長唄 能管・篠笛お稽古 「大人への通行手形」

 週末に長唄「五郎」を吹くのでみていただきました。合わせ練習の録音を聞いていただきましたが、自分的はそこそこ吹けているつもりでしたが、たくさんダメ出しを…。

 日吉が「ヒィー」ではなく「スヒィー」になっている。ということで日吉を50回ほど吹きました。これ冗談じゃなくマジです。良い日吉だと、OKサインが出ます。とにかくアタックあるのみ。終わったら息がゼイゼイしてました。こういう練習も必要ですよ、とのこと。竹笛は前半がもたれているとダメ出し。これ少し意識してやっていたんですが、もたれるならもっともたれないとダメだそうです。インテンポでもっと明るく!

 で、レッスンの終盤にふくふくさんももう大人の笛を吹きましょう、という話になりました。飾りの音を研究してください、と。師匠もこのことはいつか言おうと考えていらしたそうです。ふくふくさんはアマですが舞台に出る機会も多いんですから、プロっぽい音を目指しましょうと。

 江戸囃子の師匠にも同じこと言われ、そちらの方は少しずつ差し指を入れるよう研究中なんですが、いよいよ長唄の笛でも同じことを言われました。それだけのベースができてきたと前向きに捉えています。師匠は特に能管を意識しておっしゃっているようでした。今の師匠について、来年は4年目になります。来年は大人の笛を目指しましょう、という「大人への通行手形」をいただいたような気持ちです。

 道は険しいけど頑張ろう~!

俄獅子 下浚い&本番 音源あり

お囃子で助演をお願いした藤舎清穂さんが合流して本番前最後の下浚いです。しかし、この清穂さん、普段着だと女子大生と全然変わりません。後で伺ったらこの春芸大を卒業したばかりとか。年は半分以下ですね(笑)。ただ芸歴は長いです。ご両親もそういうご関係の家ですから。

しかし若いといってもプロは下浚い一発で合わせるんですから大したものです。経験がものいうところだと思います。今回の下浚いは、別に後も詰まっていないので通しと気になる部分の練習をしました。笛的には、キリンで新しい手をやったら伸びすぎて最後少し余っちゃいました。反省です。神田丸は三味線・太鼓・笛の呼吸を合わせるのが一番難しいところ。屋台は勢いで行っちゃえ~、です(笑)。

で、本番当日を迎えました。当初この日は俄獅子だけの予定だったんですが、長唄三味線の合同練習が入り、夜には阿波おどりの練習が(汗)。という訳で三味線やら、阿波おどり用の小道具やらも準備して某ホールへ向かいました。

ここでちょろっと当日の家でのことを書きます。出かける前に1回くらい通しで練習しようと思って吹いたんですが、絶不調!!!経験上起きてから数時間って顔がまだむくんでいたりして鳴りづらいんですが、それにしても不調。特に、今回の曲、普通の長唄の笛では使わない、
キ:○●○ ○●○○
5に上チョン:大甲のドとレの間の音
祭囃子ではたまに使う音なんですが、唄用では鳴らしにくい笛が多い音です。本来の譜面もこの音は使っていないんですが、師匠お手本がこれを使っているので、私もこれで練習していて、だいたい8割の成功率でした。

こう鳴らない時っていくらやっても鳴らないんで、心理的には↓。ここでBプランで吹こうかなと考えました。上記の音を入れるのがAプラン。入れないで無難に吹くBプラン。最悪、Bで行くことにして、現場の音だしと吹いた時の感触で最終的に決めようかなと。でも、せっかくのチャレンジの機会、失敗しても曲を壊すことはないから、できるだけAで行こうとは思っていました。

さて、楽屋で音出すと、朝よりもまあ良い感じ。ここでAで行くと決定。いよいよ舞台です。MCがあって幕が上がります。タテ三味線の音でスタート。始まれば、終わりまであっと言う間でした。

笛的には、早来序(能管)、キリン(竹笛)、神田丸(竹笛)、屋台(竹笛)、片シャギリ(能管)、段切れ(能管)です。お囃子主体の抜き差しなので、いや賑々しいですね(笑)。まあ俄獅子の良いところはでているかなと。

さて、アマチュアだからできる、自画自賛コーナーです。自分的には、神田丸(4分26秒~)は今の自分ができる最高に近い出来映えじゃないかと。最初の通り神楽なんか絶妙です。あと、段切れの最後の日吉、勢いそのままで最後まで吹いて最後押せて鳴らせました。ここのところで最後ビシッと決められて曲も締まったと思います。あ~、これだけ自分を褒めるとさすがに恥ずかしい(笑)。

反省点もいっぱい。キリンはもう少し間をうまく外して吹きたかった。祇園祭のイメージ出てないなあ…。それを出したかった。屋台で手がもつれたヶ所が。キの音は3勝1敗でしたが、最後に一番かっこよく出たので良し。片シャギリが今ひとつ。最後の段切れの出だし、慌ただしさ感モロ出てしまった。

前にも書いていますが、この俄獅子の、キリンとか神田丸とか屋台の笛を吹くのが憧れでした。できたら「俄獅子」をフル編成の舞台で吹きたいなあ、と。その願いが今回かなって凄く嬉しいです。そんな機会を与えてくださったみな様に感謝です。

唄・三味線のみなさま。お囃子は唄・三味線がきちんとしているのが前提です。時間制限の関係で、ふだんないような速さで唄・演奏してくださり感謝です。いつも、三味線がジャンから「はなとみつごちょうおどろかぬ~」と来るのを気持ちよく聞いておりました。本当にありがとうございました。

それからお囃子さんのみな様、途中怪我で出られなくなった方がいて、急遽代役で出ていただいたりと波瀾万丈でしたが、最後の本番が一番良かったのではないでしょうか。笛は特に太鼓にお世話になるので、太鼓の方には更に感謝です。助演いただいた藤舎清穂さんにも感謝です。時折見せるお顔がやはりプロだなあと思いました。

本当は終わった後、お疲れさまの乾杯をご一緒したかったのですが、すぐおいとましなきゃいけなかったのが本当に残念でした。またご一緒に何かできるといいなあ。

長唄 能管・篠笛お稽古 「正治郎 連獅子」4

 竹笛をお稽古。出だしは優しく入る。そういうの苦手です。伸ばす音の最後の方、ピッチが下がってくるので気をつける。これ難しいです。こういうのを吹くと自分の下手さがよくわかりますね。あと、微妙に間をずらすことができない。自分だと単なる間違い(言い得て妙な言葉!)。師匠三味線で伴奏してくださるんですが、音合わせの時自然に音をだすこと。妙に緊張してボワーっと音を出したら怒られました。

 秋から年末はお忙しいようでレッスン設定日が少ないです。月2回行くようにしているんだけど、間隔がうまく取れないな~。この連獅子の竹笛はもう1回かな。

長唄 能管・篠笛お稽古 「俄獅子」

 正治郎 連獅子をお稽古しているのですが、20日に邦楽の友メルマガコンサートで俄獅子を吹くので、お稽古していただきました。

 編成は二挺二枚、大小(タテ・ワキ)、太鼓、笛で、ネットで知り合ったご縁で勉強をかねて演奏会に出ようという趣旨のチームです。既に3回ほど合同練習を行い、ほぼ形はできたかなあという状況です。あとは下浚い、本番を残すのみです。

 何度も書いていますが、私の笛師匠は、私がそういう活動することを奨励してくださります。で、お稽古もきちんとみてくださり、稽古内容もふだんより濃くなります。

 今回のお稽古の主たる目的は、練習した時の音源を聞いていただくこと。他流派の方とやるので、間違ったことをしていないか、改善点はないのか、師匠の耳で聞いていただくことです。

 聞き終えて、全体的に良く吹けているとのこと。今のままでも良いが、よりよくするなら、キリンはもう少し柔らかい感じで吹く方が良い。附けとおりでなくてもよいから、とお手本を吹いていただきました。後、屋台は元気よく!音の歯切れが悪いところが何カ所かあるので気をつけること。

 キリン、自分の演奏は拍子感が強すぎるんだと思います。もう少し柔らく、フニャっとなって良い。師匠曰く、アドリブでいいんですよ。最後合えばいいんですから。ですが!素人にはそれが凄く難しいです…。師匠にアドリブって一番難しいんですと答えたら、やっぱりそうですよね、と(笑)。こればっかりは経験を積むしかないですからね~、と。

 こういう機会で勉強できるのは凄くありがたいです。本番に勝る練習はない、というのはこういうことなんでしょうね。

 あと、2週間できるところまで頑張ろう!

日舞の会と阿波おどり

 雷連さんとさくら連さんが、国立大劇場で踊るというので行ってまいりました。浅草で稽古があったので、国立に着いたのは6時過ぎ頃。板東三津映(ばんどうみつてる)師のお弟子さんの発表会と、ご自身の創作日舞の会でした。阿波おどりは創作日舞の中に出てくるらしいです。

 この日舞の会、場所も国立大劇場と凄いんですが、助演の方々が凄いです。長唄では国宝の宮田先生が出演されています。三味線は先日鉄九郎さんの会で拝見した塚原さんがタテ三味線でした。お囃子は望月・福原の方が多かったです。

 私的には長唄も聴けて阿波おどりも見れるという二重に美味しい会でした。お稽古なければもっと早くから行きたかったです。みどケロさんは早めに行っていたんですが、二人椀久の踊りが素晴らしかったと感動していました。

 舞台も衣装もまあ歌舞伎の世界です。で、バックで国宝さん始め超一流の方々による生演奏。下世話な私たち夫婦はこれ出るのいくらかかるんだろう?と。あ~、我ながら下世話だ~。

 で、阿波おどりなんですが、どんな形で出てくるのかなと一抹の不安もあったんですが、普通に阿波おどりをやっていました。違っていると言えば、男衆もたぶんお化粧してることかな。舞台映えするようにだと思います。合同とか、国立という場所とか、緊張しそうなシチュエーションでしたが、準備を重ねてきたんでしょう、いつも通り笑顔・元気がウリの阿波おどりを見せてくれました。あと、阿波おどりやっている方って何気に人前でやることを経験しているんで、舞台慣れしていますよね。

 演舞の途中で普段は阿波おどりをみることのないお客様から拍手が自然とわき起こりました。これはうれしかったですね。みている方も色とりどりの衣装、雷連さんの浴衣の赤とか、さくら連さんの黄色とかピンクとかがホントにキレイでした。お顔もお化粧してライティングされると普段より5割増しでキレイに見えました。これホント。唯一残念に思ったのは、これは演出上しょうがなかったんでしょうが、三味線にマイクが欲しかったなあ~。音は大きすぎず小さすぎず適度なメリハリ。こちらも良かった!

 会主の方は現代を生きる若者のあふれる命の輝きを群舞で見せたかったのだと思いますが、その狙い通りの素晴らしい舞台でした。人間国宝さんと同じ舞台にその瞬間いたんですよね~。すごい経験ができたと思います。

 自分もいつか阿波で国立出たいなあ。これ野望です(笑)

 雷連さん、さくら連さん、お疲れまでした!

俄獅子の合わせ練習

 唄・三味線チームとお囃子チームの初めての合同練習でした。顔ぶれは「七福神」で一度ご一緒しているのでそのあたりは気楽です。

 さて、ここで合同練習の意味合いを改めて考えてみました。思いつくままに挙げてみると。

・ノリ・テンポの確認
・お囃子が入る部分のタイミングの確認
・調子の確認
・合わせた音の確認

 笛的には今回きっかけを取るところはないので、主にノリ・テンポの確認。調子の確認、今回は竹笛は七本調子になります。

 で、まず一回合わせてみましょう、となったんですが、見事にキリンで落っこちました。三味線と太鼓の音がお互い探り合うような感じで始まり、あっ、と思ったら落っこちました。今回、竹笛は全部三味線とは全く違う手なので一度落っこちると、戻れる可能性が限りなく低くなります(汗)。こういうところが指揮者のいない長唄演奏の難しいところです。でも、1回やれば次からはだいたいの感じがお互いつかめるので、演奏が安定してきます。

 今回家練習では唄・三味線のみの音源で練習していたので、そのとき何カ所かガイドになる音が実際聞こえるかどうかも要確認です。

 通しで3回、部分練習を何回かやって終了。自分的には1ヶ月前でこれなら上出来のように思います。新たな練習用音源も撮れたし、今後はこの音をベースに練習。次の練習でさらに質の高い練習音源を撮って、段々レベルアップしていく。こんな感じで本番を迎えます。

長唄 能管・篠笛お稽古 「正治郎 連獅子」3

 3回目。何とか時間をひねり出し、能管はほぼ暗譜レベルまで持ってきて稽古に臨みました。いつもこれくらいやればいいんですが(笑)。この乱序・狂い、家の練習では最後の日吉までできるんですが、師匠の前だと力が入りすぎて最後の日吉がスカ(涙)。いつかはこれを舞台で吹きたいが、まだまだ修行が足りません。

 師匠からは音のレベルを上げることをもっと意識するように言われました。具体的には引き出しを増やすこと。もっと具体的にいうと、例えば 中ノ高音。澄んだ音色の中ノ高音。泥臭い中ノ高音。色んな中ノ高音を吹けるように研究すること。一声にしても、一つの曲の中で、獅子になる前の一声と獅子に変化した後の一声が同じではいけない。そういうことを意識すること。そして意識して吹き分ける引き出しを自分でたくさん作ること。そういうことをやりなさい。

 正直、ひぇ~です!とにかくトライします。それしか言えないです。

 次回、連獅子の竹笛の予定だったんですが、来月「俄獅子」で舞台に出るので、臨時で1回みていただくことにしました。師匠、そう言えば「俄獅子」の最後も狂いなんですよね、と。でも吹くのは屋台。俄ですからね、とのことでした。お三味線は狂いなんですね。

長唄 能管・篠笛お稽古 「正治郎 連獅子」2

 今日はなかなか師匠は厳しかった。十分に練習時間が取れなかったという言い訳はしたくはないが、準備不足でやるには難しい曲です。はめ込んで吹くことが多いんですが、どこで構えたら良いかがよくわかってないから、そこからもう負の連鎖…。せっかくお稽古しているのだから、次までにはその辺も含めて固めてからお稽古に臨みたい。

 狂いは覚えたつもりだったが、実際吹くと間違いオンパレード。乱序は覚えきれず、あたふた感、いっぱい。太鼓や大小の音をもっと聞けるといいんですが。

 獅子ものは避けて通れないから、もう少し身にしっかりつけないと。準備が大事です。

俄獅子の事前練習

 この秋に別な場所で長唄「俄獅子」と「五郎」の笛(能管・篠笛)を吹きます。素人お囃子チームなんですが、素人お囃子チームがいかに舞台に上がるのか、ちょっと説明したいと思います。

 だいたい次の段取りで本番に臨みます。

1.お囃子チームのみ集まって抜き差し・入りのタイミングの確認。まずは合わせてみます。
2.お唄・三味線・囃子が集まって合わせ練集。2~4回くらい。ここが重要です。
3.本番前に下浚い
4.本番

 で、「俄獅子」お囃子のみ集まっての練習がありました。ここに来るまである程度練習しておかないと、みな様にご迷惑をかけてしまいます。「俄獅子」は好きな曲で昨年けっこうまじめに取り組んだ曲です。ですから記憶も新たでお盆前くらいからボチボチ練習していました。

 「キリン」「神田丸」「屋台」とかを吹きます。名前の通り祭囃子から来ています。太鼓は細バチで篠笛はらしく吹きます。この「らしく」というのが長唄では重要です。祭囃子から来てますが、そのまんまの太鼓の手ではありません。同じような手は多いんですが、あくまで祭囃子風の手です。私は祭囃子も稽古しているのでわかります。笛も同じで祭囃子風に吹きます。三味線がありますから、その存在は無視してはいけないのです。

 この俄獅子、実は大好きな曲なんです。こういう風に篠笛を吹けるようになりたいなあ、ってずっと思っていました。少しでも祭り感を出したいなあ。差し指も少し入れて頑張ってみよう。

 本日、お唄・三味線チームの録音データをいただいたので、これからはこの音をベースに練習です。これ太鼓の音が入っていないから大変です(笑)。その分勉強になります。普段いかに入りのタイミングを太鼓に頼っているかがわかります。

長唄 能管・篠笛お稽古 「正治郎 連獅子」1

 連獅子をお稽古することになりました。能管には乱序とか狂いとか楽とか能管らしい獅子らしい手が入っています。連獅子には勝三郎バージョンと正治郎バージョンがあります。素の演奏では勝三郎が多くて、舞踊では正治郎が多いとか。正治郎の方がドラマティックで舞踊向きのようです。

 勝三郎は前の師匠の時にお浚い会にかけたことがあるので、今回は正治郎をお願いいたしました。正連(しょうれん)と略してます。通な方は。

 能管はアシライ、舞踊の場合は見計らいで吹くことが多い。特に「髪洗い」、あの毛を振り回すやつが入ったりすると、立ち方が振り回している間は延延と狂いだそうです。

 取りあえず、曲の構成、能管中心流れを教えていただきました。