長唄 能管・篠笛お稽古 「操三番叟」1

 今日から「操三番叟」です。三番叟は元はお能から来たものです。五穀豊穣を願う祈祷の踊りと音楽と考えるとわかりやすいかも。この三番叟、能、長唄に限らず、文楽であったり、新内であったり、民謡、民俗芸能、祭礼、あらゆるものにあるそうです。

 長唄の三番叟もさらにいろんな三番叟があって、他に「雛鶴三番叟」「舌出し三番叟」「翁千歳三番叟」があります。この「操三番叟」人形振りの舞踊になっていてひじょうに面白いです。人形振りって、現代で言うとロボットダンスになるのかな。現代の若い人が見ても凄く面白いと思います。

 で、三番叟の音楽なんですが、祈祷の音楽なので、単純な音の繰り返しです。特に笛と鼓はフレーズの繰り返しを何回も行い、聞いている人をトランス状態に持って行きます(笑)。なんか聞いてると入り込んでしまう、って感じです。

 初回の稽古は全体的な流れの説明。一通りの説明を聞いて、ふぅ~、これ覚えるの大変そう…。というほが感想です。とにかく珍しく笛の出番が多い曲です。

 本日は「下がり端」「大ユリ」「三番地」を手を確認しながら吹いて終わりました。

長唄 能管・篠笛お稽古 「老松」

 二上がりの竹笛。師匠からはもう少し艶っぽく吹けるといいですね、と。うっふん、あっはんの気持ちで吹いてみようかな。というのは冗談として、伸ばす音が多く、3メリのロングトーンなんて激ムズです>師匠。

 三下がりの竹笛。出だしは4からでもOK。ここは明るめに吹く。こっちも3メリ多く、6メリも出てくる。

 キレイに吹こうとすると自分のクセとしてメリ気味になっているようです。ボリュームをある程度保ちながら、奥行きのある音を作っていかないとダメですね。

 一応、マルいただき上がりです。次の曲をどうするか、師匠と相談。操り三番叟、助六、賤機帯の3曲が候補に挙がり、今後はこれらをやることになりそうです。

長唄 能管・篠笛お稽古 「老松」

 3月は私の都合で1回、師匠がインフルエンザになり1回、お稽古が中止になりました。そんな訳で2ヶ月ぶりのお稽古です。

 今回は能管をみていただき、一応OKをいただきました。神舞のところは、ようやくスタートライン、言い換えると最低ラインのレベルまでようやく到達したとのことです。あとは工夫してください。邦楽の世界はこの教え方がスタンダードなんですね。確かに教えられる部分ではないということも何となくわかってきた今日この頃ですが、それにしてもヒントがないと辛い。ただ師匠がお手本を吹いてくださるのが最高のヒントになります。次回竹笛をやって上がりの予定です。

 で、来年のおさらい会の曲の話になって、この「老松」を第一候補にしたいとお話ししたら、あっさり「老松」に決定しましたw 能管・竹笛とバランス良く吹けるし、ご祝儀的な曲でもあるしいい選曲かなと思ってます。

 雑談で師匠はこの老松を吹く機会ってあまりないそうです。連獅子も正治郎がほとんど。道成寺とか越後獅子は多いとか。演奏会用の曲か舞踊の曲か、その違いだそうです。

 洗足池の演奏会、5月20日だそうです。で、今回でひと区切り、最後になるとのこと。天気が良ければ行く予定です。

長唄「花見踊」の笛を吹いてきました

タテ鼓、太鼓、笛(自分)が素人さん、大皮と上段の二挺二枚がプロの方の混成チーム(ワキ三味線の方が新しい方に替わりました)で千代田区の会に今年も参加してきました。

長唄って指揮者がいない訳ですが、じゃあどこで呼吸を合わせるかというと、タテ唄、タテ三味線、タテ鼓(や太鼓・大皮)のみな様がかけ声なり、あうんの呼吸で合わせていきます。素人にとっては圧倒的に経験値の少ない領域ですので、何回か集まって合わせていきます。その中で笛はきっかけを取るところはないので気楽です。すいません、気楽で>共演のみな様。ここで更にカミングアウトすると、正直、三味線のおさらい会が終わるまであまり練習に身が入りませんでした。合わせ練習に参加しながら、ひどい笛だなあ~、と。反省しています、はいm(_ _)m。

で、花見踊ですが、2年ちょっと前にもある会で吹いたことがありました。↓その時の日記です。

http://awafue.blog56.fc2.com/blog-entry-718.html

今回の花見踊、以前の反省点を踏まえ、いくつかテーマを持って臨みました。

・能管、狂言鞨鼓を拍子感を薄くするように吹く。言い換えると子供の狂言鞨鼓から大人の狂言鞨鼓へ。片シャギリのヒャイトの音をヒャイトと聞こえるように吹く。ここ苦手なんです。
・竹笛(篠笛)、大きく華やかに、音色を響かせる。厚みのある音色にしたい。

ここで実は少し進歩したなあと思う点があります。それは日吉(ヒシギ)がテーマに入っていない!もちろん大事なポイントなんですが、以前はもう日吉が鳴る鳴らないだけが凄く気になっていました。極論すると、他の音はへなちょこでも日吉だけピーっと鳴ってくれ、と思っていました。日吉はポイントで鳴らす音なので目立ちますから。それが今、取りあえず鳴らすことは心配が無くなりました。音の品質という意味では課題はてんこ盛りですが…。この点は後述します。

さて、本番の話をする前にもう一つ。今回この会でいろんな方とお目にかかりました。まずは、T左衛師匠。私は江戸囃子、三社祭で大変お世話になっています。今回ワキ三味線の方の囃子の師匠でもあります。私が笛で出ることは先刻ご承知のことのようでした(汗)。それから今回太鼓で出演のRさんの師匠E秀師。自分の直接の師匠ではありませんが、何気にプレッシャーです。特に太鼓と笛はセットなので緊張します。そしてT左衛門師匠が子供達の後見の形でいらっしゃっていました。それから、ネットでは以前から存じ上げていた黒猫さんが楽屋にご挨拶にいらっしゃいました。これは本当にビックリで、もともとは阿波おどりつながりなので、この場でお会いすること自体が不思議なのです。お話を聞くと、今寄席囃子を稽古していて、そのお師匠さん先輩が桃さんという、今回この千代田区の会の中心人物の方だったのです。世界は狭い~、つながっていると思いました。

本番です。笛は早渡りから。吹き始めて思ったのが、うっ!音がデッド。普段の練習環境や下浚い会場は吹いた音が返ってくるのが、音が返って来ない感じです。あと、乾燥しているせいかとても吹きにくい…。正直、やばいと思いました。このあせりから狂言鞨鼓の一くさり目に普段吹かない音を出してしまいました。ただ、日吉はきちんと鳴らせたのでちょっと落ち着きました。

竹笛はたぶん自分が今まで舞台で吹いた中では一番の出来だったと思います。あくまで対自分比ですので(^_^;)。少しだけ音を響かせられるようになってきたと思います。特に花見踊は華やかに元気よく吹きなさい、という師匠に以前言われていましたので良かったです。よく吹けた原因の一つとして、タテ三味線の方が事前に良く糸を伸ばしくれて音程がほとんど下がらず、笛本来の力を出せたのも凄く大きかったと思います。ホントに気持ちよく吹けました。ありがとうございました>三味線のみな様。

段切れの日吉はかすれてましたが、ギリセーフかな。それから観客席から録音したのを聞いたら、思ったより音が響いていたのでビックリしました。舞台ではあんなにデッドだったのに。

事前のテーマが実現できたかどうかですが、狂言鞨鼓、小学生から高校生くらいにはなったかなあ。大人にはまだまだ。片シャギリのヒャイトはまだ全然ダメですね。このイをィと吹きたいのですが、自分のはヒャリトって聞こえちゃってます。ここは難しい~。竹笛はまだまだ味が足りませんが、音を響かせられるようになってきたのは進歩。

私たちの出番の後に、長唄「娘道成寺」と「風流船揃」があって、プロの笛の方が吹いていらっしゃったので袖で勉強させていただきました。子供達の鼓・太鼓・大皮がメインでしたのでひじょうに控えめに吹いていらっしゃるのが印象的でした。そこでプロの技だなあと思ったのは、小さい日吉でした。私だとある程度以上の音量が無いと日吉が鳴らせないんです。イメージ的には私に必要な音量の半分くらいの音量で日吉を吹かれていました。笛とか男女の差もあるでしょうが、凄いです。こう、糸を引くようなイメージの日吉。自分のは太いロープです。ああいうのも吹けるようになりたいと強く思わされました。

共演・助演いただいたみな様、ありがとうございました。聞きに来てくれたみな様、ありがとうございました。

つたない笛を聞いてやろうというご奇特な方は↓
長唄「元禄花見踊」 2014-03-12 内幸町ホール 能管・篠笛で参加

花見踊の笛を吹いて思ったこと

 長唄「花見踊」で笛を吹くことになっていて、合わせ練習をしています。練習をしていて困るのが、三味線の糸が伸びてだんだん音が下がってくること。練習だと集まってさあやりましょう!ということが多いので三味線の方の糸も十分伸ばす時間がなく、不安定なのです。

 プロの方なら、さっと低めの笛に持ち替えるんでしょうが私なんかだと間の笛は持っていません。花見踊なんかだと、竹笛(篠笛)の出番は演奏開始から13分くらいなので、下がってます。七本調子を普通に吹くと調子外れの笛になっちゃいます。そういうときはメって音を低くするんですが、それだと笛本来の音じゃなくなります。花見踊は華やかに吹きたいんですが、妙に暗い感じの音になっちゃう訳です。メっても元気な音を出すようにという、超難しいことを言われたこともありますが、まあ、これはプロレベルでないと難しいです。

 長唄の竹笛を吹いていて、以前より三味線の音を聞くようになりました。同時に自分の笛の音も。笛にも癖があって、呂音は多少高め(ハルとかカル)、甲音は多少低め(メル)に吹かないと三味線と合いません。これはまあその笛の場合であって、絶対ではありません。また6の音だけちょっと低いとか、そういうのはざらにあります。まあ、篠笛の精度はけっこう曖昧なところがあるのです。さらに気温によっても高くなったり低くなったりしますし。結局のところ出る音に常に気をつけないといけない訳です。出る音に気をつけるってのは全ての楽器で同じですね。

 話がそれますが、いま、人気のある笛師さんが作る笛は、ピッチがより正確です。より西洋音階に近づいているという言い方が正確だと思います。長唄の笛方でこの手の笛を使う方がまだいらっしゃらないのは何故なのかな?一つの理由として三味線の音階が西洋の音階と微妙に違うせいだと思います。すいません。この辺は正確な知識がないので上手く説明できません。

 長唄用の笛は三の音が西洋音階的に言うとちょっと低いです。「さくらさくら」吹くときは三の音をちょっとハって吹くとちょうどよいです。流行のドレミの笛ならそのまま吹いて大丈夫です。

 でも唄用篠笛自体も作られてから歴史はまだ60~70年しか経っていないわけですから、これからもっと素晴らしい笛が出てきてもおかしくないと思っています。 

三味線サイレンサー

三味線サイレンサー
三味線サイレンサー

 先日「花見踊」の合わせ練習があったんですが、勉強になりました。何か勉強になったかと言うと三味線の減音です(笑)。練習会場で大きな音がNGとダメ出しをいただき、三味線の方が音が小さくなるよう色々と工夫されていました。そのなかで自分でもやってみようと思ったのが写真の方法です。

 ちなみに家ではコマの代わりに消しゴム使っています。忍びゴマは右手小指が当たるのがイヤで使っていません。

 写真の方法だと普段のコマを使えるし、ゴムのハサミ方で減音の度合いを変えられなかなか良いです。ゴムは100均の滑り止めゴムを切ったものです。

 笛で参加していたんですが、笛は能管は唱歌、竹笛は小さく吹いて対応しました。それはそれで難しい。鼓の方は手を打って、太鼓の方は座布団被せて打っていました。

 なかなか面白い体験でした。

長唄 能管・篠笛お稽古 「老松」

 神舞というのがあって、神様が舞います。笛的には二段目・三段目というのがあり、能管を吹きます。

二段目
 頭・呂・中・二段目ヲロシ・呂・中・干・中・呂・中

三段目
 頭・中・呂・中・干・中・呂・中・干・中・呂・上ゲ

 伊十郎CDなんかだと、普通に中・干・中・呂を吹いています。美学のは二段目ヲロシを吹いています。この辺は謎です。私は、最初の師匠の時は伊十郎バージョンでした。今回は正規?バージョンを教えていただきました。

 話変わって、私の師匠は福原百貴師です。今年教え始めて10年だそうで、自分のお弟子さんのお浚い会を初めてやることにしたそうです。来年の1月(日にちは未定)、場所はお江戸日本橋亭あたりを予定しているそうです。なるべくかかりが少なくなるようにしてくださるとのこと。芸大人脈+若獅子会人脈を駆使して、二挺一枚お囃子付きです。曲を5月くらいに決めないと。2曲くらい候補を挙げて師匠に決めてもらうのがいいのかな。他のお弟子さんとかぶらないほうがいいだろうし。

 獅子ものをやってみたい、という気持ちはある。あと、やってないけど神田祭とかもやってみたいなあ。お浚い会は、自分のためにプロの方が助演くださるという、贅沢な楽しみなんですよね。ん~、なんか楽しみができて嬉しいです。

長唄 能管・篠笛お稽古 「正治郎 連獅子」

 上がりました。竹笛のところでだいぶダメ出しが多かったです。自分自身もこれではだめと自覚があったので、最後数回は竹笛のみの稽古でした。最後はほんの少しですが感じが出てきたかなあ。次回より「老松」です。能管をしばらく稽古していなかったので、老松をお願いしました。神舞があります。神が舞うところです。中ノ舞とかは人が舞う。そこからして違う心持ちで吹かないといけない、とのこと。まず気持ちが入らないと良い音は出せない、そういうことに気が向くようになってきました。

 雑談で師匠がある和太鼓のライブを聴きに行った話になり、そのライブに出演のある笛吹きの方があまりにも下手でビックリしたそうです。ふくふくさんの方が上手ですよ、と(笑)。マイクを付けて、リバーブかけまくりだったそうですが、それでもあまりに薄っぺらい音で、しまいには怒りがこみ上げてきたとか。笛がかわいそうで仕方なかったそうです。

 師匠は今パルコの志の輔落語に出演。3月は若獅子会。若獅子会は凄いサプライズがあるかもしれないと。中身は教えていただけませんでしたが、何だろ?楽しみです。

オートマチック

 お稽古日記久しぶりに書きます。今回はジャンルに関わりなく思ったことを。先日、江戸囃子の稽古がありました。今、篠笛は四丁目の玉に合わせて吹くという練習をしていますが、この玉打つ人によって手も寸法(長さ)も違います。終わりの合図の手があり、笛はそれを聞いたら元に戻る訳ですが、これが見るのとやるのとでは全然違います。

 外から見ると太鼓の音だけを聞けばいいので、ああ今終わりの合図の手打ったな、とわかります。ところが自分が吹きながら終わりの合図の手を聞き分けるのは激ムズです。普段ひとっ囃子を演奏するときは、附け本の手通りに太鼓も笛も演奏していますが、そこから一歩踏み出した練習という訳です。

 まず、難しいのは終わりがいつ来るかわからない笛の手を吹き続けなければならない、ということ。引き出しをたくさん持っていないとダメです。CDや人の演奏を聞いていろんなパターンをつなぎ合わせて吹かないといけません。しかも、これを頭で考えるのではなく、手がオートマチックに動かないとダメな訳です。頭で次このメロディにしようなんて考えていると、太鼓の音を聞き逃します。つまり耳は太鼓の音を聞くことに集中しつつ、いろんなメロディをつないでいくという、並列処理が必要です。

 この練習を始めた頃は自分のメロディをどうつなげていくか、ということに頭の7~8割が使われ、太鼓の終わりの合図の手を聞き逃しまくりでした。先日の練習ではようやく太鼓の音を聞くことに8割くらい集中できたので、だいぶ聞き取れるようになりました。

 長唄三味線の方はお浚い会が3月頭にあるのでまずは暗譜しないといけません。まず暗譜なんですが、更に暗譜だけでは足らないところがあります。特に速さが求められるところ、頭の中で譜を追っかけていては間に合いません。やはり手がオートマチックに動くようにならないと。現時点で暗譜度合いは80%くらい。でも暗譜って100%じゃないと意味ないんですよ。今月中に100%まで持って行って、来月仕上げられればと思っています。ちなみに曲は「松の翁」です。すごくかっこいい曲なので楽しみです。

 阿波おどりの方は、まずはいろんな手をまず身体になじませること。家の中で練習時間を確保するようにしたので、祭囃子の玉のように、いろんな引き出しを作って、さらっと弾けるようになることが目標です。

 なんか新年の抱負みたいになってきた(笑)。

 長唄の能管・篠笛は、脱・おこちゃまの音、です。ひじょうに難しい領域に入ってます。これといった処方箋が思いつかないのが、難しさを表しています。曲のことを知るとか、詩の意味を考えるとか、そういう部分も多いだろうし。

 去年は激動の一年でした。今年は落ち着いていろんな楽器に向き合っていきたいです。

川崎邦楽祭 「五郎」で笛吹いてきました

 今年も川崎邦楽祭でした。私は長唄「五郎」の笛で参加。もう一曲「俄獅子」は観客席で勉強させていただきました。

 2年前に知り合いから出ませんか?とお誘いいただき、その時は力足らずとは思いつつ勉強の場と思い参加しました。自分の場合、笛のお浚い会というのがないので、笛を吹く場が欲しかったというのもあります。またアマチュアのメンバー中心で演奏を作り上げていく、ということも面白そうだなって思ったからです。

 今回もお囃子メンバーだけ集まっての事前練習、唄・三味線・お囃子の合同練習、下浚いと貴重な経験を楽しく積むことができました。また今回長唄の演奏は唄・三味線・お囃子がお互いに支え合っているんだなってことがよくわかりました。

 自分自身この会に出ることでいろんな勉強をさせていただいています。来年もまた頑張りますよ~!

長唄「五郎時致」 2013-10-20 川崎市某ホール 能管・篠笛で参加
[audio:https://twonine29.sakura.ne.jp/mymusic/nagauta-fue-/2013-11-24gorou.mp3 | titles = 五郎時致]