山王祭で江戸囃子

山王祭ポスター

 京橋一丁目町会のお囃子のお手伝いに行ってきました。山王祭は赤坂日枝神社の例大祭で2年に一度行われます。神田祭の本祭と交互ですね。山王祭と神田祭は皇居の中に入ることを許された祭と言うことで天下祭とも言われています。

 京橋一丁目というと、日本橋と銀座の間くらいで、大きなビルが林立している街ですが、ちょっと裏に入ると飲食店もたくさんあるといった街です。このオフィス街でどんな感じでやっているかというと、こんな感じ。

神酒所 掛け屋台 神輿

 三社祭は街中が祭といった雰囲気ですが、山王祭はオフィス街でちょっとそれとは違う感じです。金曜日なんかだと道を歩く人も、祭があること自体を知らない人も多い印象です。あれ、こんなところで祭やっているの?みたいな。

 金曜日は神幸祭。土曜日は町会神輿。日曜日が連合渡御。だいたいこんな感じの日程です。私は金・土に参加させていただきました。江戸囃子を稽古していますが、特におさらい会とかがあるわけではないので、ある意味祭が発表の場です。で、本番には本番だけしか味わえないこと、初めてわかることがてんこ盛り。また、突発的な事態やアクシデントに対応しないといけません。

 例えは掛け屋台でやっていて、神輿もいないし、初級の方を交えてひと囃子やりましょうかということで始めて、屋台が終わって鎌倉なんかやっていると神輿が遠くからやってきます。さあ、こうなったら鎌倉を上げて、投げ合いに突入です。しかも神輿が見えなくなるまでエンドレスです。交代の人がいなけらばそととき屋台に乗っている人で囃子続けないといけません。これが、また祭本番のおもしろさでもあります。

 神幸祭の行列が通っているときは、延延と鎌倉です。鎌倉を長く吹くというのは、こういう場面があるから当然必要になってくる訳です。今回幸いに神幸祭の行列のとき笛を吹くチャンスをいただきましたが、本当に勉強になりました。ある程度自分で長い鎌倉の手を勉強していましたがまだまだ足らないです。あまり凝った手を吹くと経験の浅い太鼓だと迷子になるというのもよくわかりました。そう、鎌倉で笛が凝った手を吹いたときに動揺せず、間を外さず、太鼓特に大太鼓を打つのは本当に大変なのです。普段の吹く鎌倉にはこんな場面がある訳です。それが経験できるのが本番です。

 土曜日の夕方、神輿もいないときに、町会の囃子の方からお手本演奏をいうことで社中の上級メンバーでひと囃子やることになり、名前を呼ばれたのでワキ太鼓かなと思ったら笛でした。社中でNo.1の笛の方が太鼓にまわったので??? 思わず演奏するのは初級バージョンですか?と聞いたら、いや、ひと囃子のお手本をと言うリクエストがありましたから、と。え~、自分でいいのかとあせりましたが、ここまできたらやるだけです。結果はというと、2~3ヶ所よれたところがありましたが、自分的には今までのベストの演奏ができまたように思います。このメンツでやると当然テンポがもの凄く速くなって以前だと笛が追いつけずボロボロになっていたんですが、自分でテンポをしっかり捉まえながら演奏できた感覚がありました。さすがに最後の本上げのところは2日間の疲れが出たのか唇が震えていいビブラートでした(笑)。まだ、音色とか差し指とか課題はてんこ盛りですが、ああ、本番でこれだけ吹けるようになったんだと自画自賛です。

 夜は中央通り側にテーブルと椅子を並べて一杯。こんな経験なかなかできないです。町会の皆さまを始め、町会囃子連のみな様、社中のみな様、ありがとうございました。

長唄 能管・篠笛お稽古 「操三番叟」3

 能管のみお稽古。日吉の音を聞いて、師匠がちょっと能管見せてというのでお渡しすると、唄口の蜜蝋の様子を見て「ちょっと蜜蝋を足した方がいいかもしれない」とのこと。自分でやる場合の注意点や道具のことを教えていただきました。以前、江戸囃子の師匠に教えていただいたのと同じ道具でした。

 蜜蝋より自分の腕の方が本当は問題なんですけどね(笑)。家ではもう少しマシな気がするんですが…。師匠の前でも、どこでも、ちゃんと音出せないとダメな訳です。

 トビの手の後の三番地は一拍食い込んでいるので気をつけること。留メの手シマルところ、鈴の段の入り口は遅れないよう注意。

 今日で能管は終わって、次回から竹笛の部分です。竹田のところもやるのかな。やるよね。

長唄三味線のお稽古 「秋の色種」7

 難儀している「琴の合方」です。先日の稽古で勘所を押さえながら行ったり来たりするところをどうも間違えて理解していたようです。今回もどうも師匠と同じ音じゃないなあ、と気になり、珍しく帰ってからすぐ録音を聞いて何度も試してみてようやくわかりました。現場ではわかったつもりだったんですけど、間違ってました(汗)。

 譜面てそれだけでは役に立たない部分もたくさんあって、師匠というある意味では通訳してくれる人が必要なんですね。昔は譜面なんてものはなかったそうで、その時代のお稽古は大変だったろうな、と。今は録音もできるし、習う側にとっては便利な時代です。

 最後の三下がり、予習してない自分は白旗。師匠にお手本弾いていただき終了です。けっこうテンポ速くてここも難しそうです。

傘寿を祝う会

 長唄三味線の社中に傘寿を迎えられる先輩がいらして、その傘寿を祝う会で箱根に行ってきました。

 こんなバスで一路箱根へ。宿へ14時頃到着。すぐさまお祝いの会の支度です。ご当人の長唄演奏や、ご祝いの舞踊「鶴亀」や「伊勢音頭」、弟子一同の「白浪五人男」「三人吉三」の芝居が演目です。

 この日のためにお唄のプロの方がお二方、師匠が呼んでくれています。長唄や舞踊、師匠達の唄・下座音楽付きの芝居とある意味贅沢な遊びですね~。なんか幸せな気持ちになります。私も精一杯、「お尚吉三」を務めさせていただきました(笑)。いや、芝居って難しい!素人丸出し、当たり前か(笑)。

 夜は宴会。これがまたまた面白い。お唄の方は端唄のお家元でもあるので、もうお座敷芸は得意中の得意。サービス精神旺盛で、祇園小唄から奴さん、阿波踊りまで、皆で唄って踊って楽しみました。

 獅子舞の舞を勉強してこういうときにできたらなあ~、と…。あらたな野望が。

長唄三味線のお稽古 「秋の色種」6

 このお稽古が終わるとちょっと一休み。今日の目標は琴の合方の最後まで行くことでしがた、何とか最後まで行けました。超スローなテンポでしたが(汗)。ここは色んな三味線の技法がてんこ盛りで、本来のスピードで弾くのは至難です。ここをすらっと弾けたら超クールです。

 この琴の合方が終わると、三下がりにして最後まで行きます。全体的には、本調子→二上がり→三下がり、となる訳です。ゴールが見えてきた。

江戸囃子のお稽古

 今週の失敗は三社祭の直後に3つもお稽古を入れてしまったこと。練習不足と疲労でボロボロです。当然お稽古内容もボロボロです。

 篠笛は、蛇の目返しから間波昇殿へ入る道筋を練習。まずは師匠から、蛇の目返し「笛こんなに味気なかったかなあ」厳しいご指摘。2回同じことを繰り返すのでサラッと吹いたのでは面白くないところなので、低い呂の二とか三を響かせるように吹かないとダメ。間波はキリンと似ているが違うところを特に意識して強めに吹いてリードする。蛇の目返しからの昇殿、間波のテンポのメリハリを吹く前にイメージして吹かないとダメ。

 亀戸・階伝・夏祭りでは、差し指の変なヶ所を指摘されました。そこをそう吹くと気持ち悪い差し指をしていたとのこと。この差し指の入れ方はホントに難しい。それとヒャイトロというフレーズをもって研究してくださいとのご指摘も。師匠から見るとこのヒャイトロをちゃんと吹いている人はほとんどいないとのこと。せっかくやっているんだからここをきちんと吹ければ1段階レベルがあがるとも。

 言われていることは何となくわかる。師匠のヒャイトロと自分のヒャイトロは全然違う。附けで書けば「532」ですが、たんなるそれではない。息づかいとか一瞬6を聞かせるとか。自分の音はどうも単純すぎるようです。ちょっと吹き方を荒々しく吹く方向で練習するといいような気がしている。風音を入れる吹き方とかをコントロールできるような感じ。

 今日唯一褒められたのは、夏祭りの「ホー・ホー」。変な音をさせるところ。ここは工夫が見られていいですよ、と。今回厳しい指摘が多かったが、自分でも自覚している弱点なので納得です。

 大太鼓は、何となく見えたものは幻でした(笑)。速い流れ(テンポ)の中に大太鼓でスッと入っていくが難しい。リズム音痴です。締太鼓のように打ち続けるのならまだまし。締太鼓は後ダマで後半ばててしまった。でもだいぶ注意されることが少なくなったような…。大太鼓がもう少しまともにならないと鉦はやられてもらえなさそうな感じ。鉦は四助(よすけ)ともいって他の四人を助けないといけないから、大太鼓が危ないままでは助けられないよな。あせらず、大太鼓がんばろう。

長唄 能管・篠笛お稽古 「操三番叟」2

 あまり家で練習できていません。そういうときにお稽古行くの気が重いんですよね~。さらに三社祭があったので、心も体も疲弊。

 今日はまず、「あれ?日吉が弱いですね」と言われ。日吉千本ノック、はうそですが、15回くらい師匠の前で吹きました。確かにちょっと弱いです。こうポイント外れた感じ。最後の方でようやく自分では納得できる感じで吹けたら、師匠もその音です、と。

 下がり端が、ちょっとニュアンス違いますね、とのことで師匠に改めて唱歌を歌ってもらい吹き直し。ちょっと変なクセがついちゃったようです。これは直さないと。

 あまりの出来の悪さに、見かねたのか、三番地のお手本を吹いてくださいました。その日吉の音のすごさは、まあ、口あんぐりの凄さ。三番地もかっこいいし。手を動きを録画したいよな~、といつも思います。

 師匠についていると、知らぬ間に弱くなっていた日吉とか、変な節回しになってしまった下がり端とかをきちんとダメだししてくださるので本当にありがたい。お手本付きですからね。

長唄三味線のお稽古 「秋の色種」5 と 「春宵の響」

 三社祭でほとんど稽古できないまま稽古日が来てしまいました(汗)。しかも疲れで体も心もボロボロです。当然、お稽古もボロボロでした(涙)。琴の合方に苦労しています。

 「春宵の響」私は、はるよい、ってつい読んでしまいますが、しゅんしょうのひびき、と読みます。洗足池で行われる野外の笛を中心とした演奏会です。今年20回目を迎えますが、今回でひと区切りとのこと。残念。

 私の長唄笛師匠もご出演。更に囃子で参加の3名の方とは、なんといずれも共演したことがあるじゃありませんか。うむ、私も顔が広くなったなあ。もともと顔はでかいけどね(笑)。

 師匠の音が好きだなあ、やっぱり!能管はけっこう吹き手の個性が出るので、私でも、あっ!これは師匠の音だ!ってわかります。

 演奏会後は地元に戻ってちょっと飲んで帰りました。

三社祭でした

 お稽古でしてきたことを実践する場として、何よりも祭りの雰囲気を楽しむ場として毎年三社祭に囃子として参加しています。今回も宵宮から最終日の最後まで楽しんできました。

・宵宮は屋台の飾り付けから
 屋台を藤の花(造花)で飾り付けしたり、鉄パイプに緑色のテープを貼って竹っぽく見えるようにお化粧します。ご近所に挨拶回りに金魚の糞になってついて回り、最後は神社神楽殿の若山社中にご挨拶。笛の師匠もそこにいらっしゃいます。

 宵宮はいいですね。全体的にゆるりとしています。笛・締太鼓・大太鼓でひとっ囃子を計5~6回やったかな。今回私はこの5656会館の掛け屋台ではなく、もう一ヶ所の浅草警察前がメインの活動場所になり、そこではほとんど笛になるだろうとのこと。土日の2日間2ヶ所の囃子方を確保するのはけっこう大変なんですね。

 知り合いの方が宵宮を聞きに来てくれました。楽しんでくれたようで良かった。囃子を楽しむには宵宮はお勧めです。お客様もほとんどいないし(笑)。

・土曜日は連合渡御と6ヶ町渡御
 土曜日は全町会神輿が神社へ宮入りします。私のいる浅草警察前はその通り道という訳ではないので、神輿の間はひとっ囃子(簡易版)を演奏したりします。この場所のメインイベントは夜に警察前にあるお富士さんにこのあたりの町会神輿6基があつまる6ヶ町渡御です。最初の神輿が現れてから最後の神輿が降ろされるまで、30~40分くらいかな。演奏しっぱなしです。そのご一斉に神輿が担がれ各町内へ戻っていきます。

 まあ、笛的にはきついきつい。全力で30分吹いて、さすがにちょっとだけ交代してもらい、またすぐ復帰。この経験ができるのはすごくありがたい。師匠クラスだと平気で1時間以上吹けます。しかも音の劣化がないんですよね。自分レベルだと音の劣化もするし、まだまだです。

・日曜日は朝囃子と本社神輿が3回お見送り
 6時宮出しに合わせて音をだすというのが会の約束事。始発に乗って6時5分前に到着。当然半纏以外は既に着込んでいます。これは5656会館の掛け屋台の話です。町会の方に朝ご飯をいただいたりして、しばらくはのんびり。10時過ぎに私は浅草警察前に移動。この日は三ノ宮がこのここを3回通り過ぎるので、それを囃すのがお勤めです。前日天気が良かったので唇も日焼けしてます。これが曲者で唇がかさかさして笛が吹きにくい。2年前も経験しましたが、今回はそれでも音のレベルを下げずに吹けたかな。前日の6ヶ町渡御より時間的には短いので精神的には楽でしたが、本社神輿に囃すのはまた別な意味で力が入ります。入りすぎて喉に水分がなくなってしまい、咳き込むという失敗をしてしまいました。これは大反省です。

 3回お見送りした後は5656へ戻って、一の宮のお見送りです。この時はうちの会のメイン笛方のサポートで1回笛吹いて、後は締太鼓を交代で打ちました。

昨年の三社祭の日記

昨年挙げた課題
>・もっと笛スタミナが必要。限界を超えて吹くと何かが涌きだしてくる、という師匠のお話。

 もっとスタミナが必要。もっと楽に吹けるようになればスタミナも出てくる。でもだいぶついてきた、と褒めておく。

>・臨機応変。いろんな意味で。これは経験とそういう意識を持つということが大事。

 神輿がず~っと先に見えるときは、鎌倉でつないで、近づいたら上げて投げ合いに入る。ということができた。これは経験が役に立った。

>・大太鼓がホント下手くそ。

 相変わらず下手くそ。でも何かヒントみたいのは感じられた。後は練習で身につける。

>・鎌倉の長いバージョン。去年も書いているけど進歩なし。

 今年少しだけできた。が、鎌倉の引き出しがまだ少すぎ。でも、今年このつなぎとしての鎌倉の大切さを身を以て体験できたことは大きい。

>・鉦。これも去年書いているのに進歩なし。

 これはまだできていない。

>・笛の節回しの研究。音がぶつ切れになりがちなので、とくにつなぎのところ。

 みどケロさんが、少し上手くなったねと言ってくれた。いろんな笛を聞いてるみどケロさんの言葉は素直に受け止めていいと思う。うれしい。でも、まだまだ。

今後の課題
・音色・節回しの向上
・鎌倉の引き出し更に増やす
・スタミナ
・大太鼓
・鉦