江戸囃子「恭の会」と長唄ライブを聴きに行きました

8516583_2086041114_249small

 まずは、川崎能楽堂へ。「恭の会」という江戸囃子・神楽囃子のおさらい会です。会主の鈴木恭介師は国無形文化財 里神楽 若山社中の重鎮です。私の江戸囃子の師匠が賛助出演されるということもあり、以前より何回か聞きに行っていました。ここ2年ほどは都合がつきませんでしたが、今回3年ぶりに聞いてきました。

 番組は全部で24あり、江戸囃子と神楽囃子が半々くらいかな。以前より神楽囃子の番組がかなり増えています。お弟子さん達が長い方が多くなってきているのかもしれません。私自身は神楽囃子の方は稽古していないし、これから先するかどうかも微妙なんですが、今回演奏を聞いて、演奏としての神楽囃子もなかなかいいなあ、と思いました。なんかちょっと切ない心に染みいるメロディが多いんですよね。

 江戸囃子の方はわりとシンプルな構成のひとっ囃子が多かったです。秘曲入りや、つめ打ちとかもなかった。もっとも最後まで聞いた訳ではなく、用事があったので13番目の神楽囃子まで聞いて、次の場所へ向かいました。

 今回、ネットで知り合いの方がご出演で、会場に入ったらすぐ目の前にその方らしき方がいらして、先方もこちらをわかったようで、お互い初ご対面が果たせたのが嬉しかったです。その方もレイトスターターですが、今回は神楽囃子の笛を吹かれましたが、立派な演奏でした。大宮・鎌倉・昇殿・仁羽・幣神楽という演奏でしたが、仁羽なんかはノリノリで身体が揺れてましたよ(笑)。あ~、気分も乗って演奏されているなあというのが感じられる演奏でした。時間がなく演奏後にご挨拶できず失礼いたしました。

8516583_2085909418_41small

 さて、川崎から六本木へ移動しないといけません。東海道線で新橋、メトロで六本木までいって会場に着いたのが開演10分前、ギリギリでした(汗)。長唄三味線師匠のライブです。「綱館の段 曲舞入り」と邦楽落語「松山鏡」の2曲。綱館の演奏が始まろうかというまさにその瞬間に雷鳴が轟きます。自然現象までBGMにしてしまう師匠の力凄すぎ(笑)。まさに綱館にぴったり雰囲気の中の演奏でした。師匠の唄・三味線もノっていました。

 「松山鏡」もとは落語ですが、杵屋正邦さんが曲を付けていらしたんですね。私は落語も知らなかったですが、こちらも師匠の役者としての本領が存分に出ていた作品になっていました。

 さて、この2作品にはある共通点があるんですが何かわかりますか?それは、…。「箱」でした。「ためつすがめつ眺める」というのが二つの作品の共通点。一つは「茨木童子の腕が入った箱を眺める」場面、一つは「鏡が入った箱を眺める」場面。おどろおどろしい状況と、ちょっと滑稽な状況での場面を師匠ならでは表現力で魅せてくれました。

 師匠は長唄三味線の腕も凄いですが、一人の表現者としてスーパーマンです、ホントに。こんなに一人で観客を魅了できる三味線プレイヤーはいないんじゃないかな。

 終了後は師匠と弟子有志と邦楽ジャーナルの方と打ち上げ。美味しいビールとお酒をいただきました。

江戸囃子 篠笛・太鼓のお稽古

 笛は秘曲の「麒麟」を稽古付けていただきました。出だしは大きめに。「トオーヒャ」この「ト」に当たる部分が長すぎて間抜けになっているとまずはダメ出し。

 師匠がお手本を吹いてくださり、吹いた後に附けとちょっと違って吹いていますが、なるべくこのように吹いてくださいとのこと。師匠曰く、附けで表しきれない部分でもあり、また師匠含めてベテランは誰も附け通りには吹いていない、とのこと。たぶん最初に秘曲を吹いたときはここまで突っ込んだことは言われなかった。これだけでもありがたい。

 太鼓はひと囃子を締太鼓と大太鼓で打ちました。ん~、どちらも間が悪い。まだ締太鼓の方がましかな。先玉を打つときは少し大きめに振りかぶる。せっかくのタマなのだから格好良く。動作も大事ということ。

 大太鼓に関してはちょっとまた閃いたことがあるので、これで練習して間が合うかどうか次回試してみたい。

長唄 能管・篠笛お稽古 「操三番叟」4

 師匠がネクタイをしていたので、これからどちらへ?と伺うと、伊藤園さんのなにかのパーティーだとか。そんな話をしながら稽古へ突入。今日は竹笛です。特に難しい手もないのですが、吹き出しのタイミングとか、7メの音が強すぎるとか、いくつかダメ出しをいただきました。多少竹笛の音色がよくなってきたような自覚もあるので、吹いていてもわりと気持ちいいです。もちろん、師匠とかにお手本吹いてもらうとその差に愕然とするのですけどね(笑)。

 試しに能管との持ち替えをやってみましょうとのことでやってみましたが、これは難しい…。持ち替えるのってホント難しいです。

 最後に何か質問はありますか?とあり、竹田は吹かなくていいのかなと思ったんですが、せっかくのお稽古なので師匠に実際の持ち替えを含めてお手本を吹いていただきました。ありがたいです。竹田の吹く中身は?と伺うと、アドリブですと(汗)。そうかそうくるか~(笑)。人それぞれですが、なんとなくの形はあるので研究してくださいとのことです。

 次回、通しで能管・竹笛吹いたら上がりの予定です。

「南越谷阿波踊り 地元連発表会2014」を動画で見て

 もうすぐ7月ですね。7月になると個人的には「阿波おどり」シーズンに入ります。5~6月は祭シーズン、7~9月は阿波シーズン、秋冬は長唄シーズンかな。もちろん厳密な区切りではないのですがそんな感じです。

 今年は2年ぶりに阿波復活して、来月早々には合羽橋で出演があります。練習も今年の構成をちゃくちゃくと固めつつあるところです。7月に2回遠征があって、その後小金井の本番を迎えますので、遠征の一つ一つが大事になってきます。小金井の本番は本来なら2日間出るところなんですが、開催日が土日になったので日曜日が地元の阿波と重なるのでその日は出られないのがちょっと残念なところです。連も大事だし、地元の阿波踊りも大事だし、身体が二つ欲しい~。

 で、久しぶりの阿波ネタですが、「南越谷阿波踊り 地元連発表会2014」を動画で見ました。6連くらい見ての感想です。まずは、発表会というのが面白いコンセプトだなと。公演とかじゃなくてあえた発表会と名付けたのは何か理由があるんでしょうか?ひとつ考えられるのは、舞台を見ていてそういえば照明はまったく使っていなかったのが、その理由の一つなのかな~と。あと、鳴り物さんが舞台後ろに並んで出ているのも、演出上の効果より、そうしなさいとの約束でもあったのかなと。

 鳴り物さんが後ろにいると、それはそれで目に入ってくるので踊りの演出上は基本邪魔だと思うからです。更に舞台自体が広い、特に奥行きが深いので、これを上手く使えば面白いのに鳴り物さんがいるのでそういった演出はできなくなります。その辺が発表会という割り切りかたなのかもしれません。

 でも、こういった試みはいいと思います。やはり舞台というもので他人様に披露するとあれば練習にも熱が入ります。南越谷ってもともと祭り期間中にも舞台が2ヶ所くらいあって、見せるということに力を入れている場所だと思っています。詳しくはわからないんですが、今回初めて舞台に出たという連もあったのかな?そうであればより意味のある発表会だったと思います。

 個々の連についてはコメントしませんが、皆さん一生懸命練習されてきたのがわかるいい舞台でした。あと、連オリジナルの構成をどこも心がけていたように感じました。南越谷って提灯の連が多くて、阿呆さんの団子を真似た構成を前はよく見たんですが、今回なかった!これって凄いと思う。だってあれ提灯の連ならやりたいと思うから。

 三味線的には以前よりおとなしくなった感じ。誰かが言っていたのを聞いたけど某団体との微妙な関係が影響しているのかな?でも、どこの地域より三味線がいるのが南越谷。高円寺も遅ればせながら協会で三味線教室やっているようなので、ぞめきの三味線弾きがもっと増えると嬉しいです。

 早く梅雨開けないかな~。三味線に雨は天敵ですから!

山王祭で江戸囃子

山王祭ポスター

 京橋一丁目町会のお囃子のお手伝いに行ってきました。山王祭は赤坂日枝神社の例大祭で2年に一度行われます。神田祭の本祭と交互ですね。山王祭と神田祭は皇居の中に入ることを許された祭と言うことで天下祭とも言われています。

 京橋一丁目というと、日本橋と銀座の間くらいで、大きなビルが林立している街ですが、ちょっと裏に入ると飲食店もたくさんあるといった街です。このオフィス街でどんな感じでやっているかというと、こんな感じ。

神酒所 掛け屋台 神輿

 三社祭は街中が祭といった雰囲気ですが、山王祭はオフィス街でちょっとそれとは違う感じです。金曜日なんかだと道を歩く人も、祭があること自体を知らない人も多い印象です。あれ、こんなところで祭やっているの?みたいな。

 金曜日は神幸祭。土曜日は町会神輿。日曜日が連合渡御。だいたいこんな感じの日程です。私は金・土に参加させていただきました。江戸囃子を稽古していますが、特におさらい会とかがあるわけではないので、ある意味祭が発表の場です。で、本番には本番だけしか味わえないこと、初めてわかることがてんこ盛り。また、突発的な事態やアクシデントに対応しないといけません。

 例えは掛け屋台でやっていて、神輿もいないし、初級の方を交えてひと囃子やりましょうかということで始めて、屋台が終わって鎌倉なんかやっていると神輿が遠くからやってきます。さあ、こうなったら鎌倉を上げて、投げ合いに突入です。しかも神輿が見えなくなるまでエンドレスです。交代の人がいなけらばそととき屋台に乗っている人で囃子続けないといけません。これが、また祭本番のおもしろさでもあります。

 神幸祭の行列が通っているときは、延延と鎌倉です。鎌倉を長く吹くというのは、こういう場面があるから当然必要になってくる訳です。今回幸いに神幸祭の行列のとき笛を吹くチャンスをいただきましたが、本当に勉強になりました。ある程度自分で長い鎌倉の手を勉強していましたがまだまだ足らないです。あまり凝った手を吹くと経験の浅い太鼓だと迷子になるというのもよくわかりました。そう、鎌倉で笛が凝った手を吹いたときに動揺せず、間を外さず、太鼓特に大太鼓を打つのは本当に大変なのです。普段の吹く鎌倉にはこんな場面がある訳です。それが経験できるのが本番です。

 土曜日の夕方、神輿もいないときに、町会の囃子の方からお手本演奏をいうことで社中の上級メンバーでひと囃子やることになり、名前を呼ばれたのでワキ太鼓かなと思ったら笛でした。社中でNo.1の笛の方が太鼓にまわったので??? 思わず演奏するのは初級バージョンですか?と聞いたら、いや、ひと囃子のお手本をと言うリクエストがありましたから、と。え~、自分でいいのかとあせりましたが、ここまできたらやるだけです。結果はというと、2~3ヶ所よれたところがありましたが、自分的には今までのベストの演奏ができまたように思います。このメンツでやると当然テンポがもの凄く速くなって以前だと笛が追いつけずボロボロになっていたんですが、自分でテンポをしっかり捉まえながら演奏できた感覚がありました。さすがに最後の本上げのところは2日間の疲れが出たのか唇が震えていいビブラートでした(笑)。まだ、音色とか差し指とか課題はてんこ盛りですが、ああ、本番でこれだけ吹けるようになったんだと自画自賛です。

 夜は中央通り側にテーブルと椅子を並べて一杯。こんな経験なかなかできないです。町会の皆さまを始め、町会囃子連のみな様、社中のみな様、ありがとうございました。

長唄 能管・篠笛お稽古 「操三番叟」3

 能管のみお稽古。日吉の音を聞いて、師匠がちょっと能管見せてというのでお渡しすると、唄口の蜜蝋の様子を見て「ちょっと蜜蝋を足した方がいいかもしれない」とのこと。自分でやる場合の注意点や道具のことを教えていただきました。以前、江戸囃子の師匠に教えていただいたのと同じ道具でした。

 蜜蝋より自分の腕の方が本当は問題なんですけどね(笑)。家ではもう少しマシな気がするんですが…。師匠の前でも、どこでも、ちゃんと音出せないとダメな訳です。

 トビの手の後の三番地は一拍食い込んでいるので気をつけること。留メの手シマルところ、鈴の段の入り口は遅れないよう注意。

 今日で能管は終わって、次回から竹笛の部分です。竹田のところもやるのかな。やるよね。

長唄三味線のお稽古 「秋の色種」7

 難儀している「琴の合方」です。先日の稽古で勘所を押さえながら行ったり来たりするところをどうも間違えて理解していたようです。今回もどうも師匠と同じ音じゃないなあ、と気になり、珍しく帰ってからすぐ録音を聞いて何度も試してみてようやくわかりました。現場ではわかったつもりだったんですけど、間違ってました(汗)。

 譜面てそれだけでは役に立たない部分もたくさんあって、師匠というある意味では通訳してくれる人が必要なんですね。昔は譜面なんてものはなかったそうで、その時代のお稽古は大変だったろうな、と。今は録音もできるし、習う側にとっては便利な時代です。

 最後の三下がり、予習してない自分は白旗。師匠にお手本弾いていただき終了です。けっこうテンポ速くてここも難しそうです。

傘寿を祝う会

 長唄三味線の社中に傘寿を迎えられる先輩がいらして、その傘寿を祝う会で箱根に行ってきました。

 こんなバスで一路箱根へ。宿へ14時頃到着。すぐさまお祝いの会の支度です。ご当人の長唄演奏や、ご祝いの舞踊「鶴亀」や「伊勢音頭」、弟子一同の「白浪五人男」「三人吉三」の芝居が演目です。

 この日のためにお唄のプロの方がお二方、師匠が呼んでくれています。長唄や舞踊、師匠達の唄・下座音楽付きの芝居とある意味贅沢な遊びですね~。なんか幸せな気持ちになります。私も精一杯、「お尚吉三」を務めさせていただきました(笑)。いや、芝居って難しい!素人丸出し、当たり前か(笑)。

 夜は宴会。これがまたまた面白い。お唄の方は端唄のお家元でもあるので、もうお座敷芸は得意中の得意。サービス精神旺盛で、祇園小唄から奴さん、阿波踊りまで、皆で唄って踊って楽しみました。

 獅子舞の舞を勉強してこういうときにできたらなあ~、と…。あらたな野望が。