合奏は楽しい 長唄三味線

先日我が家で新年会やったんですが、その時にチンチリレンを替え手を入れて三人で演奏しました。

実は知り合いに三味線を教えて欲しいと頼まれ、手ほどきならということで月一回、一年ちょっとやったかな。三味線の取り扱いとか、構えとか、譜面の読み方を中心に稽古しました。このところ上達して自分が教えるのは限界かなあ、と思うようになり、これ以上やりたいならちゃんとした先生を紹介するからと話して、一端区切りを付けることにして、最後の記念にお浚い会もどきをやろうということになり、彼女の友達を何人か読んで演奏したのが上の写真です。

手書きの番組表なんかも作ってそれらしく。
・花見踊 前弾き
・チンチリレン
・ぞめき どんとつ入り

チンチリレンはせっかくだから替え手を入れて華々しくやろうと思い、みどケロさんと練習しました。これは正直難しかった。最初は自分で本手を録音し、それをゆっくり再生した音に合わせて替え手を練習し、その後みどケロさんに本手を弾いてもらって練習しました。当日はなんとか止まらず最後まで弾けたと言うことで成功です(笑)。彼女も頑張って弾いてくれました。

長唄の三味線はこうして替え手やら上調子というのがあって合奏する楽しみもありますね。今回私も味を占めて、チンチリレンくずし、チチリチ、トトロツなんかの替え手にもチャレンジする予定です。

三味線のメンテ話

 5月に大きなお浚い会があります。金沢のお隣小松でお浚い会、当然お泊まりなので、温泉+お酒付きの楽しいお浚い会です。番組はもう決まっていて、「風流船揃」を弾きます。お囃子も付くそうなのでそれはそれは楽しみです。

 今のところ、本調子と三下がりの暗譜度合いが90%くらい、二上がりが60%くらい。暗譜は100%でないと意味がないんですが、今月中に暗譜して残り4ヶ月弱で曲を仕上げたい、みたいに考えています。

 こればっかりだと飽きるので、最近チンチリレンを練習してます。これは手を速く動かすための練習曲としてもいいのではないかと思って。それに加えて、3日前から替え手の練習を始めました。これはまったく初めてなんで最初は試行錯誤の連続。替え手は本手に間に音を入れることが多いので、間を取るのが難しいです。

 自分で本手をすごーくゆっくり弾いたのを録音して、それに合わせて替え手を練習しています。すごーゆっくりです(笑)。師匠の伝の会には遠く及びませんが、かみさんとチンチリレンを合わせて弾けるように奮闘中です。

 さて、本題のメンテ関連の話です。これいずれもかみさんの方の話です。

・駒がズレるんだけど
・糸巻きがゆるみやすい

 実は去年知り合いの方から良い三味線を譲っていただき、皮を張り替えて使っているのですが、最近かみさんから上記のような質問を受けました。かみさんの師匠に聞けば済む話なんですが、師匠に話す前に一応私に聞いておきたかったようです。

 まず、最初の駒の話なんですが、今までこんなにすぐ駒がずれることはなかったのに、今度のはすぐズレるというのがかみさんの言い分です。これに対して私は、皮や駒によっては滑りやすいのがあるのでそのせいではないか。また、プロの先生が駒が動かないように糸でわっかを作って音尾に引っかけて動かないようにしているのを見たことがあると返答。

 糸巻きについては、使っている家にススみたいなのがついて滑りにくくなってくるのではと回答。もちろんひどければ三味線屋さんに調整に出すべきというはわかっています。

 で、かみさんが師匠にお稽古と時に聞いてきたそうで、駒については私の答えたことで間違いないそうです。かみさんの三味線も糸で止めた方がよいでしょうとのことでした。

 糸巻きについては、墨を擦ってそれを糸巻きに塗るといいそうです。ただ、この方法は象牙の糸巻き限定だそうです。そして墨汁はNGだそです。方法としては糸巻きの汚れを良く拭き取ってから、金具に当たるところに墨を塗り、乾かしてから糸倉に戻すとのことです。実際にかみさんがやったら効果てきめんだったとのこと。

 この話は、そう言われるとどこかで聞いたことがあったような気がします。それと自分の持っている三味線の糸巻きは、使っているうちに汚れてくるのは、金具に残った墨が付いているのかなあ、とも思いました。うちにあるのは中古の三味線なので。それとも新品の時から墨を使っているのかもしれません。

 勉強になりました。

2017年になりました

 あけましておめでとうございます。年初に最近思うことをつらつらと書いてみようかなと。

 まず笛なんですが、自分で言うのもなんですがそこそこ吹ける方かなと思います。ちなみに自分が吹くのは江戸囃子とか、長唄の篠笛・能管です。

 で、そこそこ吹けるとどうなるかというとですね、自分で課題を見つけられるようになります。たぶん、もっと上手くなればもっと沢山の課題を見つけられるようになり、またそれを解決するためのヒントも見つけられるようになるのではないかと思います。

 なんでそう言えるのかというと、最近、江戸囃子とか長唄囃子の笛の師匠が吹いているのを少し真似できるようになってきました。ちょっと前までそんなこと考えもしなかったことです。考える前に、できないって思っていました。事実できなかった。

 江戸囃子なんかは一応附け(譜面)があり、お稽古はそれをベースに始めました。当然譜面通りに吹くことしか考えられません。ところが実は師匠なんかは譜面通りになんか吹いていないわけです。そこのところはわかっていましたが、いきなりそれはできないわけです。じゃあ、なんでその附けがあるかというと、いわゆる基礎的な力を付けるためにあるわけです。基本の附けがきちんと吹けるようになって初めて指し指やら何やらを加えて行く訳です。

 長唄の囃子で吹く能管なんかも同様です。付けはあるけど師匠が吹くのはプラスアルファが沢山ある訳です。でもいきなりそれはできないわけです。

 ですから、笛の練習に関しては最近は師匠を真似る!これにつきます。すごく難しいですがこれをやらないと駄目だし、練習してできるようになると凄く楽しい。

 一方、難儀しているのが長唄三味線。一番の問題は積み重ねがないこと。例えば誰かに、「ふくふくさん長唄三味線習っているの?じゃあなんか弾いてみてよ」と言われるとまじに困ります。これは原因は自分にあります。お浚い会終わると全然弾かなくなっちゃうからです。うちのかみさんなんかは、一度浚った曲もたまに弾いたりしているんですよね。そのかみさんですら忘れちゃって困ると言っているくらいですから、自分なんかは問題外です。

 今年は長唄三味線、初心に返って取り組みたいなあと思っています。過去に習った曲もまた練習してみようと思っています。それが一番積み重なっていく良い方法ではないかと。

 長々とぐちっぽい書き込みにお付き合いいただきありがとうございました。続けることが上達の道である、をモットーに今年も楽しんで頑張ります。

千代田区芸能のつどい

 長唄三味線の弟子有志9名で、千代田区の「芸能のつどい」に参加してきました。演目は四世杵屋佐吉が作曲した「まつり」という三味線のみの曲です。先輩方は何回かこの曲を弾いたことがあるんですが、私は2回目かな。鉄九郎さんの国立での会に邦寿組として出演したとき以来です。去年も「まつり」の中から一曲弾きましたが、通しで弾くのは今回が二回目です。

 「まつり」組曲形式になっていて7曲くらいだったかな、それが合わさって「まつり」になっています。本来はお囃子も入るんですが、今回は三味線のみです。なので太鼓が入りの合図になっていたりするところは、タテの方が声を出して合図を出します。今回は曲事にタテを決めて演奏します。ちなみに私はお役無しです。

 出来はまずまずだったんじゃないかな。走りすぎることもなく、私も含めて各自細かい失敗はあったと思いますが、あきらかに事故ったような失敗はなかったのでは。

 4年前くらいに暗譜したので、なんとかくは覚えていたんですが、なんか似たような手が多く、覚えにくかったです。

 終了後有志で打ち上げ。来年の金沢でのお浚い会で出す曲をお互い報告したり有意義な(笑)情報交換ができました。

 

チンチリレン

なんか最近手が回らない感じです。元からそんなに早く手が回るわけじゃないんですが、これはもしかすると老化の始まりなんかなとも思えます。こういうのにはそりなりの訳があって、他にも体力的な落ち込みを痛感することが最近多くなってきています。

レイトスターター、つまり年をある程度取ってからお稽古始めた人がどうしてもぶつからざるを得ない技術的な問題の一つがこの速さって問題かなと思います。若いうちにこの辺をクリアした方は、かなり年取っても手が回りますが、それを身につけないままそれに対応せざるを得ないってのは正直、ちょっと辛いなあ~。

この辺は地味に練習するのが取りあえず一番効果的なので、チンチリレンを色んな速さで弾いて練習しています。この中に出てくる、チリチリ系の連続とか、チリトテチンとかを雑にならず、かつ、できるだけ速く弾く練習です。プロの方のような速さは無理ですが、自分の限界をできるだけ上げておきたいです。反復練習すればある程度の上達が見られる部分でもあるので、こういった練習を日常的にすることが大切だろうと思ってます。

お稽古を始めると、最初の情熱がだんだんと薄れてきます。習い始めの目標がはっきりしているときはいいのですが、脱初級すると、こう上達が顕著に見られず、だんだんと目標もフォーカスできなくなっちゃいます。

こういうときこそ、お浚い会とか何かの会で弾く機会があれば、できるだけ出るようにしています。そのことである意味無理にでも三味線に向かう時間をつくる訳です。基本嫌いになったわけではなく好きな訳です。そうして続けていくことが、いつかどこかで報われる、そう思っています。

お稽古歴は笛の方が長く、笛もそんな時期が何回かありました。その結果そのとき止めなかったことで、今の自分の笛があります。上達しない時期は苦しい。特に和楽器系の稽古はメソッドが確立しておらず、その部分で、次の手がかりを段階的に追えないという辛さがあるような気がします。そこで踏ん張らないとね。

お稽古で一番大事なこと。それは続けること。自分はそう思っています。

 先日、稽古場に7名ほど集まって11月にやる「まつり」という曲の合同練習をやりました。自前の三味線を持って行ったんですが、糸は特に張り替えもせずそのままでした。調弦してるとなんか三の糸の音が変、全然響いていません。あ~、これは切れる前触れかも思いつつまずは通しで一回弾きました。

 2回目入る前に師匠が調弦のチェックしてくださったんですが、これはまずいと判断したんでしょう、ご自分の三味線を貸してくださいました。凄くいい音のする三味線で、良かったです。という話ではなく(^0^;)、ああいうときには糸を取り替えて行くべきでした。普段の家練ではそこまで気にしないで弾いていて、その音に慣れてしまって、音の劣化に気がつかなかったんですね。反省です。

 そういえば、最近糸を切らなくなったんですよ。練習時間が足らないからだろっ!っては半分当たってますが、いぜんはちょこちょこ切っていたので、なんか変わったのかな自分。そこはよくわかりません。

 右手は師匠の動きをイメージはしているんですが。

【長唄三味線】風流船揃

 師匠お忙しくて6月は稽古日無し。で、自分も山王祭やら笛のお浚い会があり、三味線を触っておりませんでした(^^;)。正確に言うと、阿波おどりの練習とか出演で三味線弾いていましたが、長唄の練習はしてませんでした。ん~、一度触らなくなると触らなくなるんです。

 で、お稽古日10日前くらいになって、これではやばいぞ、と思い、少しずつ練習してました。これが見事に弾けません。ホントにまずいので、それからは毎日少しずつ練習してました。泥縄でしたがおかげで稽古は大きなボロを出さずにすみました(^0^;)。

 通しで弾いて、その後師匠がわたしの譜面を取って、ペンでなにやら記号を書き込んでいきます。そうです。抜き差しです。まあ、入れ事はないので抜くだけです。これからはこの抜き差しで練習することになります。早く覚えちゃうといいんですが、それがなかなか…。阿波おどりシーズンだし、その後、祭や笛もあるしなあ。と言い訳ばかり浮かびます(笑)。

 少し弾けるようになってくると楽しいです、船揃。頑張ろうっと!無理なく(笑)

長唄三味線のお浚い会をちょっと振り返る

 姉弟子さんがお浚い会の様子を撮影して、YouTubeに限定公開しています。先日その動画を見ました。実は自分の演奏を見たり聞いたりするのが好きです。ナルシーかもしれません(笑)。

 演奏の結果としては音だけあれば良いのですが、このお浚い会の動画はひじょうに勉強になります。なぜなら師匠と並んで座って演奏してい姿が見られるんですよ!普段のお稽古で師匠の演奏を見るのですらなかなかできません。暗譜してお稽古に臨むのが理想とはわかっていても、なかなか暗譜まで行きません。

 しかも、例え暗譜して師匠の手を見ながら演奏できたとしても、自分の客観的な動きは見られません。自分が感じている動きと客観的な動きは、まあほぼ違います。鏡とか師匠に指摘されて、客観的な動きと自分の感覚を合わせていくことがお稽古の目的の一つだと思います。

 で、その動画を見て感じたことが二つほどあります。

・バチの動き
・勘所を移動するタイミング

 バチについては以前にやはり自分の動画を見て、動きが小せえ~、と思い師匠のように大きく動かすように意識したことがあります。今回、やはり師匠と比べると動きがまだまだ小さいことがわかりました。

 それと左手の動きですが、特に速い動きのときに師匠より早く次の勘所へ動くことが多いのが目立ちました。早く動くって事は、その押さえていた音が早く無くなるってことで、これは演奏に多大な影響を与えているはずです。はずですと書いたのは、そこの音の違いがまだ感じ取れないからです。まあ、早く動くのは焦っているというメンタル面から来ているのだと思います。ぎりぎりまで押さえて、サッと次の勘所へ動かすことができていないという、技術的なものもあるでしょう。

 この2点を意識してこれからのお稽古に活かしていきます。

【長唄三味線】風流船揃、まずは最後まで

 4回目のお稽古で取りあえず最後まで行きました。

 どんな唄かというと、色々な船で賑わう隅田川の景色を唄っています。調子は本調子→二上がり→三下がり。来年のお浚い会の曲になります。先日のお稽古で師匠からそういう話があったので間違いないです。1年かけてやるのはちょっと長いんですが(^0^;)、自分の実力的にはそれでも足らないのが本当のところですね~。この1年かけて次の曲をやるというのがここ数年の自分のお稽古ペースになってます。以前はちょっともの足らない気持ちがあったんですが、今は出会う曲を大事に仕上げていこうと思っています。それと、たぶんお囃子が入るんですが、賑やかになるんでそれは凄く楽しみです。

 なるべく早めに仕上げて、合間に別なものもさらいたいなあ、という気持ちもあります。師匠にいただくだけでなく、自分で課題を見つけて練習しないといけないんですよね。今のところ漠然とですが、チンチリレン関係と、椀久の玉をやっていこうかなと。

 

【長唄三味線】次の曲は「風流船揃」になりました

 一昨年の「秋の色種」以外はシェフのお任せでした。今回もシェフのお任せだったんですが、師匠の前に座るとスーッと譜面が出てきました。去年は確か、「外記猿」やりましたっけと聞かれてから、譜面を探していらしていたのと比べるとちょっと違います。来年の大きなお浚い会を考えて、師匠がけっこう考えていらしたんだと推察しています。

 来年の大きなお浚い会は、お囃子も付く予定です。稽古の前に師匠から、アンケートが来ていて、二挺二枚+お囃子と答えていたのも関係あるかと。

 風流とつく長唄がいくつかあります。「都風流」とか。この「風流船揃」とはどんなことを表しているのかを調べていたら鉄九郎師匠のサイトにわかりやすいのがあったので引用いたします。

>「船揃」とは、本来は海の戦いや航海のために多くの船が海岸や港に出揃うことで、
> 中世の軍記物語では、開戦前の緊張感溢れる場面として描かれます。
>もちろん、この「風流船揃」は、戦いの唄ではありません。
>この曲が唄うのは、「これぞ真の江戸の花」と言い切る、賑やかな隅田川の様子です。
> 江戸時代には、「風流……」という題名を持つ浮世絵や浮世草子が数多く作られました。
>この場合の「風流」とは、現在私たちが使うような「優雅な趣」という意味ではなく、
> 古典的な題材を、当世風の派手で伊達な様にやつして表現したことを意味します。
>つまりこの曲は、軍記物語にあるものものしい舟合戦の準備の様子を、
> 多くの舟がひしめきあう隅田川の風景にやつして表現しているのです。
> 遊びの中から文化を生み出した船。吉原通いの粋な足となった船。
>そして、江戸前の漁業を支え、上方からの下り物を運んで、江戸の大都市経済の要となった船。
> 隅田川に浮かぶ数々の船は、江戸っ子のアイデンティティと深く結びついたものでした。
http://www.tetsukuro.net/nagautaed.php?q=123

 ちょっと弾いたら面白そうな感じがしたので先が楽しみです。