能管の調整

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これ、何だと思います?

能管の唄口に詰められている蜜蝋を調整するためのコテです。木片に頭を直角に曲げた釘を打ち付けたものでお手製です。江戸囃子のお師匠さんにこういうもので調整するんだよと見せてもらったことがあり、自分でも作ってみました。

以前は電気ゴテ使ってたんですが、こっちのほうが細かい作業に向いています。

なんでこんなものがいるかというと、蜜蝋は吹いているうちに管の内壁との間に隙間ができたり、蜜蝋が痩せてきたような感じになります。

そんなとき、このコテのさきを火であぶって熱くして、蝋を溶かして再度硬化させ修復します。場合によっては蝋を足したり引いたりします。

この調整で音は結構変わります。やる場合は気をつけないといけません。

【江戸囃子】もうすぐ三社祭です

 前回、鉦で屋台、昇殿、鎌倉をやりました。今回、ひとっ囃子を合奏練習するときに鉦を打たせていただきました。

 ここまで来るのは大きな目標でした。笛、締太鼓、大太鼓、鉦、全ての楽器でひとっ囃子を演奏するということが自分にとっての大きな目標だったのです。笛を習い始めてから、10年。ようやくここまで来ることができました。

 若山先生の本の中で、囃子は10年やってようやく他人様に聞かせられるようになる、とあります。自分は10年やってますが、まだまだ全然足りません。後10年やったらなんとか形になるかな。

 もうすぐ三社祭です。今年は大きな節目の三社祭になりそうです(^^)

【長唄 能管・篠笛】常磐の庭と浴衣をあつらえる

 神楽と神舞を続けて吹きますが、素の演奏としてこれだけ長く能管吹く曲は他に無いような気がします。気がするというのは、私全部の曲を知らないので(^0^;)。素の演奏と書いたのは、踊りの伴奏で吹くときは、例えば獅子が髪を振っている間は延々と吹いたりとかもあるからです。

 序の舞もあるし、竹笛も細撥からしっとりまであって、笛の出番てんこ盛りの曲です。現在、暗譜度合いは能管は90%くらい、竹笛70%くらいかな。今月中に暗譜100%にして、残りの1月半は仕上げに集中したい。

 で、師匠の笛のお浚い会としては初の浴衣で演奏となるので、この機会に浴衣をあつらえてみた。新宿にある呉服屋さんを思い切って尋ねてみました。ここにくるまで、デパートで買おうかなと思ったのですが、どうもデパートは敷居が高い。実際ぶらっと見に行ったりもしたのですがやはりなんとなく敷居が高い。

 ネットでなんか店がないかなと調べて、サイトの雰囲気が良い感じがした店と他にもう1店店の雰囲気を見て、入りやすそうな店にしました。

 まずは反物を選びますが、これが難しい。反物から仕上がったときのイメージがわかない…。なんとなく最初に作るのは白っぽいものを考えていたのでその旨告げて、いくつか反物を出してもらい、その中から選びました。たまたま気に入ったのがお値段低めのものだったので、仕立代入れて約3万円程でした。4~5万円くらいは覚悟していたので良かったです。

 私が体がでかいので、既製のだとなかなか合うのがないのです。今から出来上がりが楽しみです。

馬込の阿波おどりを終えて思ったこと

 久しぶりに阿波日記でも。

 個人的には、今年の構成は嫌だなあ(笑)、いや、嫌ではないんだけど自分には荷が重い、正確に言うと今年だけじゃなく毎年そんな感じです(笑)。

 今年は特に手を速く回さないといけないんで、これは50代半ばの初老の男には辛い~。正直に言うとこの速さで音の粒を立てて弾くのはプロでないと無理なんではと思ったりもします。ある程度速さを抑えれば、ありがたいんですが、それだとこの構成自体が死んじゃうんでそうもいかないし。まあ、頑張るだけ頑張りましょうと。

 本番で都合4回弾いたかな。自分的にはどれもまともに最後まで弾けたのはありませんでした。うひゃー、これ動画とか撮られていたら嫌だなあ、と。どなたかが撮った動画を拝見して、自分が思っていたよりはひどくなかったんで少しホッとしてます。たぶん、練習を積めばもっと良くなる感触を得ることはできました。直前に長唄三味線のお浚い会もあったので練習不足はあったと思います。

 本番って気が乗ってテンポが速くなるってのは良くあるんですが、公園でやったときはすげー速くなって、もう手がばらけるかと思いました。この構成危険すぎ(笑)。それから公園の時ちょっと、あるパートがミスって、そのカバーリングもベストな方法じゃなかったんだけど、こればっかりは経験がものを言いますね。

 後で、本人と雑談したんですが、本人はミスったことに気がついていなかった。僕はそれを聞いて大笑いしたんですが、これは本人はもうすでに厳重な注意を受けていて少し落ち込んでいたんで笑って少しでも明るくしたかったから。

 ミスは無いにこしたことはないけど、大事なのはカバーしてあげること。見殺しは一番いけません。そしてこういうトラブルは後で笑い話にしてあげましょう。

 今回最後に合同で流し踊りがあって、全8連で流しました。三味線は6挺でした。やっぱり少ないよね。笛は結構いました。14人くらいいたんじゃないかな。三味線がいた連が三連。東京で高円寺以外だとまだまだ少ないです。

 高円寺協会、漏れ聞くところによると三味線に力を入れているようです。今まで三味線がいなかった連にもいるようになったりしてます。むろん一拍子系は除くです。一拍子系でも個人的には弾いている方はいらっしゃいますが(笑)。

 こういう面で協会主導というのは効果が大きいのかな。自分が協会の連にいたときにはそこまでなかったです。また、南越みたいに徳島振興協会の指導を受けているところも三味線多いですね。

 こうして連の中で三味線弾く人が増えていくと、いわゆる自給自足ができて、連の中で三味線を育てることが普通になってきます。ちょっと前の笛がそうだったと思います。後数年で高円寺はそうなっていくだろうと想像もしています。

 それ以外の地域連では個人ベースになっちゃってます。個人ベースで広げようとする活動もいくつか知っていますが、なんらかのもっと広がる動きがないと厳しいですね。

 あわともがもしかしたらその辺のベースになっていたので終わってしまったのはちょっと残念です。自分的にあわともあまり協力できなかったのは、申し訳ない気持ちもあったんですよね。

 とまあ、こんなことを感じた春阿波でした。

組踊り

【長唄三味線】次の曲は「風流船揃」になりました

 一昨年の「秋の色種」以外はシェフのお任せでした。今回もシェフのお任せだったんですが、師匠の前に座るとスーッと譜面が出てきました。去年は確か、「外記猿」やりましたっけと聞かれてから、譜面を探していらしていたのと比べるとちょっと違います。来年の大きなお浚い会を考えて、師匠がけっこう考えていらしたんだと推察しています。

 来年の大きなお浚い会は、お囃子も付く予定です。稽古の前に師匠から、アンケートが来ていて、二挺二枚+お囃子と答えていたのも関係あるかと。

 風流とつく長唄がいくつかあります。「都風流」とか。この「風流船揃」とはどんなことを表しているのかを調べていたら鉄九郎師匠のサイトにわかりやすいのがあったので引用いたします。

>「船揃」とは、本来は海の戦いや航海のために多くの船が海岸や港に出揃うことで、
> 中世の軍記物語では、開戦前の緊張感溢れる場面として描かれます。
>もちろん、この「風流船揃」は、戦いの唄ではありません。
>この曲が唄うのは、「これぞ真の江戸の花」と言い切る、賑やかな隅田川の様子です。
> 江戸時代には、「風流……」という題名を持つ浮世絵や浮世草子が数多く作られました。
>この場合の「風流」とは、現在私たちが使うような「優雅な趣」という意味ではなく、
> 古典的な題材を、当世風の派手で伊達な様にやつして表現したことを意味します。
>つまりこの曲は、軍記物語にあるものものしい舟合戦の準備の様子を、
> 多くの舟がひしめきあう隅田川の風景にやつして表現しているのです。
> 遊びの中から文化を生み出した船。吉原通いの粋な足となった船。
>そして、江戸前の漁業を支え、上方からの下り物を運んで、江戸の大都市経済の要となった船。
> 隅田川に浮かぶ数々の船は、江戸っ子のアイデンティティと深く結びついたものでした。
http://www.tetsukuro.net/nagautaed.php?q=123

 ちょっと弾いたら面白そうな感じがしたので先が楽しみです。