場所が神楽坂なので、行く前にランチでもと思いふらっと何気なく見つけた蕎麦屋に入りました。お二人さまですね、どうぞこちらへ、と案内される。ここまでは普通ですが、次に、こんにちは、お久しぶりです、と…。と、お顔をよく見れば、元東京えびす連のWさんでした。以前、かせい阿波おどりで、うちの事務所で一緒に飲んだ方でした。恐るべし、阿波おどりのメッカ、神楽坂。今月いっぱい店にいるそうですよ。
で、おさらい会です。会場は神楽坂のうなぎ屋「志満金」さんの大広間。福原清彦師のお弟子さん方の浴衣会です。私の知り合いが出るので応援です。
番組は、笛のおさらい会らしく、例えば「安宅の松」は、冒頭に勧進帳の「名乗り」と「次第」を入れて、最後に同じく勧進帳の「舞三段目」を入れたり、長唄「神田祭」は冒頭に江戸囃子の「鎌倉」、最後に「投げ合い」を入れたりして、笛の場面を増やしたりする工夫が随所に見られました。普段なかなかない、お琴との合奏を聞いたり、黒髪を吹かれた女性の落ち着いた演奏に感心したり、楽しい浴衣会でした。最後に「白波五人男」をお弟子さん方が演じるという余興まで楽しませていただきました。
ちょっと補足すると、笛の場面がメインになるので、お三味線とかを聞きたいという方は笛のおさらい会はけっこう辛いかもです(笑)。「秋の色種」だと、虫の合方、琴の合方が、ばっさり抜かれていました。基本三味線の合方はないです。ちょっとは聞きたいなあと思うんですけど、あくまで笛のおさらい会ですから。
知人は「操三番叟」を吹いていましたが、とても上手でした。あの能管と竹笛の持ち替えはお見事のひと言。聞くところによると、下浚いは日吉が鳴らず苦労したそうですが、本番は日吉も良く鳴っていました。そうそう、今回知人の能管の構え方が、師匠の清彦師の能管を拝見してそっくりなことを発見しました。やはり弟子は師匠に似るのですね。