長唄「花見踊」で笛を吹くことになっていて、合わせ練習をしています。練習をしていて困るのが、三味線の糸が伸びてだんだん音が下がってくること。練習だと集まってさあやりましょう!ということが多いので三味線の方の糸も十分伸ばす時間がなく、不安定なのです。
プロの方なら、さっと低めの笛に持ち替えるんでしょうが私なんかだと間の笛は持っていません。花見踊なんかだと、竹笛(篠笛)の出番は演奏開始から13分くらいなので、下がってます。七本調子を普通に吹くと調子外れの笛になっちゃいます。そういうときはメって音を低くするんですが、それだと笛本来の音じゃなくなります。花見踊は華やかに吹きたいんですが、妙に暗い感じの音になっちゃう訳です。メっても元気な音を出すようにという、超難しいことを言われたこともありますが、まあ、これはプロレベルでないと難しいです。
長唄の竹笛を吹いていて、以前より三味線の音を聞くようになりました。同時に自分の笛の音も。笛にも癖があって、呂音は多少高め(ハルとかカル)、甲音は多少低め(メル)に吹かないと三味線と合いません。これはまあその笛の場合であって、絶対ではありません。また6の音だけちょっと低いとか、そういうのはざらにあります。まあ、篠笛の精度はけっこう曖昧なところがあるのです。さらに気温によっても高くなったり低くなったりしますし。結局のところ出る音に常に気をつけないといけない訳です。出る音に気をつけるってのは全ての楽器で同じですね。
話がそれますが、いま、人気のある笛師さんが作る笛は、ピッチがより正確です。より西洋音階に近づいているという言い方が正確だと思います。長唄の笛方でこの手の笛を使う方がまだいらっしゃらないのは何故なのかな?一つの理由として三味線の音階が西洋の音階と微妙に違うせいだと思います。すいません。この辺は正確な知識がないので上手く説明できません。
長唄用の笛は三の音が西洋音階的に言うとちょっと低いです。「さくらさくら」吹くときは三の音をちょっとハって吹くとちょうどよいです。流行のドレミの笛ならそのまま吹いて大丈夫です。
でも唄用篠笛自体も作られてから歴史はまだ60~70年しか経っていないわけですから、これからもっと素晴らしい笛が出てきてもおかしくないと思っています。