東音会の会友、師範会友って何?

 昨日、女子東音会の演奏会第一部を聞きに行きました。みどケロさんの師匠がご出演とのことです。そういえば最近女子東音の演奏会によく行ってる気がする。

 演奏的に一番心に残ったのは「筑摩川」でした。ん~、格好良かったです。あんな風に弾けたらすごくかっこいい。いつか自分が弾いてみたいという意味ですごく心に残りました。家に帰ってうちの師匠の過去のお浚い会の番組表を見たらあったので、解説を読んでみると。

 明治12年に、河竹黙阿弥の書き下ろした「加賀騒動」の「筑摩川出水の場」の背景として作曲されたのが本曲である。大薩摩の豪快な手が「忍びの合方」「千鳥の合方」「幕三重」など、芝居の下座で使用される長唄の合方と融合している。とありました。

 あとは、鏡獅子の竹笛はきれいで良い曲だなあ。ここだけでいいから吹きたい曲です。乱序は参考になりました。自分であれだけやると聞いていてもすごく良くわかるようになりました。

 さて、本題について。番組表に長唄東音会「会友」「師範会友」の認定制度について、という案内が載っていました。読むと東音風の長唄を正しく伝承し広く普及するために「会友」「師範会友」という資格認定制度を設ける、とありました。

 この東音風というのがよくわからないところです。流派によって歌い方、弾き方が違うというのがありますが、もともと東音というのは流派じゃないんですよね。この辺私勉強足りてなくてすいません。東音風に唄う、弾くというのはどういうことなんでしょうか?イメージ的は最大公約数的な芸風ということになりそうなんですが。

 ちょっと気になったので書きました。

江戸囃子 篠笛・太鼓のお稽古

 三社祭まであと一ヶ月なんですよね。東京はそろそろ春のお祭りシーズンに突入します。東京の下町地区のお祭りはほとんど5~6月に行われ、西の方の地区は秋に行われています。なのでうちのところの神社は8月終わり頃です。

 諸説あるんですが、西の方はもともと農村地区で春は田植えで忙しい。もともと収穫祭という意味合いがあるので秋にお祭りをやる、という説があります。

 笛のお稽古、秘曲シリーズも2月で一応ひと区切り付いた感じなので、ひとっ囃子のお稽古をお願いいたしました。で、実は今回の稽古に臨んで、いろいろと自分なりに研究工夫を家で練習してきました。屋台・昇殿・鎌倉、それぞれに今まで見て聞いた師匠の音を真似ようとしたり、古いCDの音を真似る工夫の練習です。

 なので稽古前すごく緊張していました。師匠が教えてくれた工夫を練習してきたことはありましたが、今回はそうではないのです。ふくふくさん、なんですかそれは!とダメ出してんこ盛りの可能性があるです。

 吹き始めても緊張は止まりません。工夫してきたところをうまく吹けなかったり、何より緊張で後半口の中がカラカラになって音を出すのもきつくなったりしました。こんな風になったのは家元の前で吹いて以来です。どれだけ緊張していたかわかると思います。それでもなんとか最後まで吹けるようになったのは多少地力がついたのだと思います。

 吹き終わって、いろいろと工夫してきているね、と師匠。で、屋台と昇殿はスルー(あとでよく吹けていたよ、とのこと)、鎌倉はちょっと危ないかなあ、という講評でした。そうなんです。鎌倉は長い鎌倉を吹いたのです。師匠が吹いたフレーズやCDのフレーズを参考に少し長めに吹いたのです。

 鎌倉は勢いで吹く曲ではなく、笛を聞かせる曲で、師匠曰く、屋台・昇殿・四丁目より鎌倉が上手いね、と言われる笛吹きになりなさい、と。そうでない笛吹きが多いともおっしゃっていました。

 というわけで、鎌倉のフレーズを吹きながら、ここはもう少しこうした方がいいよとか、ここは変えた方がいいよ、とか教えていただきました。鎌倉はいわゆる節回しがとても重要です。太鼓の間の中で、シマったり、ノッたり、自由自在に動く感じ。あと、節尻のまとめかたをいろいろ工夫するようアドバイスいただきました。

 太鼓の方は、ひとっ囃子を締太鼓タテ・ワキ、大太鼓でやりました。先玉をけっこう練習していたので、師匠からも今まで一番いいと、お褒めの言葉。その代わり、後ダマは失敗しました(汗)。大太鼓のドドストストストがホントに下手で、入る前にバチを動かしていたら、それは止めるように、と。その代わり、締太鼓のテレツクのテレでコミを取って打ち始めるといいよと言われ、それで練習してみるとなかなか良い感じです。打ち始めは間が細かいのでバチを上げすぎないよう気をつけること。

 結局今回も鉦を練習することなくお祭りを迎えることになってしまいました。ここはちょっと残念。太鼓系がまだまだ不安定と師匠のご判断だと思いますし、その通りなのです。ここが安定して始めて鉦のお稽古が許されるのだろうと思います。鉦は四助とも言って、他のパートを助ける役目ですから何より間が安定して打てないとダメなわけです。

 でも焦らず続けていけば、いつかはそこまでいけると思うので、何よりお祭りを楽しんで、笛吹いて太鼓を打ちたいと思います。

長唄三味線 「外記猿」になりました

 お浚い会が終わって初めてのお稽古でした。師匠から何にする?と聞かれましたので、シェフのお任せで、とお願いしました。譜面をぱらぱらとめくりながら、外記猿やったけ?と聞かれ、やってませんと、と答え、はい、これで外記猿に決定です。

 猿牽きのお話しです。靭猿も有名ですが、こちらもよく番組で出てるようです。ちなみに、「げきざる」と読みます。昔、外記節というのがあったそうで、その手法・旋律を取り入れた曲だそうです。長唄の中に外記節三曲と言われる、外記節を復活を目指して杵屋六左衛門が作った「外記猿」「石橋」「傀儡師」がそれに当たります。が、外記節の臭いはあまりしないそうです。そもそも外記節がよくわからない自分(汗)。

 最初の方をチラッと浚いますが、あ~、こういう感じ。こういうのあまりやってこなかったからいいかも、と思いました。自分的に長唄の曲は大きく言うと二つに分かれていて、唄に三味線を合わせていくものと、三味線の流れの中に唄があるもの。前者が語りもの、後者が唄もの、と言うんでしょうか。あくまで自分の感覚的なものです。

 で、自分は唄もの=メロディアス、なものが好きなんですね。なので、自分で曲を選ぶと自ずとそっち系になっちゃいます。今回、シェフのお任せでお願いしたのも、こういう師匠の選曲を期待していたからかもしれません。

 というわけでお猿さん、よろしくお願いしますね。ウッキー!