舞踊 長唄「黒髪」の下浚い

 長唄三味線の知り合いから、あるお名取の方の踊りで長唄「黒髪」に笛を入れてくれないか、とのオファーがあり無謀にも引き受けてしまいました。何度か長唄の演奏でご一緒したことのある方なので、私の腕前は承知の上でのオファーですから(汗)。

 笛を習い始めてしばらく経つと長唄系師匠の場合長唄の手ほどきとしてよく使われます。長唄笛のお浚い会なら笛は全部に入りますが、そうでない場合は笛が入らない部分も多いです。これがまたその時の状況、吹く人によって笛の入る場所が違うんですよね。いろいろと音源や動画を見ましたが、最終的には音源としていただいた音に忠実に吹くことにしました。ほんの少しだけアレンジ。ベタ付きで上手く吹けないとダメなんですよね。そこから少しだけアレンジ、が目標です。

 昨日、とにかくも初めて合わせて、良かったですよ、とお世辞に間違いないんですが、なんとか無事吹けました。本番は1ヶ月先なので吹き込んでいきます。

 あ~、昨日は緊張した。

江戸囃子のお稽古

 寿獅子やひとっ囃子を稽古したんですが…。ダメ出しのてんこ盛りでした。祭りが終わってちょっとは上達してるかなあ、との甘い考えは粉砕されました(汗)。ちょっとあまりにも出来が良くなかったんで、いろいろ考えました。考えて考えて、だいたいの原因はわかってきました。

 篠笛は間の取り方が全然できていません。じゃあ、今までできていたのか?と言われれば、まあできていたんですね。以前と今で違うのは、太鼓の手がわかってきて太鼓の音を聞くようになってきたことなんです。それはいいことでしょ、と言われそうですが、実はそうでもあり、そうでもない部分があります。

 以前は笛の唱歌だけを一生懸命追って吹いていて、結果太鼓となんとか合っていた、ような状況でした。今はなまじ太鼓の音がわかっているので、ふとした瞬間にあれ?これで笛合っているのかな?と不安になったりしてその結果笛の手が遅れたり早まったりしているような状況です。特に弟子同士で合奏する時にこれが顕著です。

 師匠に言われたのが太鼓のこの部分にこの音をぶつける、という意識を強く持つこと。太鼓の手に、天天ツ、イヤ、テレツクツ、ヨーイ、テレツクツ、天ツクツというのがあって、これに笛がチイヒャイヒャイトロトーヒューヒャ、トーヒューヒャーヒエヒャイトロと合わせるんですが、何気なく今まで吹けていた部分が昨日はあれ?になってしまいました。これのどことどこがリンクするかをしっかり覚えていなかったということです。

 ではどうしたら良いかというと、今までそれぞれ笛の唱歌、太鼓の唱歌をそれぞれ覚えたんですが、それをもっと高度にリンクして自分の中に再構築しないといけないわけです。それができていなくて、中途半端になっているから間が悪くなっちゃうわけです。

 二つ目の原因は、頭の中の間やリズム、唱歌と言い換えても良いです、を実際手を動かして太鼓を打ったり、笛を吹くのにずれがあるということ。このずれはやっかいでして、まあリズム感が悪いという言葉で片付けられちゃうと身もふたもないことになっちゃいますので、なんとか対応策を考えないといけません。

 大太鼓でいうと、プレモーションが大事。江戸囃子の屋台や四丁目の大太鼓は締太鼓が打っている中の部分部分で入るという、難しいことを要求されています。プレモーションに入る位置、動作の形、この辺り師匠も教えてくださったことをもう一度自分の中に再構築しないといけません。

 獅子の笛でいうと、ドンドンドンの最後のドンを聞いてからチヒヒャイヒャイトと吹いては遅れます。今までの自分を振り返ってみるとそこが一番のポイントだったように思います。今試行錯誤中ですが2回目のドンを聞いたら吹くイメージの方が良い感じです。3回目のドンで息を軽く吸って、ドンドン(ス)チヒヒャイヒャイトの感じです。

 その他にも曲の中でここはもっと陽気にとか元気よくとか、そういうアーティキュレーションにもっと気をつけるように注意をいただきました。

 最後まで吹ける・打てるようになったからこその厳しい指導と前向きに受け止めて頑張ります!

 自分はMだな(笑)

長唄三味線のお稽古 「松の翁」6

 たぶん6回目(汗)。お稽古はほぼ1ヶ月ぶりです。師匠や自分の都合で今月は2回練習がキャンセルになってしまいました。一応通しで最後までは行っていますが、二上がり以降はまだまだ全然ダメ。特に合方のところ師匠が替え手を今回入れてくださったんですが、それだけで自分は崩壊です(汗)。あと2~3回でいったん上がるかな。今年お浚い会にかけた「雨の四季」は去年の6月から稽古始めたから、今度の曲が来年お浚い会の有力候補。

 「花見踊」「五條橋」「雨の四季」と来てます。楽しみ(^o^)!

 それと今度師匠と鉄九郎師のユニット「伝の会」の演奏会を初めて拝見することができます。昨日チケットをいただきました!これが本当に楽しみです。

長唄 能管・篠笛お稽古 「娘七種」2

 まあなんだか忙しくて稽古していません。三社祭もあったので、と言い訳。前日に前回の録音を聞いて泥縄…。序の舞は前回初めてでした。重々しくなりすぎない、でも序の舞なんだよ、という風に吹くと良いとのこと。そう言われてもわかりません(汗)。

 最近の課題はヒャイトとかオヒャイト。前回も指摘されたんですが、現在はどう吹いていいかまったくわからない状態です。素に自然に吹くと、今のがいいですね、と言われる。でもなんだかよくわからない。ヒャイトって聞こえていないと思う。

 来月師匠はパリコレのジャパンなんとかで吹いてくるそうです。五人囃子というユニットです。大変そうですが、楽しみにしていらっしゃるご様子。私も応援しています。

三社祭

 お囃子で参加してきました。笛・締太鼓・大太鼓もうお腹いっぱい(笑)。お稽古しているのもこの日のためと言っても過言ではありません。またものすごく長い時間演奏したりするのも本番ならではのことで、この中で見えるもの、感じるもの、掴めるものもあります。また、祭りならでは決めごとも実際に体験していくことで、臨機応変に対応できるようになりたいという気持ちもあります。

 会主のT師匠、お囃子師匠であるO師匠からも大変貴重なお話を伺ったり、先輩や後輩のみなさんとも楽しい時間を過ごすことができました。感じるのは皆さんお囃子と三社祭が大好きだってこと。生まれ育ちは浅草じゃなくても20年以上関わってくると、宮入りで泣けてくる、という言葉には感動を覚えました。自分もそうなる日が来ると良いなあ。

http://awafue.blog56.fc2.com/blog-entry-797.html
↑昨年の三社祭の日記

今後の課題
・もっと笛スタミナが必要。限界を超えて吹くと何かが涌きだしてくる、という師匠のお話。
・臨機応変。いろんな意味で。これは経験とそういう意識を持つということが大事。
・大太鼓がホント下手くそ。
・鎌倉の長いバージョン。去年も書いているけど進歩なし。
・鉦。これも去年書いているのに進歩なし。
・笛の節回しの研究。音がぶつ切れになりがちなので、とくにつなぎのところ。

自分で褒めてあげたい
・笛が少しだけ祭囃子っぽくなった、と思う。
・投げ合いの上げの合図チヒがかなり良くなった。
・先輩から、ふくふくさん笛良くなったきたねと言われた。まじに嬉しかった。太鼓はまだ何も言われたこと無いのでこっちも頑張らないと。
・投げ合いの締太鼓、付けバチで打てるようになってきた。ノリが良くなる。これは本番のおかげです。長時間打つことの大きな効用です。

 今年初め、いろんなことがあり、いろいろなことを思うお祭りでした。こうして好きなことができる幸せを改めて強く思いました。素晴らしい方々に恵まれているこの場を大切にします。

笛の調整

 能管の蜜蝋がだいぶ浮いていたのは気づいていたんですが、専門の笛師に出すと時間もお金もかかるのでそのままにしていました。先日、江戸囃子の師匠が蜜蝋の調整は自分でやっているのを知り、またそれ用の道具も見せていただきました。ん、これ、自分でできるかな。というわけでやりました。

 用意したのは、手芸用の電気コテ。師匠のはもっと凝った道具でしたが、これでいけるかなと。蜜蝋を熱で溶かして平らにします。何回かやり直しましたが、上手くできました。いやあ、ドキドキしました。自分の能管だから思い切ってできましたけど。

 鳴りは少し変わりました。筒音が少し出しやすくなったかな。蜜蝋をもっと奧に引っ込めたらどうなるか興味はあるんですが止めておきます(笑)。さすがに怖いです。

阿波に長唄に江戸囃子なGW

 3日は青空阿波へ。三味線と笛持っていったんだけどもっぱら笛吹いてました。法螺貝は手強いですね。リップリードのコツが掴めません。前所属連の話をちらっと聞いて、三味線の子達が続いているようで良かった良かった。今年の秋に復活を考えているけど、とにかく忙しくて阿波に手が回らないというのが正直なところです。でも「はなはる」の動画とかは少しずつチェックしてます。

 4日は江戸囃子の特別講義。毎年恒例の若山胤雄師の講義です。といっても師の前で演奏して、ご指導を仰ぐという形です。まあ、それは、この業界では神様ですから、緊張します。ひと囃子で笛、太鼓、大太鼓とやりましたが、どれも普段の6掛けです(T_T)出だしの打ち込みの回数を間違える、なんて普段考えられないような失敗をしましたです。はい。それ以外は何とか迷子にならずに最後まで行けた、ということで。それだけでも自分を褒めます。ハードル低っ!

 江戸囃子の篠笛については、ちょっと前から差し指とかを少し入れてますが、本気で研究して入れていこうと最近思っています。この年でバリバリ入れるのは無理だと思いますが、味が少し出る程度に入れることを、まだ指が多少動く内に覚えないといけないと感じています。師匠はそういうところはよくみてくださるので、それは野暮だねとか、そこは少しこうした方がいいだろう、とおっしゃってくださいます。この辺は師匠が一から教える部分ではなく、各自が研究した部分を師匠にみてもらう部分なんでしょうね。

 で、夜はみどケロさんと合流して、松永鉄九郎師の長唄の会へ。早めに予約したので席は一番前の真ん中(^o^)たっぷりと松永師の噺を、もとい!長唄を楽しんできました。最近師範試験に合格されたミク友さんにも遭遇。お江戸日本橋亭はこじんまりとした会場なので、生音の良さがあります。大きな会場よりこれくらいの大きさの方が聞くにはいいかも。

 終了後、COREDO室町で久しぶりのタイ料理。トムヤンクンは濃厚でした。個人的にはちょっと濃厚すぎかな。4品頼んだんですが、二人とも年ですね。最後少し残してしまいました。でも、美味しかった。

 5日午前中。すれ違いのミク友さんのお浚い会情報をゲットしていたので杉並公会堂まで。小ホールは壁も天井も床も黒のモダンなホールでした。ちょっと早めに着いたらリハ中でした。ほどなく舞台上のミク友さんからお声掛けいただきご挨拶。番組が始まってから、あれ、お浚い会と言うには豪華すぎる助演のみな様。これは聞く側には嬉しい誤算。恐るべし、芸大人脈。この晴れの場で発表されたみな様、緊張もあったでしょうが、立派に演奏されていました。

 会が終わって、外に出てミク友さんにご挨拶どうしようかな~と迷っていると、スペシャル演奏が始まりますとの声が。急いで戻ると会主様助演の先生方による勧進帳滝流しが始まりました。あ~、皆さん、その腕前は悪魔と取引して手に入れたんですか?というくらいスペシャルでした。ちなみに我が家では上手いプロの方を悪魔に魂を売った人たち、と呼んでいます。私も悪魔に売りたいんですが、悪魔が買ってくれません(笑)

 最後楽屋に伺おうと思ったところでミク友さんが出ていらしてご挨拶。本当は第二部のヴァイオリンも聞きたかったのですが、それはまたの楽しみに取っておきます。

 こうして私のGWは終わりました。明日も仕事だ~!!

お寺で長唄演奏会@浅草 後 どぜう

長唄「助六」・「都風流」

唄:東音 真鍋希帆
三味線:東音 坂田舞子
三味線:杵屋六龍郎
囃子:阿倍真結
囃子:望月太左乃
笛:橋口瑞紀

 稲荷町駅から歩いてすぐの妙経寺本堂でのレクチャーコンサート形式の演奏会でした。長唄とはどんなものか?曲・歌詞の解説、楽器の説明付きで初心者にも優しい演奏会。これくらい近い距離で聞けるのは嬉しいです。

 皆さん、芸大出身で現役の方もいらっしゃるとのこと。唄の真鍋さん、本当に聞き惚れてしまういいお声・唄。そしてMCもお上手でした。なんと「雨の四季」物売り口上の一節を皆で歌いましょう、というコーナーがあり歌ってきました(笑)。三味線・囃子ともさすがの演奏。生の演奏はいい!です。

 演奏会終了後、合羽橋を散策して、どぜう「飯田屋」へ。どぜうは丸。鉄鍋にまんまの姿でご登場。ごぼうとねぎを入れていただきます。味は甘辛い、関東人にはおなじみの味付けです。ごぼうをおかわりして、合間にぬた、うざく、いたわさをつまんで日本酒!う~、たまりません。

 ほろ酔い、ご機嫌な一日でした。

長唄 能管・篠笛お稽古 「娘七種」1

 序の舞が出てきます。中の舞とか神舞とかお囃子にはいろんな舞が出てきますが、序の舞はゆっくりな感じです。師匠から序の舞ご存知ですかと聞かれたんですが、私これ初めてでした。菖蒲浴衣にもでてくるんですが、流儀では竹笛を吹くので能管ではお初でした。

 これは手強い。吹かないとお稽古に来た意味がないので吹きましたが、いわゆるノー感です。見かねてお手本を吹いて頂きました。このレベルに行くのはまあ無理としても、少しでも前進あるのみ!

 今回の一番のダメ出しは、片シャギリ。なまってますよと。このヒャイトとかオヒャイトが難しいんです。ホントに。自分のはヒャトになっちゃってる。これじゃあダメなんですが、じゃあ、簡単に直せるでしょ、と言われそうですが、そう簡単ではないのです。

 ヒャイトはほんとにベースになる手なのでここのレベルを上げると、ああ、あの人上手いなあ、ってなる手だと思う。地道に頑張りましょう!

長唄三味線のお稽古 「松の翁」4

 前弾きに師匠の替え手が入りました。事前にとても弾きにくくなると思うけど頑張ってねとひと言。ん~、その通りで譜面を見ながら弾いていたのに迷子になりました。一番の原因は自分の弾き込み不足です。はい(汗)。

 いつもそうなんですが予習というものができない自分です。今回二上がりの部分に入りましたが、もうボロボロ。お遊戯ピアノみたいにポロンポロン状態です。それでも、なんと、最後まで取りあえず行きました。短い曲なんですねこれ。最後の部分、師匠がサービスで実戦スピードで弾いてくれましたが、かっこいい!

 次の稽古まで間がないので頑張らないと!