長唄三味線のお稽古 「秋の色種」15

 今回は初めから師匠は上調子。いきなり前弾きでつまずきます。2拍間を空けるところに上調子が入ると、えっ、と慌ててしまう自分です。これはもう慣れるのと、自分の間をしっかり保つことが大事。

 で、虫の合方。少し練習していたのでここは何とかなりそうな目処が立ってきた感じです。二上がりにして、琴の合方。ん~、ここはまだまだ。手が回らないところがあって、要練習です。まず自分が間を崩さず弾けるようにならないとダメ。

 さて、今回師匠が初めから上調子を弾いてくださっておおきな問題が発覚しました。それは、調子変えです。二上がりに変えるときは、割と一発で上手くできたのでわからなかったんですが、二上がり→三下がりにするので一の糸巻きを上げるんですが、全然上手くできず、師匠の音を待っていたら、師匠弾いてくれません。あっ、この瞬間気がつきました。師匠は調弦違うから、師匠の音に合わせれば、ということはできないということに(汗)。

 今までの曲、調子変えがあっても、師匠も同時にやっていたので師匠の音に合わせれば良かったんですが、今回は自分一人で合わせないといけません。ん~、これ難しいです。本調子→二上がりはサワリもよくつくのでわかりやすいんですが、二上がり→三下がりはわかりにくい。ここ要チェックポイントです。

 師匠もできるだろうと思っているからやっていることだと思うので頑張らないと。

 ところで上調子ってどう調弦しているの?

芸大に初侵入

 長唄とか邦楽の世界には芸大関係者がたくさんいます。わたしの長唄笛の師匠もそうです。その師匠から現役芸大大学院博士課程の小川実加子さんのリサイタルがあるというので、初めて芸大の中に入りました。

芸大第六ホール
芸大第六ホール

 これはリサイタルが行われた第六ホール。露出補正しているので床が白く飛んでます。割と新しいのかな。芸大の入口の案内図を見てホールの場所を探していると、親切な女性な方が「小川さんのリサイタルに行かれるんですか?第六ホールはこちらです」と教えてくださいました。新しいのでまだ案内図に載ってないそうです(笑)。

 リサイタルは福原徹師作曲の曲と「二人椀久」、後半は研究発表という芸大生らしい内容でした。言い忘れてましたが、小川さんは鳴り物で今回は小鼓を打たれていました。マイ先生は笛で賛助出演。二人椀久は長い曲なんですが、唄、三味線、鳴り物素晴らしく、飽きずに聞くことができました。歌詞とか全部わかるわけじゃないんですが、唄の声がすばらしいので聞き惚れてしまいました。

 客席はほぼいっぱい。芸大関係者が多いのと、どうも、芸大夏期講座の受講生の方々も大勢いらしていたようです。私も知っている顔がチラホラ。長唄三味線の妹弟子さんも遭遇。聞いたらやはり夏期講座つながりだったようです。

 それにしても行く途中は雨も降って寒かった。駅から芸大までの公園の中昼間歩きたかった。でも良い演奏を聞けて幸せ。

江戸囃子 篠笛・太鼓のお稽古

 年内最後のお稽古でした。月一のお稽古なので1回休むと2ヶ月開いてしまいます。今年は3回行けなかった…。四分の一お休みは痛いよな~。

 笛の方は準備不足でした。前回秘曲の神田丸まで行ったのですが、この神田丸がOKだったのかどうか自分の中であやふやで何を練習していったらいいのかわからないのと、長唄の出演がありそっちの練習に集中していたせいもあります。

 まあ、言い訳はおいといて、練習してないと演奏がガタガタになるのはしょうがないにしても、ガタガタ度合いがひどすぎる。前回の神田丸より出来が良くなかったのが自分でもわかりました。と言うわけで神田丸はもう一回になりました。7メ、3メの音が特に良くないとのダメ出し。この音すごく大事なんですよね。最近笛は良い感じと言われていたのに逆戻りです(涙)。

 太鼓の方はひとっ囃子の締太鼓と大太鼓。今回は笛も入れてやろうということで笛も。タマを打つときは特に気を入れて打つこと。ちょいシマリ気味で入るくらいでも良い。

 笛の方は久しぶりにひとっ囃子吹いたので間が悪いところがいくつかあってダメ出し。吹いてなかったからなあというのはあるにせよ、同じ曲を何年もやってるんだから間違えちゃいけないよな。これは大反省。昇殿・鎌倉はテンポ遅すぎ。太鼓は笛に構わずテンポを作る。これ中級向けのアドバイスだそうです。吹き出しは昇殿はサラリと、鎌倉は少しユッタリと聞かせる。

 あと、少し飾りを音を入れて笛を吹こうと思ったけど、最初に間違えちゃうと飾りどころではなくなってしまいました。これも反省。普段から飾りを入れる練習をしていかないと。

 なかなか進歩しないんですが、来年少しでも進歩するよう頑張ろう!

長唄 能管・篠笛お稽古 「老松」2 とカーボンファイバー篠笛

カーボンファイバー篠笛

 写真見にくいんですが、噂のカーボンファイバー篠笛が店頭にあったので試し吹きさせてもらいました。手に持ってみると重い…。能管くらいあるかな。唄口、手孔とも小さめ。呂の一から大甲キまで鳴りました。

 なかなかのお値段ですが、店の方に聞いたらもう何本か売れたそうです。どういう方ですかと聞いたら、新しい笛が好きな方、村山さんファンの方、とかだそうです。

 阿波おどり、外で吹くし向いているかなあ。と思ったんですが、重いことと、表面が割と滑る感じの質感なので汗とかで、指とか唄口まわり滑りそうな感じがして、動きながらの演奏には難しい感じがしました。

 さて、お稽古の方ですが老松です。能管、ヒィーヤーヒィーの字配り、出端の入り口のタイミングを太鼓の手事で確認。ターウは3〜4回、終わりにウを当てる。神舞、モタって聞こえるので気をつける。オヒャーが原因っぽい。

 竹笛、唄に合わせる部分は唄に合わせて音を出す。6(六)の前に装飾音的に5(五)を入れる場合雑に入れてはいけない。その他細かいところをいくつか。

 今の段階で大まかにはいいでしょう。後は細かい詰めの作業がんばってください、とのことです。あと、師匠の師匠のお弟子さんが何人か出られることになったそうで、老松少し抜きが入ることになったそうです。笛の部分はもちろん全部入ります。

 今日の稽古が今年最後。ご挨拶をしてお別れしました。今年も1年お世話になりました。

長唄三味線のお稽古 「秋の色種」14

 抜き差しバージョンで1回弾いたら、師匠が「できるかな?」と言いつつ、なにやら三味線にギターでいうカポタスト、枷(かせ)っていうんでしっけ、それを棹に装着しています。お~、上調子入りの始まりました。

 上調子が入ると華やかになります。虫の合方はまあ何とかなりましたが、琴の合方で撃沈…。フヨイでチンチチンチンと入るところなんですが、イと同時に上調子が先に始まるところで嵌まってしまいました。ん~、相手を音を聞こうとし過ぎて出遅れる&その後のテンポがグチャグチャです(笑)。これは相当練習しないと。

 練習、そして暗譜しないと。でも、楽しかった。

長唄 能管・篠笛お稽古 「老松」

 川崎の会が終わってちょっとホッとしています。年内はもう何もないので、次の山としては笛のお浚い会です。前の師匠の時に何回か出ていましたが、今の師匠になってからは初めて、師匠自身も初めてのお浚い会だそうです。今後もお浚い会は毎年やっていく予定だそうで、私としては嬉しい限り。今年は10名足らず、こぢんまりした会場でやりますが、いずれは大きな箱でもやれるように頑張りますとのこと。頑張れ~。

 今わかっていることお知らせします。

日時:平成27年1月23日(金)13~15時くらい
会場:お江戸日本橋亭

 私は「老松」で出演します。師匠の人脈を駆使して二挺一枚お囃子。私の出番は大トリで、老松は抜き差し無しでやるという豪華バージョン。唄方は女性のようです。どなたかはまだ聞いておりません。

 というわけで今回から稽古は「老松」です。この曲実は今年初めの頃浚ったんですよね。わりとさらさら進んで上がったんですが、舞台にかけるので復習です。

 と、稽古に入る前に先日の川崎の本番演奏を聞いていただきました。あまり本番の演奏をお聴かせすることはしないのですが、来年3月に別な会で「勝三郎 連獅子」を吹く予定があるので再度チェックしていただく意味もあり聞いていただきました。

 いくつか注意点や、タイミングのこつを教えていただきました。最後の段切れの日吉はもっと間を取ったほうが良い。フー、ヒヒャー、ロルラー、リヤリは大鼓の音が聞き取りにくいと思ったら、速めにヒヒャーにはいって、リヤーリので帳尻を合わせる。竹笛はピッチよくキレイに鳴っているが、少し不安な感じが伝わってくるとのこと。自分で思うに音に厚みがたらないのかなと。もっと豊かな音を出さないとダメですね。全体的にはよく吹けてますよ、とお褒めいただきました。師匠のおかげです。

 さて、老松の稽古です。出だしのヒィーヤーヒィーなんですが、大間で吹く場合と、寶山左衛門先生のように早間で吹く場合とがあり、師匠なんかは大間で吹くことが多いそうです。今回の私は寶先生バージョンで。出端、そんな偉い人が出てくる訳ではないので重々しくなりすぎないように。ターウの繰り返し、最後伸ばすのはター。

 神舞、まだまだ指がなじんでいないのでぎこちないです。まあ、全体的に稽古していなかったのでしょうがないです。今日のお稽古はいわば準備運動みたいなもので、これから家で練習するときに間違ったことをしないための確認です。

 師匠の三味線に合わせて竹笛。本番は五本の二上がりで七本調子の笛になるとおもうので笛になれておいてくださいとのこと。

 段切れ

 あと2~3回、下浚いで本番なのでまずは暗譜しないと。また暗譜だ~。

川崎麻生区の邦楽祭に参加してきました(音源付き)

土曜日に下浚い、日曜日が本番でした。今回私は長唄「鶴亀」三味線三枚目、長唄「勝三郎 連獅子」の能管・篠笛を勉強させていただきました。

下浚いってのはまあリハーサルみたいなもので、もう出来上がったものを本番に準じて演奏して終わりなんですが、「鶴亀」の出来はかなり今一つでした。ダメな原因は明らかで、三味線おじさん三人組の出来がひどかったのです(汗)。特に調子変えで上手く合わせらません。本調子→二上がり→本調子なので二の糸を上げ下げするんですが、調子変えが上手くいかないと二の糸の開放弦のトンというのを思い切って弾けなくなります。だって変な音だから出したくないというのが本音。なでるように弾くと全体の音も歯切れが悪くなるという悪循環。

唄方のプロからそこを強くダメ出しされました。調子変えを慌てない、仮に多少合わなくてもなでるように弾いてはいけない。リズムテンポがグダグダになってそうなると唄えないそうです。

二回目は多少マシになりましたが、前途多難が予想される「鶴亀」でした。

「勝三郎 連獅子」の方は、全体的にもひじょうにまとまっていて特に問題ない出来映えだったと思います。タテ三味線のオジサマがひじょうに頑張っていました。

初めて読む方もいらっしゃると思いますので、この会のメンバーに構成について再度簡単にご案内します。四挺四枚お囃子です。三味線三挺はアマチュア、唄「三枚」アマチュア(セミプロみたいな方も)、お囃子はワキ鼓と大皮以外はアマチュアという編成です。

という編成なんですが、なんといってもアマがタテ三味線をやるというのはすご~く難しいことで、間とかテンポとかをリードしていかないといけません。歌を聴いてお囃子を聴いて、あるいは逆にタテ三味線が唄やお囃子に対してわかりやすい弾き方、かけ声をださないといけないわけです。ただ弾けばいいとうものではないのです。

私が「鶴亀」でやる三味線は三枚目です。比較的に気楽な立場ですが、それでもふだんのおさらい会でやるのとは全然違います。おさらい会は基本自分が主役なので、自分が間違えても回りが合わせてくれます。が、こういう会だとタテに合わせないといけないし、タテがこけたらワキが支え、まあ全員で助け合って作り上げないといけません。なので緊張感半端ないです。

そして本番当日。早めに楽屋入りして三味線のセッティングを着替えを済ませます。楽屋で少し練習できるので、鶴亀チームは主に調子変えのところを練習。「勝三郎 連獅子」の笛は、まあなんとか吹けるだろうとの思っていたので、それ程心配はしていませんでした。

今回の自分の目標としては、「鶴亀」三味線は、暗譜で弾く、調子変えを成功させる、です。レベルの低い目標ですが(笑)、だって鶴亀は浚ったことがなく、話を聞いて自分で練習始めたのが9月に入ってからで、それから9月下旬に初めて師匠に稽古していただい訳で、3ヶ月足らずで暗譜はすごいことなんです!!(笑) 調子変えはこの曲の難所なんでここを乗り切れば最後まで行ける、という感じです。

そして舞台の幕が開きました。今回舞台上凄く暑く感じました。手に汗をかきそうで嫌な感じです。汗かくとネジが滑るのでいやなのです。演奏が始まればもうなるようにしかなりません。途中ここには書けないハプニングもありましたが、無事段切れまでたどり着きました。お客さんにもそう変な感じは与えなかったと思うのでまずまずの演奏だったかなと思います。暗譜も1回一瞬飛びましたがすぐ戻れたし、調子変えも8割くらいは上手くできた感じがするのでまずは目標達成かな。ただ、音を聞き返すと、勘所が悪いです。こんなにひどいとは演奏中はそんなに思わなかったんですが、まあ夢中だったのでのそこまで気が回らなかった、というところだと思います。

演奏を聞いてやろうという奇特なお方は

長唄「鶴亀」 2014-11-30 川崎市某ホール 三味線三枚目で参加 *レコーダーを私の後ろに置いたので私の下手くそな三味線の音が中心です

残すは「勝三郎 連獅子」です。笛の個人的な目標は、日吉の音のレベルアップ。日吉の立ち上がりがスヒィーにならない。それと終わりを「ーーィ」この最後のィが聞こえるように吹く。「狂い」息切れしないよう最後まで猛々しく。竹笛の音色、ピッチ。

こちらも本番中ならではハプニングがあったりしましたが、無事段切れまで行きました。個人的にはタテ三味線の方本当に頑張っていました。あの曲をあれくらい弾けるようになりたいです。

笛は、目標の達成度は8割くらいかな。日吉の立ち上がり・終わりは何ヶ所か上手くできなかったが完成度は少し上がったと思う。狂いは入る打ち合わせで、フー、ヒヒャー、ロルラー、リヤリと吹くんですが、大皮が入ってからヒヒャーとやるつもりが大皮の音を拾い遅れて、リヤリが余ってしまった。「狂い」は一ヶ所指がもつれた…。すぐ戻れので良し。狂いの最後のヒシギは息切れせず良し。最後の段切れは長すぎて息が持たず(笑)。思い切り息を吸っておくべきだった。竹笛はまだまだだなあ。

演奏を聞いてやろうという奇特なお方は

長唄「勝三郎 連獅子」 2014-11-30 川崎市某ホール 能管・篠笛で参加 *観客席から録音したものです

たくさん勉強してまた楽しい方達と曲を作り上げる楽しさを経験させていただきました。また来年も頑張ります。関係者の皆さまに感謝です。