイントで鳴らす音なので目立ちますから。それが今、取りあえず鳴らすことは心配が無くなりました。音の品質という意味では課題はてんこ盛りですが…。この点は後述します。

さて、本番の話をする前にもう一つ。今回この会でいろんな方とお目にかかりました。まずは、T左衛師匠。私は江戸囃子、三社祭で大変お世話になっています。今回ワキ三味線の方の囃子の師匠でもあります。私が笛で出ることは先刻ご承知のことのようでした(汗)。それから今回太鼓で出演のRさんの師匠E秀師。自分の直接の師匠ではありませんが、何気にプレッシャーです。特に太鼓と笛はセットなので緊張します。そしてT左衛門師匠が子供達の後見の形でいらっしゃっていました。それから、ネットでは以前から存じ上げていた黒猫さんが楽屋にご挨拶にいらっしゃいました。これは本当にビックリで、もともとは阿波おどりつながりなので、この場でお会いすること自体が不思議なのです。お話を聞くと、今寄席囃子を稽古していて、そのお師匠さん先輩が桃さんという、今回この千代田区の会の中心人物の方だったのです。世界は狭い~、つながっていると思いました。

本番です。笛は早渡りから。吹き始めて思ったのが、うっ!音がデッド。普段の練習環境や下浚い会場は吹いた音が返ってくるのが、音が返って来ない感じです。あと、乾燥しているせいかとても吹きにくい…。正直、やばいと思いました。このあせりから狂言鞨鼓の一くさり目に普段吹かない音を出してしまいました。ただ、日吉はきちんと鳴らせたのでちょっと落ち着きました。

竹笛はたぶん自分が今まで舞台で吹いた中では一番の出来だったと思います。あくまで対自分比ですので(^_^;)。少しだけ音を響かせられるようになってきたと思います。特に花見踊は華やかに元気よく吹きなさい、という師匠に以前言われていましたので良かったです。よく吹けた原因の一つとして、タテ三味線の方が事前に良く糸を伸ばしくれて音程がほとんど下がらず、笛本来の力を出せたのも凄く大きかったと思います。ホントに気持ちよく吹けました。ありがとうございました>三味線のみな様。

段切れの日吉はかすれてましたが、ギリセーフかな。それから観客席から録音したのを聞いたら、思ったより音が響いていたのでビックリしました。舞台ではあんなにデッドだったのに。

事前のテーマが実現できたかどうかですが、狂言鞨鼓、小学生から高校生くらいにはなったかなあ。大人にはまだまだ。片シャギリのヒャイトはまだ全然ダメですね。このイをィと吹きたいのですが、自分のはヒャリトって聞こえちゃってます。ここは難しい~。竹笛はまだまだ味が足りませんが、音を響かせられるようになってきたのは進歩。

私たちの出番の後に、長唄「娘道成寺」と「風流船揃」があって、プロの笛の方が吹いていらっしゃったので袖で勉強させていただきました。子供達の鼓・太鼓・大皮がメインでしたのでひじょうに控えめに吹いていらっしゃるのが印象的でした。そこでプロの技だなあと思ったのは、小さい日吉でした。私だとある程度以上の音量が無いと日吉が鳴らせないんです。イメージ的には私に必要な音量の半分くらいの音量で日吉を吹かれていました。笛とか男女の差もあるでしょうが、凄いです。こう、糸を引くようなイメージの日吉。自分のは太いロープです。ああいうのも吹けるようになりたいと強く思わされました。

共演・助演いただいたみな様、ありがとうございました。聞きに来てくれたみな様、ありがとうございました。

つたない笛を聞いてやろうというご奇特な方は↓
長唄「元禄花見踊」 2014-03-12 内幸町ホール 能管・篠笛で参加

花見踊の笛を吹いて思ったこと

 長唄「花見踊」で笛を吹くことになっていて、合わせ練習をしています。練習をしていて困るのが、三味線の糸が伸びてだんだん音が下がってくること。練習だと集まってさあやりましょう!ということが多いので三味線の方の糸も十分伸ばす時間がなく、不安定なのです。

 プロの方なら、さっと低めの笛に持ち替えるんでしょうが私なんかだと間の笛は持っていません。花見踊なんかだと、竹笛(篠笛)の出番は演奏開始から13分くらいなので、下がってます。七本調子を普通に吹くと調子外れの笛になっちゃいます。そういうときはメって音を低くするんですが、それだと笛本来の音じゃなくなります。花見踊は華やかに吹きたいんですが、妙に暗い感じの音になっちゃう訳です。メっても元気な音を出すようにという、超難しいことを言われたこともありますが、まあ、これはプロレベルでないと難しいです。

 長唄の竹笛を吹いていて、以前より三味線の音を聞くようになりました。同時に自分の笛の音も。笛にも癖があって、呂音は多少高め(ハルとかカル)、甲音は多少低め(メル)に吹かないと三味線と合いません。これはまあその笛の場合であって、絶対ではありません。また6の音だけちょっと低いとか、そういうのはざらにあります。まあ、篠笛の精度はけっこう曖昧なところがあるのです。さらに気温によっても高くなったり低くなったりしますし。結局のところ出る音に常に気をつけないといけない訳です。出る音に気をつけるってのは全ての楽器で同じですね。

 話がそれますが、いま、人気のある笛師さんが作る笛は、ピッチがより正確です。より西洋音階に近づいているという言い方が正確だと思います。長唄の笛方でこの手の笛を使う方がまだいらっしゃらないのは何故なのかな?一つの理由として三味線の音階が西洋の音階と微妙に違うせいだと思います。すいません。この辺は正確な知識がないので上手く説明できません。

 長唄用の笛は三の音が西洋音階的に言うとちょっと低いです。「さくらさくら」吹くときは三の音をちょっとハって吹くとちょうどよいです。流行のドレミの笛ならそのまま吹いて大丈夫です。

 でも唄用篠笛自体も作られてから歴史はまだ60~70年しか経っていないわけですから、これからもっと素晴らしい笛が出てきてもおかしくないと思っています。 

長唄三味線 おさらい会 終わりました

1780747_610546375691609_2060447733_n 聞いてくださるという奇特な方は↓
長唄「松の翁」 2014-03-02 都内某所 三味線

今回「松の翁」を弾きました。まあ甘めに採点して75点にしときます。スカバチをいつくかしでかしたのと、師匠との掛け合いで自分が半拍早く入ってしまったところが1ヶ所。あと、一人で弾くところ普段間違えないところなんですが、格好良くひいてやろうなんて思っていたら、みごとにツボを間違えました(汗)。すかさず師匠のヘルプの音が入ってきました(汗汗)。あと、全体的に固かったです。力みすぎでした。師匠の三味線の音が響くので負けないで大きな音を出さないといけないと思ったせいでしょうか。

まあ、でも、最後までわりといい感じで演奏できたと思います。特に緊張したのは出だし。ト~ン、と二の糸の開放弦を弾くんですが、普段なら何気なくできるんですが、緊張していると間違って一の音弾いたり、三の糸まで弾いちゃってシャ~ンってなっちゃいます。ここが上手くいけば流れに乗れると思い、幕が開く前にしっかりとバチで二の糸の場所を確認しました。おかげでここは無事上手くできました。裏バチや、裏ハジキとか出来映えはともかく何とかこなせたのも良かった。

それにしても出だしの前弾きは自分でも凄く固いなあと自覚してました。唄が始まってようやく少し落ち着けた感じです。合方が4ヶ所出てきますが、自分的には最後の合方は練習含めて一番上手く弾けました。特に後半部分のノリは今までで最速だと思います。お稽古しているときに、師匠がここはこれくらいノリ良く弾きたいんですよね、と模範演奏されたたときは「無理」って思いましたが、それに少しちかづけたかな。

自分の出番が終わるまでは落ち着かず、先輩方の演奏もろくに聞けませんでしたが、出番終了後は控え室や観客席で聞くことができ楽しかったです。いつか弾きたいな~、と思ったのは、「梅の栄」「新曲浦島」かなあ。今回の番組には無かったけど「秋の色種」とかもいいなあ。

おさらい会の後は打ち上げです。おさらい会楽しみは演奏もさることながらいろんな先輩方とお話しできること。邦寿組は割と弟子で集まることも多いのですが、これだけ集まることはそうありませんので。今回は長野から稽古に通ってこられる方もいらっしゃいました。

今回打ち上げで良く出た言葉は「トリプルアクセル」。人それぞれ演奏に臨んだときに、トリプルアクセルに相当するヶ所があったんですね。キレイに跳んだ人、回転不足になった人、転んじゃった人、いろいろいましたね(笑)。

聞きににいらしてくださったみな様、師匠、賛助の先生方、同門の皆さま、ありがとうございました。

長唄三味線 下浚い終了 寺内タケシの話

 昨日、午後から仕事を抜けて下浚いに行ってきました。出来は、スカバチとか間を崩したところがいくつかありましたが、大過なく弾き終えたので、まあまあといったところでしょうか。やばかったのは緊張で手に汗をかいたこと。調子変えが少しやばかったです。自分汗かくタイプなので、この調子変えは一つの鬼門なんです。昨年も本番前に石けんで入念に手の油分を落として演奏に臨んでいます。今年もそれはやらないと。

 他のお弟子さん達の演奏も一通り聞くことができました。こういうときに密かにいつか弾きたい曲をチェックしています(笑)。

 下浚い終了後、ミニ打ち上げがあり、一番先輩のお名取の方と席が隣になりいろいろお話させていただきました。この方いつもおさらい会で大トリで昨年は「娘道成寺」を弾かれたんですが、もの凄くハイレベルな演奏で感動したのをハッキリと覚えています。

 この方昨年還暦を迎えられ方で、若い頃はエレキギターが趣味だったそうです。ローリング・ストーンズとかレッドツェッペリンですか?と伺ったら寺内タケシがお好きだとか。その話を受けて、いや私阿波おどりやっていて、阿波おどりで「吉野川」という曲は寺内タケシさんが東京で阿波おどりとコラボしたときに即興で作られたんですよ、とお話しして、冒頭のメロディを口ずさんだら、なんとメロディを返してくるじゃないですか!そしてそれ日劇でやったやつでしょ、と。その場にいらしたらしいです!

 世界はどこかでつながっているんだなあと強く思いました(^^)。

あとは下浚いと本番を迎えるのみ

 「松の翁」は難しい。前弾きと「およそ千年の~」の前に入る合方が特に難しい。知り合いに聞きに来てくださいと言ったものの、とても他人様にお聞かせできる演奏ではありません。でも、おさらい会はその時の自分を発表する会。聞きに来てくださるみな様、その辺をご承知おきください(汗)。

 先日、たまたま3年前のおさらい会で弾いた「花見踊」を聞き直したんですが、まあ、その、恥ずかしいくらいの出来でした(笑)。あれから少しは上達したんでしょうか。曲は違いますが、昨年の「雨の四季」はまあまあ弾けたと思います。聞き直してもまあまあ、がんばっているじゃん。それを思うとやはり今回の曲の難しさを感じます。

 この曲を弾いていてよくあるのが、続けて弾くと明らかに2回目の方が出来がグンと良くなること。言い換えると1回目の出来が特に良くない。前の曲の時はこんなに極端では無かったんです。本番は一発勝負。そこが特に心配です。

 あと、幕開きで合奏で「ねづみ車」を弾きます。去年の秋弾いた曲です。あんときは暗譜していたんですが、けっこう忘れています。プログラムをいただき、へぇ~、幕開きでねづみ弾くんだと知りました(笑)。これもまた練習しています。2曲の暗譜はきついです~。

 明日は午後から下浚い。昨日の夜全部の糸を張り替えました。三の糸は前の晩にも張り替える予定です。不安もありますが、楽しみでもあります。がんばろう!

三味線サイレンサー

三味線サイレンサー
三味線サイレンサー

 先日「花見踊」の合わせ練習があったんですが、勉強になりました。何か勉強になったかと言うと三味線の減音です(笑)。練習会場で大きな音がNGとダメ出しをいただき、三味線の方が音が小さくなるよう色々と工夫されていました。そのなかで自分でもやってみようと思ったのが写真の方法です。

 ちなみに家ではコマの代わりに消しゴム使っています。忍びゴマは右手小指が当たるのがイヤで使っていません。

 写真の方法だと普段のコマを使えるし、ゴムのハサミ方で減音の度合いを変えられなかなか良いです。ゴムは100均の滑り止めゴムを切ったものです。

 笛で参加していたんですが、笛は能管は唱歌、竹笛は小さく吹いて対応しました。それはそれで難しい。鼓の方は手を打って、太鼓の方は座布団被せて打っていました。

 なかなか面白い体験でした。

長唄 能管・篠笛お稽古 「老松」

 神舞というのがあって、神様が舞います。笛的には二段目・三段目というのがあり、能管を吹きます。

二段目
 頭・呂・中・二段目ヲロシ・呂・中・干・中・呂・中

三段目
 頭・中・呂・中・干・中・呂・中・干・中・呂・上ゲ

 伊十郎CDなんかだと、普通に中・干・中・呂を吹いています。美学のは二段目ヲロシを吹いています。この辺は謎です。私は、最初の師匠の時は伊十郎バージョンでした。今回は正規?バージョンを教えていただきました。

 話変わって、私の師匠は福原百貴師です。今年教え始めて10年だそうで、自分のお弟子さんのお浚い会を初めてやることにしたそうです。来年の1月(日にちは未定)、場所はお江戸日本橋亭あたりを予定しているそうです。なるべくかかりが少なくなるようにしてくださるとのこと。芸大人脈+若獅子会人脈を駆使して、二挺一枚お囃子付きです。曲を5月くらいに決めないと。2曲くらい候補を挙げて師匠に決めてもらうのがいいのかな。他のお弟子さんとかぶらないほうがいいだろうし。

 獅子ものをやってみたい、という気持ちはある。あと、やってないけど神田祭とかもやってみたいなあ。お浚い会は、自分のためにプロの方が助演くださるという、贅沢な楽しみなんですよね。ん~、なんか楽しみができて嬉しいです。

仕事のち長唄三味線お稽古のち阿波おどり練習

 この時期は仕事も忙しい時期なので昼間はお仕事です。夜、長唄三味線のお稽古があり行ってきました。課題は師匠の前で暗譜で弾くこと。ときどき白くなっちゃいました。反省。前弾きはそこそこいい感じです。いかに師匠の替え手に惑わされず自分の間でしっかり弾けるか。そこにかかっています。考えたらお浚い会まで稽古3回、下浚いしかありません。頑張らねば。昨年の雨の四季より手強いです「松の翁」。

 この日夜、阿波おどりの練習もあったんですが長唄三味線のお稽古が終わってから行くと正味1時間くらいしかないんでお休みする予定でした。ですが、同じ方面だしちょっと足を伸ばして行ってきました。

 ちょうど到着した頃面白い練習やってました。家に帰って、みどケロさんが寝静まってからリビングで練習しちゃいました。間とかリズムとかの話で、頭ではわかっているけど身体がうまく動かせない、ってのがよくわかりました(笑)。これは練習メソッドとしてすごくよくできています。連の許可もらってないのでこれ以上は秘密です(笑)。

 三味線的には、連の手に直すことがテーマのひとつ。例えばどんとつなんかも、自分が覚えたのとちょっと違うところがあるんですが、阿波おどりの場合これが絶対正解ということはないので、その連に合わせることが大切になります。年長の自分に言いにくいと思いますが、全然気にしてませんのでドンドン指導してください。

 ものごとの本質を見つける能力が凄い人って、そぎ落とす力があるのかな。自分も今回やったことを何となくわかってはいたけど、コメで言うと普通の精米歩合。大吟醸くらすのそぎ落としてそぎ落として余計なものを取り除くとこまではできてない。ん~、うまく例えられない。自分のタイプは真似して真似して、そのうち何となく本質がボンヤリ見えてくるタイプ。そうじゃなくてズバッとものごとの本質に切り込める力がある。そういう人に知り合えたというのは僥倖に恵まれたと思ってます。

長唄 能管・篠笛お稽古 「正治郎 連獅子」

 上がりました。竹笛のところでだいぶダメ出しが多かったです。自分自身もこれではだめと自覚があったので、最後数回は竹笛のみの稽古でした。最後はほんの少しですが感じが出てきたかなあ。次回より「老松」です。能管をしばらく稽古していなかったので、老松をお願いしました。神舞があります。神が舞うところです。中ノ舞とかは人が舞う。そこからして違う心持ちで吹かないといけない、とのこと。まず気持ちが入らないと良い音は出せない、そういうことに気が向くようになってきました。

 雑談で師匠がある和太鼓のライブを聴きに行った話になり、そのライブに出演のある笛吹きの方があまりにも下手でビックリしたそうです。ふくふくさんの方が上手ですよ、と(笑)。マイクを付けて、リバーブかけまくりだったそうですが、それでもあまりに薄っぺらい音で、しまいには怒りがこみ上げてきたとか。笛がかわいそうで仕方なかったそうです。

 師匠は今パルコの志の輔落語に出演。3月は若獅子会。若獅子会は凄いサプライズがあるかもしれないと。中身は教えていただけませんでしたが、何だろ?楽しみです。

オートマチック

 お稽古日記久しぶりに書きます。今回はジャンルに関わりなく思ったことを。先日、江戸囃子の稽古がありました。今、篠笛は四丁目の玉に合わせて吹くという練習をしていますが、この玉打つ人によって手も寸法(長さ)も違います。終わりの合図の手があり、笛はそれを聞いたら元に戻る訳ですが、これが見るのとやるのとでは全然違います。

 外から見ると太鼓の音だけを聞けばいいので、ああ今終わりの合図の手打ったな、とわかります。ところが自分が吹きながら終わりの合図の手を聞き分けるのは激ムズです。普段ひとっ囃子を演奏するときは、附け本の手通りに太鼓も笛も演奏していますが、そこから一歩踏み出した練習という訳です。

 まず、難しいのは終わりがいつ来るかわからない笛の手を吹き続けなければならない、ということ。引き出しをたくさん持っていないとダメです。CDや人の演奏を聞いていろんなパターンをつなぎ合わせて吹かないといけません。しかも、これを頭で考えるのではなく、手がオートマチックに動かないとダメな訳です。頭で次このメロディにしようなんて考えていると、太鼓の音を聞き逃します。つまり耳は太鼓の音を聞くことに集中しつつ、いろんなメロディをつないでいくという、並列処理が必要です。

 この練習を始めた頃は自分のメロディをどうつなげていくか、ということに頭の7~8割が使われ、太鼓の終わりの合図の手を聞き逃しまくりでした。先日の練習ではようやく太鼓の音を聞くことに8割くらい集中できたので、だいぶ聞き取れるようになりました。

 長唄三味線の方はお浚い会が3月頭にあるのでまずは暗譜しないといけません。まず暗譜なんですが、更に暗譜だけでは足らないところがあります。特に速さが求められるところ、頭の中で譜を追っかけていては間に合いません。やはり手がオートマチックに動くようにならないと。現時点で暗譜度合いは80%くらい。でも暗譜って100%じゃないと意味ないんですよ。今月中に100%まで持って行って、来月仕上げられればと思っています。ちなみに曲は「松の翁」です。すごくかっこいい曲なので楽しみです。

 阿波おどりの方は、まずはいろんな手をまず身体になじませること。家の中で練習時間を確保するようにしたので、祭囃子の玉のように、いろんな引き出しを作って、さらっと弾けるようになることが目標です。

 なんか新年の抱負みたいになってきた(笑)。

 長唄の能管・篠笛は、脱・おこちゃまの音、です。ひじょうに難しい領域に入ってます。これといった処方箋が思いつかないのが、難しさを表しています。曲のことを知るとか、詩の意味を考えるとか、そういう部分も多いだろうし。

 去年は激動の一年でした。今年は落ち着いていろんな楽器に向き合っていきたいです。